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Wisdom Joker Online 〜瑠璃色少女の配信録〜  作者: 月 位相
消失を力に

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写真

「――ああああああああ、キツイ」


 ちょっと舐めてたかも知れない。当時の私のあれこれを。

 普通に、断末魔じみたものが口元から出てきた。


 何と言うか――


「エッグい…………!」


 主に写真に映る私の表情が。


 なんで、そんなデレッデレしてるかなあ……!

 いや、理由ははっきりしてるんだけどさ。こう……キツイんだよ。

 そして、ちょくちょく強引に自撮りに巻き込んだ構図の写真があって、懐かしいのは確かだけど、ハッズい。


 なんで、腕組んでるの?! 

 なんで、肩に手回してるの?!


 こんの馬鹿娘(自分)はいったい何を考えてやがったんだよぉ…………!


「――はああぁぁ………………」


 落ち着け。一旦でいいから、落ち着け。

 当初の目的を思い出せ。

 精神制御は武術の基本のはずだ。

 羞恥に苛まれた程度で、狼狽えるな。


「明鏡止水だ、明鏡止水」


 視線を写真に戻そう。


 次に目に止まったのは、私と悠真が並んで木刀を掲げているもの。

 その二振りの木刀は、見るも無惨な程に、ぼろぼろになっている。


「一日で使い物にならなくしたんだっけな……」


 ところどころ罅が入っていたり、大きく抉れてたりとかなり酷い状態だね。

 二人で軽くて打ち合いし始めて、段々と火力を上げてって、最終的には本気の打ち合い、と言うか斬り合いになったんだったかな。

 当時の私達なら、木刀でも素材によっては斬れたしね。人体もちょっと危険。


 あの時は、お母さんに揃って怒られたな。

 まあ、一日で新品の木刀駄目にしたんだし、本気でやり過ぎて、ぶっちゃけるとオーバーワークだったし。


 次は…………、これ普段の型の稽古の時のだ。

 私の型の効率化を悠真に手伝ってもらっている時のだな。

 私が感覚的に、悠真が数値的にロスを見つけ出して、型を矯正してたんだよな。

 感覚と映像だけで効率化図るの凄い大変だから、とても助かった。


 問題があるとすれば、悠真に体重がバレることぐらいだったね。

 徹底的に効率化するのは良いんだけど、悠真の計算でロスを導く方法がネックになった。


 悠真は相手の身長や全身各部のの長さを目測(0.01mm単位)で測って、そこに打ち合ったりした時の筋出力とか武器の重量とかを加味して、相手の体重や動作毎の出力限界とかを割り出していた。


 まあ、そんなこんなで、助かったけど、助からなかった。


「次に行こう。このままじゃ日が暮れる」


 すでに、掃除(笑)を始めて、二時間近く経ってるから、急がないと。

 お昼ごはん作らなきゃだし。


 これは、琥珀撮影のお母さんに髪を結わ(遊ば)れている写真。

 こっちは、お母さんに首根っこ掴まれて連れてがれてる琥珀。

 更にその横に、琥珀が水性ペンでお父さんの顔に落書きしている写真。この時、最初油性ペンでやろうとしていたのを、お母さんが水性ペンに変えさせたんだっけな……?


 次のページには…………一緒にお昼ごはんを食べる私と悠真のツーショット。琥珀か、撮ったの。

 あ、懐かしい。悠真自分ひとりの分になった途端、ご飯疎かにするから、この時もゼリー飲料だ。

 良く朝と夜で必要カロリーは補うから大丈夫だ、とか言ってたな。


 確か、ちょっと必要になった道具を買いに、琥珀含めて三人で出かけて、お昼ごはんを公園で食べたんだっけ?


「――ん……?」


 私と悠真の間にあるものに目が留まる。

 長方形で、表紙に何か文字がある。殆どが私に隠れちゃってて読み取れないけど。


「ノート、かな? あ、横にペンあるし、ノートで良いっぽいな」


 ノートと分かっても、何用なのかが全然思い出せない。

 勉強用? いや、でも、せっかくのお出かけで勉強の話は切り出さないでしょう。琥珀は学年違うし。

 じゃあ、何だろう? 私達三人の共通の話題は剣術についてだけど、あんなの見たこと――


「――ッ」


 ツキリ、痛む頭。

 またか。

 これも記憶のキーになっているってことなのかな?

 まあ、現状これだけじゃ何も分からないから、他のものを探さなきゃだね。



 その後、昼ごはんの後も探しはしたが、特筆するような成果は上げられなかった。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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