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Wisdom Joker Online 〜瑠璃色少女の配信録〜  作者: 月 位相
堕ちた巨塔

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キャパが足らぬ

ここの話のタイトル変えましたが、内容には一切差がありません。

 聖剣士 グリント、さん?でいい筈の人が消えてから数秒、視界が白く染まった。

 …………これは気絶とかとは雰囲気が違うな。


 視界が元の色を取り戻すと、先程の大差ない風景が写る。

 なんか正面に水晶が見える程度で何かが変わった様子はない――


「お、帰ってきた。乙~」

「……サニー?」


 まだ起き上がるのもしんどいから、首から頭だけを動かして視線を向ける。


『サニーに遅れて5分半』

『今更だけど負けイベ感ヤバいのに勝つなよ………………』

『起き上がろ?』


 まだ寝てます。

 疲れてんの。


「やぁ、強すぎん? 範囲攻撃で消し飛ばされたんだが」

「あぁ、VITもAGIも絶望的だもんね。どうせ、腕の1本はもってったんでしょう?」

「そりゃあね。範囲攻撃で死ぬと分かった瞬間に最高火力ぶっぱっすわ」


 でしょうね。

 私でもそうする。


 一矢報いてからじゃないと死んでも死にきれない。


 これは太刀上流とその周辺人物の大半が持つ思考回路。

 ただただ物騒。現代日本にしては世紀末すぎない?


 百花(おば)さんとかは染まっていない。流石最後の良心枠。

 まぁ、あの人と太刀上流との出会いは大人になってからだし、太刀上流の門下でもないしね。

 普通は染まらない。普通でいてくれてありがとう。


『ここで蘇生後罵詈雑言だったよ』

『ラピスの応援してるときのテンションが女児だったのは、直前のメンタルダメのせい…………だと思う』

『本当によく勝てたね』


 サニーのテンションが女児になるのは普段通りなんだよなぁ。

 日曜日の朝に子供向けアニメでキャッキャしてるから本当に女児のそれ。

 別に悪いことは何もないけど、一回でも見ると結構ビビるんだ。


 ――で、だ。


「イベント中だけど、レベルキャップって解放されているのかね?」

「見りゃわかるけど、されてるよ」

「一拍置くとかしてくれない?」


 せめて私が確認するまで待ってよ。

 ………………あ、本当にレベル100になってる。――ん?


『ステポイント5ない?』

『ポイント5は草』


 そう、ステータスに触れるポイントは元々1レベルで2点だったんだけど、今は5に見える。

 草。


「取り敢えず、STRとDEXに1ずつ振ってAGIに3振るか。良し、スキル探そう」

「雑で草」


『雑では?』

『悩むとかないの?』

『こいつこれで俺より強いんだよなって悲しくなる』


 煩いなぁ。

 良いの、これで殺せるから。

 STRの基礎攻撃力とDEXのクリティカルダメージ上昇で素の攻撃力の微妙な低さを補えるようになるし。


 まぁ、足りなければ純粋な技術で補う。


 スキル、ステ向上系か純粋攻撃力向上系かのどっちかにしたいからリスト化しないと。

 シンプルに『筋力強化』で良い気もするけど、何か面白いのないかな。


「………………あ、情報の共有の前に、ラピス」

「共有できる情報あんまりけど、なに?」

「水晶触ってみ?」


 水晶って部屋の真ん中にあるやつか。

 微妙に存在感あったけど、なんだろ?

 セーブポイントとかはWJOには無さそうだし。……一応街とかテントとかはセーブポイントっぽいか。


『水晶の出番』

『くるぞ』

『地味にでかくね?』


 直径20cm位かな。

 にしても、くるぞとかの実質ネタバレコメ地味にイラっとくるな。

 普通に言いたい放題言われるよりもムカつく。


 今疲れてて精神的に余裕がないせいもあるだろうけど。


 取り敢えず、めちゃくちゃ重たい身体を持ち上げて水晶の前へ。


「え、と、触れればいいんだよね?」


 右手を1.2m程ある台座の上の水晶に置く。

 すると、ぼうと光が仄かに滲んで、私の手のひらを包んだ。


『『聖剣士 グリントの加護』を確認しました。特殊スキルを付与します』


 ちょっと待って。

 ただでさえ脳の処理能力がガタガタなんだからこれ以上負荷かけないで。


『ディバインスキル『聖剣の祈り』を獲得しました』


 ――――よし、一旦休憩。

 せめて私のキャパが戻るまで……!

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。


刀とスキルと称号とサニーとの情報共有と、やることが多くラピスの脳はパンク寸前。

諦めが悪すぎたのが悪い。

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