155.砂漠の蛇にまつわる話
■ 方陣 ■
<戦陣術>方陣は機動力が落ちる代わりに攻撃力防御力が上がる術である。
隊列 横隊と相性がよく術効果も上昇する。
敵から攻められている状態及び正面からぶつかり合う状態のときに使用される。
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帰り道はまた砂嵐だったが、歩くだけで帰ることが出来た。
とは言え砂嵐だ。何も見えずにただ只管歩くわけだが、
気がついたときには、オアシスの街が見えるところに出ていたと言う具合だ。
気宝樹が導いてくれるって言う事なのだろう。
オアシスの街に着き、一先ず報告しなければならないと例の家に向かうと家の前に見たことのある輿がある。
周りには屈強な男が4人。
うん、出直そうか。またあの術士に会いたくないしな。
っていうか自分で砂漠越えられるのかよ。自分に関わらなくても良かったじゃない。
物凄く損した気分で、踵を返し、とりあえず泊まれる所でも探すかと歩き出そうとしたところで、肩をたたかれる。
にこやかな男性だ。
何でこの人はいつも自分がどこかへ行こうとすると、気がつくのか。
そして、例によって屋敷内のあの落ち着いた応接室に通される。
前回より椅子が一個増えてそこには案の定ソヘイラ様が掛けている。
「お久しぶりです。無事辿りつけたご様子で」
「ええ、隊長様が巣蠍を倒してくださったおかげで何とか。この厳しい環境下で私が戦う事は出来なかったでしょう」
ん~素気無く断ったし好感度低いと思ったんだがな~?もうちょっと突っ込むか?
「こちらには例の一緒にいた術士と一緒に来られたので?」
「あの者達の力量では到底越えられぬでしょう。私の輿を担ぐ者は相応の力量ですし、信用の置ける護衛を雇いましたので」
「嗚呼、あの術士が専属の護衛や取り巻きかと思ってました」
「あの者達は私に教えを乞いに来たニューターです。乞われれば術を教えるのが私の生業故構わないのですが、いつも私の行く先についてくるので。そんな事していないで、もう少し修行に身を入れていただきたいものです」
嗚呼なるほどね、あいつら術習いに来てそのまま厄介やってるのか、まあ、動いて自分で考えるキャラクターが存在するならな、少しは気持ちも分からないでもないか。
「そうでしたか、じゃあ、家族水入らずに、水差すのもアレですから今日のところはお暇・・・」
「お待ちください。私が故郷に戻ったのは何も故郷恋しさからのみではございません。私の占術に不穏な結果が出たからなのです」
「嗚呼、もしかして蛇ですか?」
「そうですか、隊長様は既にご存知ですのね?かつてこの国の命を奪いつくし、不毛の大地に変えたとされる魔物の復活です」
「もしかして、伝承か何か残っているんですかね?」
「ええ、かつて復活した際は不屈なる者と呼ばれる者が、この国の術士と力を合わせ倒したとか」
「どんな相手かとか弱点とかは?」
「命を奪い、全てを焼き尽くすと、それだけですね」
自分とソヘイラ様で話しこんでいる間、ソヘイラ様の父親、この土地を治めるお方はやっぱりニコニコしていたが、
「しかし、この街から出るのは至難ですよ。ご存知でしょうがここの外は苛酷な環境です。蠍こそ出ない今が脱出するには最適でしょうが、普通の住民が脱出するには途中休憩を多く取る必要があります。そうなれば持ち出さなければならない物資も多く。すぐに準備とは行かないでしょうな」
「それでも、逃げないと。相手は強力な魔物で、しかも命を吸って成長するとか。多分自分が相手にする事になるにしても、本当に自分で戦える相手なのかは分からないし」
「隊長様こそ、この国の者ではないのです。脱出されたほうがよろしいのでは?」
「自分は宝樹様に頼まれたので、戦う事にはやぶさかじゃないですよ。だから少しでも勝算を高めるのに情報が欲しいのと、出来れば住民を巻き込むような事をしたくないんですよ」
「ふむ、宝樹様に頼まれたとあれば、我々も協力せねばなりませんな。唯でさえ伝説に残る魔物が相手であれば、何かしら策を講じなければならないでしょう」
「一点宝樹さまから安心できる情報を貰っています。どうやら蛇はまだ復活したばかりで小さいらしいです。うまくすれば自分だけでも戦える可能性があります」
「ふむ、宝樹様なら間違いあるまい。申し訳ないが都より連れてきた【兵士】達を住民の護衛として使ってもよろしいですか?」
まあ、そうなりますよね~宝樹さまも、うまくすれば一人でって言ってたって事は住民が逃げたこの街で戦う事になるんだろうな。
だって、蛇の現在地は分からず、こちらに向かっていることだけは確かなわけだから、迎え撃つしかない。
あれ?でも罠はって皆で囲んで倒せばいいんじゃ?
「ふむ、相手は命を吸い成長すると言う情報も確かなら、極力成長させないようにするに越したことは無い。とにかく大急ぎで物資をまとめ脱出するとしよう。この街は好きにして良い。存分に戦ってくれ」
囲んで倒す作戦失敗。
どんな相手か分からんけどやるしか無いか。
飯食って寝よう。




