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111.次への準備

 ■ 補正 ■


 通常本ゲームにおいてはステータスは見えないようになっているが、当然基準となる数値は存在する。

 そこに付加される数値または百分率。

 上昇補正とある場合、一定スキルや時間と共に上昇する数値に補正がかかる。


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 ちょっときつかった翌日の事、自分は例の如く初心者服で歩いてる。

 初心者服に靴は付いてないので、露店で一番安い有り合わせの靴だ。


 歩いているのはサンハッカー。この鉱山地域の都にして出入り口。


 蛇を倒した後、一本道を歩いたら普通にここに着いたのだが、運が良かったのか、はたまたゲームイベント的な都合だったのか。

 まあ、いずれにしても自分に損は無いので構わないけどさ。


 ひとまず商業長に報告したら防壁防衛や邪神の尖兵の件も蛇の件もお礼を言われた。

 仕掛けの効かない魔物ってのは多分邪神の尖兵のスライムのせいで変質したもので、一時的な物だから当分は出てこないだろうとのこと、まあそれなりの備えはするのだろうが。

 そして今回の件、直接的な報酬は無いけども、それはそう。

 だって【帝国】の軍属に個人的に報酬なんて出すわけないよねまずいよね。

 別にドロップアイテムを接収されるとかそんな事は無いけどさ。


 もちろん防壁の防衛に関しては緊急とは言え依頼されたわけだけども、その辺りは【帝国】の方にちゃんと報告してくれるらしい。

 つまり国同士でその辺の報酬云々のやり取りはしてくれるのだろう。


 まあ、直接的な報酬ではないけど装備品の修理は請け負ってくれるとのことで、装備品一式アイテムバッグと宝剣以外を預けて初心者装備だ。

 スライムの時と違って蛇で耐久値を下げられた装備品はちゃんと修復できるらしいので本当に助かる。

 NPCを通せば、詐欺なんかも無いし丸投げしてしまった。


 ついでと言っては何だが、商業長にモグラとの集団戦報酬と蛇の報酬を見てもらったが、

 モグラの方が〔鉄鼠の腰巻〕斬・突耐性

 色は濃いグレー

 下腹部で一周巻いて、後ろが長く尻が隠れるようになっている。腿も後ろと横は隠れてるしカバーしてくれる範囲はそこそこ悪くない。

 剣帯は上から着ける感じになるけど。

 しかも耐性も付いてるし防御力が上がる分にはありがたい。


 蛇の方が〔連結の首輪(チョーカー)〕生命力・精神力補正

 黒い蛇を模したチョーカーだった。

 どうやってはめるのかと思ったら、かなり弾力のある素材で、手で普通に輪の隙間を広げて、首に装着するだけだった。

 装備するだけで生命力と精神力がアップするが、真骨頂はやはりギミックを動かした時だ。

 生命力を現す赤いバーと精神力を現す青いバー

 ギミックを動かして蛇の頭が尻尾に連結すると両方紫色のバーになる。


 ちょっと実験してみれば、どうやらというか予想通りと言うか名前の通りと言うか、生命力と精神力が連結される。

 精神力を使い切っても生命力で支払えるし、生命力以上のダメージも精神力が尽きなければ、問題ないようだ。

 実験の時はちょっとびびりながら試したけども。

 ちなみに連結解除するとパーセントで均等割りになる。


 生命力100%精神力0%で連結解除すると50%づつになる。

 生命力80%精神力100%で解除すれば90%づつ。


 便利っちゃあ便利?使いどころが有りそうで、無さそうで。


 後消えた勲章については

 〔ケントリオの称号〕+1 中隊以上の人数を率いた場合中隊全体の戦闘開始時の士気補正

 〔蛇使いの称号〕+1 生命力補正 

 となっていた。

 見た目もそれぞれ〔ケントリオの称号〕はメッキでもしたようにピカピカに

 〔蛇使いの称号〕は縁取りに蛇を模した模様が増えていた。


 次に【運び屋】の【営業所】


 まずは頼んであった装備品の受け取り

 マ・ソーニに頼んだチャロアイトのバングル(高級)

 〔酒飲みの味方〕自然回復補正・酩酊耐性・酩酊症状軽減

 名前が何だかあれだけど、こればかりは製作者の付けるものなので、どうしようもない。

 自然回復力上昇に酔いづらく、酔っても症状が軽いとか、確かに酒好きにはたまらない。

 酔いづらいっていうのは、人によって今一かもしれないが自分は全然問題ないな。


 そして、商人の二人に頼んだ品

 〔採集ダガー〕装備スキル<採集>、採集補正(市販品)

