ウェットな奴ら Ⅱ
キレ気味にカエルを叩き切って、次の獲物を探し歩く。
「そう言えばね、リザードって、なんか二足歩行するトカゲみたいなんだけどさ、何でも水魔法使うらしいよ。それでカエルの唾液落とせないかな?」
形容し難いレベルで臭いんだよ。ベタつくし、ついでに湿地での泥とかも嫌だから場合によっては、水魔法に当たってもいいかなって。
『M発揮せんで良いわ』
『まさかの発想』
『こいつ頭いいのか悪いのか分っかんねぇな』
『リザード=洗濯機』
『リザード=シャワー』
「誰がMだ、誰が。痛いのは嫌だよ。でも、それ以上にこのベタベタ嫌なんだよ。皆も一度味わえば分かる。あと、リザード、というか水魔法は水バケツひっくり返すイメージでしょう」
日向と琥珀にドッキリでローションぶっかけられた時以来だよ、こんなに嫌な液体。
あの時は、色々大変だったなぁ……。主に私がキレすぎて。
あれ? 自業自得?
「まあ、良いや。――お、あれかな。リザード」
何か青緑っぽい色のトカゲを捕捉した。
あれがウェットリザードだと思う。
『ウェットリザード Lv.24
属性:魔法・水 』
属性に表示されるのは最も強いものであって、他の要素も含んでいる可能性があることに注意しなきゃなんだよね。割と忘れそうになるけど。
でも、今目の前にいるウェットリザードのように魔法しか表示がなくても、実際に物理攻撃をしてくる奴はいるから、そんなに気にせずに参考程度にとどめておくべきかな。
様相は、本当に二足歩行になったトカゲそのもの。
全身に鱗を備えて、特に両手足に発達した刃状の鱗を身に着けている。
おそらく、それを使った斬撃攻撃と『識別』で表示された魔法攻撃を併用した魔法戦士的な戦闘をするんだろうね。
だったら、遠近両用とも言えるのかな?
まあ、斬撃に弱いらしいし、いっか。刺突の方がダメージ入らないかな? 一応鱗ならそれを貫く攻撃のほうが、鱗剥がしたりするより楽なのでは……?
試せば分かるか。
「――まずは、斬ってみてだね!」
――歩法 迅雷
何時もの如く、思い切り加速する。生物モチーフではあるから、私の仮説が正しければ、滑歩とかの幻惑する系統の歩法も通じるはずだけど、まあ、斬れれば同じだよ。……………………試せば良かったかな。
「……ふっ…………!!」
――斬法 瞬雷
即時抜刀。
一閃に繋げる。
「――シャアァァーー!」
リザードは雄叫びを上げながら、左腕を掲げる。
カンッ、と金属同士を打ち合わせたかのような音が一つ。
硬い! 刃状に発達した鱗なだけあって、かなりの硬度を誇っている。
ならば、それを避けて通るまでだけどね。
――斬法 朧月
相手の迎撃からのエネルギーを以て、軌道を変える。
手首のスナップを利用した軌道変更であるために、どうしても威力は出にくいけど、それでも紺碧正近はリザードの右腕を切り裂く。
まずは一撃。
左足でのキックを挟んで、もう一度大きく踏み込む。
リザードは、水魔法を放って、私の妨害を画策する。
けれど、それは意味を成さないよ。
「『対魔斬』!」
魔法を切り潰す。
火や雷の魔法に比べて重い感触とともに、魔法を斬り捨てて、一歩更に踏み込む。
「セェアア!」
――斬法 円環
首を速攻で薙ぎって、倒し切る。
残心を解いて、納刀する。
『レベルが上がりました。Lv.24ー>Lv.25』
『『刀』のスキルレベルが上がりました』
『『敏捷強化』のスキルレベルが上がりました』
『『識別』のスキルレベルが上がりました』
『『走破』のスキルレベルが上がりました』
リザードはカエルに比べて倒しやすいね。さあ、どんどん狩っていこう。
…………水魔法で服を洗うの忘れてたのは、内緒。
お読み頂きありがとうございます。
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