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609.皇帝VS宰相

 堂々と【帝都】の中央を進むが、コレと言って別に何の反発も無い。


 人々は静まりかえり、家屋の中からこちらを観察している。


 何もしなければ、こちらも何もしないけどね~。


 しかし【帝都】内では全然兵達による攻撃も反発も無いのはやっぱり都を傷つけないようにする為の配慮かな。


 所謂平民街を抜け、上級区へ。


 「隊長。コレで白竜様に謁見できるのだな?」


 「無理だよ?」


 「え?そういう話じゃなかったか?」


 「違うよね。宰相を名乗る国務尚書を殴るんだよね?きっちり片をつけてから、先に進もうか」


 「何でだ?決戦に勝ったのだから、白竜様に謁見し、この国をどうするか相談しよう。そうしよう」


 「え?国務尚書と決着つけてよ。そういう約束じゃん。駄目だよモヤモヤしたまま、中途半端に政治するの?怒るよ?」


 「いや、でも、政治ってそういう部分あるし?」


 「はぁ?怒るよ?皇帝の決着は皇帝でつけてよ。自分は白竜と決着つけるからさ」


 「白竜様と決着って……」


 「まあ、向こう次第だけど、どっちが生き残るかね」


 「ふぅぅぅ……なんて奴だ……でも約束だからな。分かった!国務尚書をぶん殴り、決着をつけよう」


 そしてそのまま正面の帝城に向かう。待ち構えるのは国務尚書。


 「お待ちしておりましたよ。さぁ、どうします?」


 ツカツカと決心した顔で国務尚書と距離を詰める皇帝。


 握り締めた拳で、国務尚書の顔をぶん殴り、叫ぶ。


 「何で!こんな事をした!多くの民衆を苦しめ!挙句この有様で何を大物ぶっている!」


 更に左拳を握り締め、国務尚書の芯がづれるような強力なボディを抉りこみ。


 「お前は昔からもっとできる筈だできる筈だと!無理な事をすれば当然反発があるのが当たり前だろうが!」


 すると、それまで甘んじてどんな仕打ちでも受けると、どこか悟ったような風情だった国務尚書の表情が変わり、


 握る拳ではなく、指だけを折りたたみ手のひらを反らすような虎爪で、強烈なフックを皇帝の耳に上からぶち当てる。


 「だから何だと言うのです!生まれながらの権力とカリスマ性!ヒトを適材適所に配置する能力!貴方ほどの皇帝が、伝統を打ち破らないで誰がやるというのです!英雄に憧れるばかりで、自分自身が英雄になろうとしない」


 更に宰相の水月蹴りが皇帝に突き刺さり、皇帝の体はくの字にひしゃげ、吹き飛ぶ。


 それでも、ノーガードのままフラフラと近寄り、膝を横に高く上げつつローキックと見せかけて、


 脛を相手の腿に落とし、ぐしゃっと蹴り潰し、


 「だから馬鹿だというのだ!英雄とはヒトに呼ばれる物であり、自分から名乗る物ではないわ!力がありながら等と軽々しく言うが、俺はこの国を維持するのでいっぱいいっぱいだ!」


 片脚の腿を潰されて立っているのもやっとだろうに、それでも中指を折ったまま第二関節だけを立て、


 皇帝の眼底を砕き折るような裏拳を打ち返し。


 「この軟弱者!それでも【帝国】を統べる皇帝か!お前こそ隊長を見習え!白竜様すら倒して我を通すとか世迷い事を本気で言ってる!私が馬鹿なら奴は大馬鹿だ!じゃあ、お前は何だただの軟弱者か!」


 お互いガクガクのフラフラになりながら、胸倉を掴み合いながら言い合ってる。


 「俺はお前がいたから何とかやって来れたんだ馬鹿野郎」


 「うるさい、軟弱者。お前が一言やるといえば、皆付いてっただろうに。でもお前がヒトの犠牲の上に立てない奴だって分かってたから俺がやってやろうと思ったのに」


 なんだよも~仲良しじゃん。巻き込まれた民達の方が迷惑もいい所だよ。


 あれかな~なんか実はヒト臭い宰相の事だから、一時的に苦しめても後々の事は計画とかあったのかな。


 敢えて離農させる事を目的にするとかさ。そもそも作物が育たないんだから、もっとお金になる仕事に人手を使おうとしたとか?


 じゃなきゃ、西側商人も素直に従わなかったか……。余計な御世話だったかな~?


 まぁ、そうは言っても自分だってここまで突っ張ったんだから、やらせてもらうけど。


 しかし【帝国】を代表する役職のヒト達は殴り合いすらえぐいよな。


 一撃一撃が、相手の体を破壊する壊し技。仲良しの喧嘩には見えない殺しの技の応酬で、お互いを破壊しあう。


 一発ごとに、どこかが壊れるのにノーガードで受け入れて打ち返すとかイカレてるよ。


 でも、最後にはお互いあらゆる部位をぶち壊しあって、残るのは頭のみ。


 ただの頭突きで勝負を決めたのは皇帝。


 「この石頭が!俺がお前の野望も【帝国】民達の未来も背負ってやる!」


 そう言って、一歩も動けなくなった皇帝を幕僚総監に預け、自分は国務尚書に問いかける。


 「白竜は?」


 ただ眼球だけを動かし帝城を見る国務尚書。


 帝城内に向かおうと思ったが、ちょっと気になったので幕僚総監に尋ねる。


 「国務尚書と皇帝が仲良しなのは知ってたの?」


 「ええ、まあ、意見はぶつかり合いますけど、それはお互いの能力を信じてたからだと言うのは、皆知っていますね」


 なんだよ~結局自分は道化か~。まあキライじゃないけどさそういう役割も。


 主役は皇帝と国務尚書、人気若手がソタローなら、自分が三枚目か。


 まあ、やるだけやってきますかね~。

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― 新着の感想 ―
[一言] さて、白竜さんのお仕置きの時間です?
[一言] 若い時に河原で殴り合いしてないからこーなるんだよもー。 隊長?3枚目じゃなくて大物助演俳優でしょ。ヤクザ映画におけるたけしみたいなものでしょ。
[一言] 神は言っている皇帝になれと! 隊長「すっごく断りたいんですが…」
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