 そのまんまだが、装備してるだけで<採集>出来る上、採れる素材が増えるみたいだし、戦闘用ではなく普段使い用ナイフとして今後重宝しそう。


 〔剛猿の腕輪〕装備スキル<掴み>(プレイヤーメイド上質)

 剛猿は多分魔物の名前なんだろう多分。これで<掴み>スキルも使える。やはり相手が多いときの掴みからの武技身代わりは便利だし、あって困ることは無いだろう。


 次に忘れちゃいけないのは

 『氷結酒』の代金受け取り。

 ほぼ氷結酒を買ったときの金額が戻ってきたので大した利益は出なかったんだなと思いつつ。自分で飲んだり行く先々で振舞ったりした分まで元取れたんだからまあ、いいかと思っていたら。

 現物でさらに『アカーントウェイ』がここに持ち込んだ『氷結酒』の半分くらいの量を渡された。

 最高級酒って話だったのにまた随分と大量だなと思いつつアイテムバッグにしまいこむ。

 

 そして次の行き先を聞くことにする

 【営業所】にいるのは例の如く、ターバンを巻いたドワーフだ。


 「とりあえず【鉱国】にきた目的は果たしたわけですけど、次の目的地ってどこですかね?」


 「ああ、それなら【帝国】から連絡が入ってるぞ。次は【馬国】だそうだ。まあ【鉱国】の隣国で尚且つお前さんの目的を果たすなら順当だろうな」


 「【馬国】ですか、ちなみに国の特徴とか教えてもらっても?馬はいそうですよね」


 「ああ、元々遊牧民の国だったが時代と共に一部は定住生活するようになった国だな。別に遊牧民と定住生活者に隔たりは無いがな。遊牧民として暮らすには壁も何も無いところでいつ魔物が現れるか分からない状況で生活するって事だ。相応の気力体力適正が必要でな。体力の無い者が定住生活者になったり、逆に元来の生き方である遊牧民になる者もいる。

 産物としては皮細工と食料は割りと豊富だな。定住者が穀物と野菜一部家畜、遊牧民は多くの家畜を飼育してる。

 地形的な特徴と言えば、とにかくだだっ広い高原が広がっていて、家畜が食べる草には事欠かないな。

 あと一部山岳地域は塩湖があるから塩なんかも問題ないな。

 あと住んでる人の特徴としては獣人が多い。

 非常に身体的に優れてる連中だ。多少粗野なところは有るかもしれないが、別に横暴ってことはないな。

 まあ、そんなところか」


 とまあ、急な立て板に水状態で一気に説明される。


 「すると必要な装備は山岳も歩けるような丈夫な靴と念のため防寒具ですかね?後売り物としてもって行くなら何がいいですかね?」


 「ああ、靴と防寒具は必須だろうな。標高が高くなるほど寒くなるぞ。

 売り物なら金属だろうな。銅や石炭はそこそこあるらしいがな。でも次この国から運ぶのは大量の金属だからな一時的に売り値はちょっと下がるかもな利益が出ないなんてことは無いだろうが。

 後は酒だな、酒好きは多いぞ」


 「すでに結構な量のアカーントウェイがあるのにこのほかに酒買い占めても大丈夫なんですかね?」


 「まあ、この辺りの食糧事情は今回みたいに輸入する程だからお世辞にも良いとはいえないんだろうが、酒だけは余るほど作ってるはずだからな。余るほど作っててもあまらせないのが、ドワーフだがな」


 「じゃあ、商業長にでも相談してみます。まずは装備整えないと」


 とまあ、ここまでがログインして早々の流れ、とりあえず露店で安い靴見繕ってぶらついてる。

 それまで裸足だったのかと問われれば、街中では裸足でも歩行阻害が無かったし、別に指摘もされなかったので裸足だった。


 すると例の商人二人組に出くわす。


 「ねえ!今日は何探してるの?!」


 会うのも三回目だし流石に名前は覚えた。確か元気なほうがカーチお姉さんがマリーだな。


 「【馬国】に行くのに丈夫な靴と防寒具、できればグリップのいい手袋とやっぱりお腹がスースーするし腹巻かな」


 「へえ!前に着てた外套とかは?」


 「ほとんど壊れちゃった、胃酸で」


 「ああ!耐久値下げるあれね!防寒出来て尚且つ丈夫なやつか~でも普通の場所だと逆に暑いよね?」


 「服に耐寒耐暑が付いているから、ある程度は大丈夫なんじゃないかな。着脱が簡単なら普段用と防寒用と両方あってもいいけども」


 「ふんふん、そうすると前見たパツパツの服だと脚も寒いよね!」

 

