表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Wisdom Joker Online 〜瑠璃色少女の配信録〜  作者: 月 位相
消失を力に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/375

Function:Semiauto Fire Ⅲ

 牙壊を放った反作用を利用して、私は大きくボスキノコから距離を取った。

 敵のHPが50%を下回ったために、行動パターンの変化が見られるはず。

 それが無くても、多分バフくらいは掛かるだろうからね。

 一旦様子見をすべきだと思う。


 ゲームなんだから、多少の危険にも玉砕覚悟で飛び込むべきなんだろうけどね、配信者としても。

 …………でも、でも、あの虫虫パニック(地獄)を通ることを考えると、死んだら、ある意味終わりだ。

 もう二度と行きたくないし、見たくもない。


 それはそれとして、ボスキノコは、みしみしと音を立てながら、その冒涜的な見た目の身体を変形させていく。

 より、多く。

 より、強く。

 先程までよりも、触手を太く多くしたボスキノコの姿がそこにはあった。


「……なんで、更に気持ち悪くしたの…………?」


 運営側の思考回路がまるで読み取れないよ。

 全年齢向けのゲームで名状し難い感じの奴はだめでしょうに……。


『どんどんキモくなる』

『最早草』

『ラピスの目が濁っていってる気が……』

『どっちかと言うと、据わっていってる?』


 あっはっは、VRで目が濁るように感情表現は出来ないよ?

 そして、目が据わるなんて、そんなそんな…………、視界にもう入れたくないから、一秒でも早く消そう。


 ――歩法 迅雷

 速攻で詰める。どれだけ強化された攻撃であろうと、当たらなければ良いんだから。そもそも攻撃させなければ良いんだよ。まあ、それ以前に攻撃が強化されたのかどうかは不明だけどね。


「――――」


 押し寄せる触手。その数は以前よりも多く、そして速い。

 斬り捨てて、強引に道を作った私の視界にあるのは、いくつもの魔法。

 毒々しい水魔法(便宜上、毒魔法とでも呼ぶべきかな?)の数も先程よりも多い。


「――チィッ……!」


 自身の身体を囮にした二段構えの攻撃。『対魔斬』で切り払い、身体を後ろに放り込んで、なんとか回避する。魔法が残留しなくて良かったと思う。地面に当たっても変化が見られず、草木には影響が出ている辺り、有機物限定でダメージが入ると見るべきかな。


 これは簡単には詰められないかな……。魔法は兎も角、触手の方は軌道が直線だけじゃなくて、カーブなどの軌道変更も出来るみたいだし。

 それに行動パターンの変化でより戦略的になったのなら、かなりの強敵になりそう。


 再度放たれる魔法の数々。

 その数は、10に昇る。それも順序、タイミングは不規則。

 それに加えて、変幻自在の触手が魔法の隙きを埋めてくる。


 魔法を局所的に、触手の出来る限りを、切り払いながら、一歩一歩距離を詰める。

 触手も一応ボスキノコの一部だからなのか、切るとちょっとだけダメージが入るけど、本当に微々たる量でこれで倒し切るのは、多分数時間掛かる。

 流石にそれは無理。その前に死ぬ。


 魔法が用意されているのは分かっても、触手が邪魔して発生の順番が確認出来ない。発生順で魔法が放たれるのは、これまでの戦闘で分かっているのに、そもそもの発生が分からない為、どうしようも無い。


 瞬間的にそれらを把握するには触手が邪魔で、触手に対処するには魔法のタイミングを掴まなければならない。最早詰んでいると言っても、過言ではない。


 この最悪レベルの状況をどうにかすることが出来るか、否か。

 それに対する私の答えは、少なくとも(・・・・・)二年前は可能だった、だ。

 現状それが出来るかは不明。

 最期に同様の手を打ったのは、それこそ三年近く前で、当時と比較すると必要な能力は低下しているのだから。

 いや、情報を限界まで削ぎ落とせば、なんとか………。


 仕様が無い。

 ここ数年最大の賭けになるね。

 まあ、賭けに飛び込んでこそ、かな。


「――――」


 触手を雑に斬り捨てて、バックジャンプ。

 息を大きく吸い込んで、そのままゆっくりと吐き出す。

 意識(・・)を切り替えろ。

 私の目に映るべきは、数字だけで良い(・・・・・・・)


「『Function:Semiauto――」


 見るのは、最小限で良い。

 ただ世界を数式に叩き込め。

 切り替わりつつある意識を、脳を、一気に吹かす。


「――Fire』」


 世界が反転し、私の内を駆け巡った。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。


瑠璃の素のスペックがどんどんバグっていきますね!

まあ、しょうがないですよね(開き直り)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 脳内オートマが基本の世の中で脳内ミッションの多段思考ギア人間がいるってマ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