未探索遺跡 B2
モンスターどもを屠りながら遺跡を駆け回る。
偶に宝箱みたいなのもあるらしいから探して回ったけど、特に収穫は無かった。
ただ大体探索し終えた時に、下に降る階段を見つけた。
「予想はしてたけど、こうも普通に階段あるんだね…………。と言うか人間が降りやすい段の高さになってるのツッコんだ方が良いかな?」
更に言うと、普通階段じゃ無くて、あっても大穴だと思うけどね。
『まあ、マップに態々階の表示あったしな』
『RPGの遺跡にそれはタブーよ』
『どうせ階段使わないだろ』
RPGの普通の遺跡とかはさ、元々人が作りましたとか何だろうけど、この『ヴォイド』は未発見とは言ってるけど急に出てきたじゃん。
後階段くらいは使いますぅ……!
殆ど飛ばすけど。
「――ほっ、と」
一回ジャンプして階段の真ん中辺りに着地及びもう一度跳ぶ。
――歩法 残響
カンッ、と靴を踏み鳴らし音を響かせる。
「…………んと、まずは結構真っ直ぐみたい」
どんな敵がいるか分からないけど、まあ、サクサク行こうか。
『ちょっと待て』
『何したん?』
『音の反響で空間把握した、のか……?』
『すっげえ響くな』
お、良く見抜くねぇ。
いや、状況的にそれが一番考え易いし実行し易いだろうけど。
「正解してる人もいるね。今私は足音の反響を捉えて周囲を把握したの。明かりがあるって言っても薄暗くて遠く見えないからね、眼以外を使うべきでしょう?」
まあ、この広い空間でやれるのは私のドン引きレベルの五感の性能によるものだけど。
元々は夜の室内戦を想定したものだからね。
イレギュラーってやつ。
『あ、はい』
『耳良すぎて逆に怖いわ』
『どれくらい耳良いの?』
怖いって…………。
どれくらい良いのか?と言われても――
「100m離れた所に固いものが1m位の高さから落ちたら音が聞こえるレベル? 流石に壁があると色々違うけど」
『普通に化け物で草』
『五感全部そんな?』
『寧ろ弊害ありそうだな』
かなり性能高いけど、化け物は酷い。
「お察しの通り五感全部良いよ。弊害は…………くすぐられるとヤバいくらい?」
結構な問題だよね。お母さんくすぐるの上手いから余計に大変だった。
今でも偶にサニーにやられるし。
『フィジカルモンスターまっしぐら』
『弊害しょぼいな』
『ちょっと見てみたい』
『↑センシティブでBANされそう』
流石に無い……と思うけど。
――――いや、前に弄ばれた時に見てた琥珀が「エロいな…………」って染み染み言ってたから危ないかも?
「て言うか話逸れすぎだし、私も普通に探索してたし」
――お、モンスター見っけ。
オオカミじゃん。
オオカミ側もこっちに気が付いたみたいで、私が迅雷で走ってるのもあって、どんどん距離が縮む。
…………なんで遺跡の中にいるの?
「ま、良いや。『纏魔斬』」
――歩法 虚空
一歩、振るわれる爪を避けるように下がる。
「瞬雷」
抜刀一閃。
下から掬い上げる様に抜き打って、首を切り裂く。
すぐに走り出して、ドロップアイテムの確認をする。
「――んとね、ドロップアイテム地下一階のモンスターより一個多いね。ドロップ数の範囲もちょっと確認しようか」
地下一階のモンスターは、ゴブリンとお馴染み角ウサギの二種類。
あいつらのドロップする迷宮片鉄は初期値3個で固定だった。
さてニ階はどうだろう?
「これでドロップ数が階数+2だったら楽なんだけどな」
『適正レベル帯やや下で狩りまくるのが効率良さそう』
『何処かで安全地帯とかあるんかな?』
『ラピス『識別』無いから危険じゃね?』
「適正レベル帯かどうか戦わないと分からないからね。確かに危険ではある。……まあ、何とかするよ」
中間セーブ地点みたいなのはどこかにあると思う。
5階毎とかだろうけどね。
その後、走り回ってマップを埋めながらモンスターを片っ端から切り捨てて、地下3階への階段を見つけた。
2階のモンスターからドロップする『迷宮片鉄』は一律4個(+ボーナス)だったから、階数+2の仮定であっていると思う。
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