 「まあ、確かに腰巻は手に入れたけど寒いかもね」


 「え!腰巻!じゃあ、外套は長いやつじゃない方が良さそうか~。後冑は!今どんなの装備してるの?」


 「嗚呼、これだね、何かフルフェイスヘルメットっぽいやつ」


 「うーん、防寒的には今一つっぽいね」


 「言われてみると確かにね」


 「よし!じゃあ、ちょっとまってて!」


 言うが早いかどこかに立ち去っていく。まあ、あっちもこっちも装備がかけてるしまとめて買えるなら助かるか。

 そうして適当に露店を覗きながらまたうろうろしてると


 「はい!お待たせ!」


 あっというまに戻ってくるカーチ。


 「まず、これ〔雪山外套〕良く見てもらうと分かると思うけど前が鼻の辺りまで隠せるの。邪魔な時はボタン外せばいいし、後フード付き。これで目以外は隠せるからゴーグルと一緒に装備すれば完璧!フードは多少余裕あるから頭にフィットするタイプの革冑なら装着できるから、

 この冑にしたらいいよ〔空軍冑〕耳まで覆えて温かいから、暑い時は首の下のベルト外せばいいから

 後ゴーグル!〔<分析>眼鏡〕この服に一番サイズ合うやつにしておいたから、

 何なら外套なしでこのゴーグルと冑だけでも昔の戦闘機乗りみたいでかっこいいらしいよ!

 それから〔雪山長靴〕足首がっちりでつま先も硬めだけど外が皮で丈夫だし中は毛皮で温かいよ!

 ただ普段使いに暑いようだったら〔甲猪軍靴〕はちょっと厚手で重くて無骨だけど、【兵士】のお兄さんには似合ってる!

 後ね手袋!普段使いはこれ!〔槍鹿手袋〕柔らかくて使いやすいはずだよ!

 防寒用の手袋はその上からでもはめられるように〔雪山手袋〕すごい温かい!

 後は〔雪山下袴〕〔甲熊腹帯〕!

 欲しいって言ってたのはこれで全部!どうする?後アイゼンとピッケルも用意する?」


 「ちょっと待った。いつから自分雪山上る事になったのさ?」


 「【馬国】の奥地はすごい寒くて険しい山岳地帯って噂だからかな?」


 「嗚呼、そうなんだ。じゃあ、助かるわ」

 多分また宝樹に会いに奥地まで行くんだろうし。


 「でしょでしょ!!」


 また一気に出されたので一応整理して確認するとこんな感じ。


 〔雪山外套〕耐寒・耐水(プレイヤーメイド上質)

 〔雪山長靴〕耐寒・耐滑・耐水(プレイヤーメイド上質)

 〔雪山手袋〕耐寒・耐水(プレイヤーメイド上質)

 〔雪山下袴〕耐寒・耐水(プレイヤーメイド上質)

 〔空軍冑〕(プレイヤーメイド上質)

 〔硬猪軍靴〕(プレイヤーメイド上質)

 〔槍鹿手袋〕器用補正(プレイヤーメイド上質)

 〔甲熊腹帯〕(プレイヤーメイド上質)

 〔<分析>眼鏡〕装備スキル<分析>(プレイヤーメイド特上)


 「この腹帯さ、チェストリグに見えるんだけどどうやって装備するの?普通は肩掛けなんだろうけど自分は胸甲が肩掛けだからさどうしたもんだか」


 「うんうん!分かってる。前に胸甲は見たからね!まず普通にベルトを締めればそれだけでも落ちないとは思うけどこの紐をね、胸甲に引っ掛けられるから!後ろも!

 見ただけでチェストリグって分かるなら、使い方も分かるかもしれないけど、ここに隙間あるでしょ?色々引っ掛けられるから!」


 「流石にお腹に色々くっつけて魔物と戦ったりするのは邪魔なんだけど」


 「邪魔ならつけなきゃいいし、ちょっと必要になったら、つければいいから!はい!専用ポーチ!」


 さらに腹帯につけるポーチまで渡される。形はしっかりしてるしポーション入れとくにはいいのかもしれないが、使う機会あるだろうか?


 「一応現実で雪山上るプレイヤーが作ってるこだわり品と軍ヲタが作ってるこだわり品だから、悪い物じゃないと思うよ!」


 軍ヲタか、冑はどう見てもレシプロ機時代の戦闘機乗りが被ってたようなやつだし何となくそういう方向なのかとは思ってたけど、でもチェストリグと白黒写真の時代のヘルメットじゃ時代が違いすぎるんじゃとも思ったんだが、まあ気にしても仕方ないかいずれにしたってゲーム内は剣と魔法の世界だ・・・・まあ術だが。

 

 「そう、じゃあ全部買うよ。いつも通り【営業所】通してくれる?お金は預けてあるし」


 「そこそこの値段になるけど大丈夫?金貨で数十枚位かな。特殊金属とかじゃないしこの辺りで捕れる魔物の素材中心だからそこまで高いわけじゃないけど」


 「問題なさそうだね、むしろ耐水耐寒とかついてるのに、特殊な魔物じゃないの?」


 「それは大河付近にいる泥蜥蜴の素材で外側作ってるからね!防御力はあんまりだけど耐水性抜群だから!でも山奥にいるわけじゃないし道外れて大河周り歩いてれば結構うようよいるらしいよ。耐寒は中に羽毛使ってるけど、弓使いのお小遣い稼ぎに結構出回るから」


 「つまり雪山装備はあまり防御力に期待しないほうがいいのか。まあ元々<皮殻甲>だし気にしても仕方ないか

ちなみに全部あの全身タイツの上から着れるんだよね?」


 「うん、大丈夫!あれアンダーアーマー扱いのはずだから!逆にこの装備の上から鎧装備するのは難しいよ」


 「なるほど結構もこもこしてるけどバングルは付けられるかな?」


 「皮使ってるとは言え、ほぼ服装備だから大丈夫だよ!甲殻や金属使った鎧の上からとかじゃなければ。ああ、でもアンクレットは駄目かもね!硬革だし鎧扱いじゃないかな!」


 「なんとも判定が微妙だけど。まあ服装備の上からなら大丈夫ってことなら別にいいか。助かったよ」


 「またのご利用お待ちしております!」


 といわれ例の契約書を取り交わして分かれる。


 そして【教会】によって旅用にスキルを入れ変えようとすると


 <軍術士>をさらに合成できるようになっていた。

 <行軍>と<統法>をくっつけられる代わりに<指揮>と<戦法>を失う


 <戦法>はまだいいとして<指揮>を失うとパーティでの陣形が使えなくなる・・・・よく考えたらほとんど使った事なかった。

 より大人数を率いるのに特化すると言う事だろう。

 正直<統法>はあまり使っていなかった気がするが、いつのまに熟練度が溜まったのやら

 

 まあ、よし!合成だ!


 <軍率士>=<行軍>+<戦陣術>+<統法>+<策戦>

 アビリティ

 ()()()()

 ()()()()())<戦陣術>強化・防御効果補正

 ()()()()<策戦>強化・部隊以上の人数を率いている場合に士気上昇補正


 <剽剣士><不動心>


<防衛域><軍率士><野泊者>


  <古樹><氷剣術>


控え


<言語><跳躍><疾走><登攀><ダガー><水泳><威圧><採集><掴み><分析>

 

 最後に商業長のところに行き【馬国】で捌けそうなお酒を見繕ってもらおうとしたら、石のほうがいいんじゃないかとのこと。

 何でも金属は馬具やら武具やら日用品で優先的に欲しいらしく今回輸送するわけだが、建材用の石があまり無いらしい。

 元々遊牧民でその頃の名残のように遊牧民のテントに住居に住む人は多いらしいが、定住生活をするにはやはり動かないしっかりした建物も必要で、木と土はあるらしい。石が足りてないとの事。

 まあ、必要としてるならアイテムバックに重さは関係ないしと大量に建材用の石を買い込む。


 おおよそ準備が整ったところで、今日は終わり。色々歩いて買い物したし、昨日に引き続きでちょっと疲れた。


 飯食って寝るとする。

戦闘よりも準備の方が書く文字数が増えるの不思議ですね

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