ゴブリンの森攻略 Ⅰ
また連投開始です。
今回も戦い終わるまでですが。
「これで終わりだね、『ファイアアロー』!」
サニーが放った火矢が半ばまで焼かれていたゴブリンをポリゴンに変えた。
その一撃を以て、4体同時に襲いかかってきたゴブリンは殲滅できた。
「お、レベル11になったぜい」
サニーは、今日初のレベルアップ。
多分昨日はレベル10になるまでやってから止めたんだろうね。
あれだけ苦労して、ボスウサギ切り倒したのに、サニーと上がったレベルの数が同じと言うね。
何だろう、徒労感が凄い。
「サニーちゃん、INT極振りだっけ?」
「そうそう、紙耐久だから、ボス戦頑張って守ってぇ」
「年下を盾にするのどうなん?」
いや、アンバー、言いたいことはあるけど、この3人のなかで防御力が一番高いのアンバーなんだよ。
現状のレベルは、私13、サニー11,アンバー9。
うん、私とサニーは本当に耐久なんて一切ないからね。
この程度のレベル差なら確実にアンバーが一番。
「そう言えば、ここのボスってどういう奴なの?」
ゴブリンの森のボスなんだから、ゴブリン系統なのは何となく分かるんだけど。
どんな敵なのかな、大量に出てきたら絵面的に映せなくなりそうだけど。
サニーとアンバーに聞いてみたところ、
「ゴブリンのデカい奴」
「ついでに取り巻き一同」
とのこと。
うん、何というか予想通りすぎる。
そう言えば、ずっと配信主のサニーもだけど、私もコメントを確認してなかったな。
ふとそう思って、流したままにしていたサニーの配信をちらりと見てみる。
『美少女達と大量のゴブリン……』
『そ れ だ』
『通報しましょ』
『このメンツだとエロ展開にはならないだろ』
『血と灰だらけになりそう……』
『寧ろグロ注意』
すっ、と視線を逸らす。
何か私のところの視聴者さんのノリが近いんだけど、そして、私達エロを望まれてるの?
絶対に嫌なんだけど。
そもそもゴブリンに負けるのは、ねえ。
多分負けないし。
ていうかさ、
「3分の2が貧相な身体つきなんだから、エロにはならないでしょうに」
「自虐ネタが過ぎない?」
3分の1の方に聞かれてた。
そして、憐れみの視線を向けるんじゃない!
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「――ボスエリアなのに、それっぽさが無くない?」
ゴブリンの森ボスエリア前、数時間掛けてそこに辿り着いた私達を待っていたのは、
蔦や苔に覆われて殆ど緑色の石柱が2本、2m程の間隔を空けて設けられていただけで、他は何一つ周囲と変わらない光景だった。
いや、昨日の洞窟型ダンジョンも、そんなだったけどさ。
でも、一応ボスでしょう?
もうちょっとさ、何かインパクトが欲しい。
「言ってやるな。ボスと言っても最弱だからね」
サニー曰く、こういうゲームで最初からゴテゴテしたものを望むな。とのこと。
それは分かってはいても、言いたかっただけ。
「お姉、サニーちゃん、ステータス見せて?」
ボス戦の前にお互いのステータスの確認。
大体の傾向は分かってるから、視聴者さんへのサービスの面が強いけど。
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ラピス Lv.13
HP:715
MP:156
ステータスポイント:0
STR:20
VIT:13
AGI:39
DEX:20
INT:13
MND:13
スキル スキルポイント:20
『刀』Lv.10
『敏捷強化』Lv.11
『識別』Lv.7
『格闘』Lv.7
『雷魔法』Lv.3
称号;『戦陣を切る者』
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サニー Lv.11
HP:605
MP:200
ステータスポイント:0
STR:11
VIT:11
AGI:11
DEX:11
INT:45
MND:11
スキル スキルポイント:16
『火魔法』Lv.8
『魔力強化』Lv.9
『索敵』Lv.7
『風魔法』Lv.5
『魔力制御』Lv.2
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アンバー Lv.9
HP:520
MP:100
ステータスポイント:0
STR:26
VIT:14
AGI:12
DEX:9
INT:5
MND:5
スキル スキルポイント:14
『斧』Lv.7
『筋力強化』Lv.7
『重心制御』Lv.5
『走破』Lv.3
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サニーのステータスは偏りが酷いけど、昨日とは比べ物にならないほどにINTの値が高い。
『魔力制御』は、魔法の消費MPを軽減すると同時に、使用するMPを調節して、威力の増減を図れるようにするスキルらしい。
魔法はいいダメージソースになりそう。
アンバーの選んだ種族、熊の獣人は基礎ステータスだけで見ると、INTとMNDが2レベルに1ずつしか上がらない(奇数レベルで上昇)代わりに、STRに3割、VITとAGIに1割の基礎ステータス向上効果がある。
要は、レベル10の時に、人間だったら、STR VIT AGIの基本ステータスはそれぞれ10だけど、熊の獣人の場合は、13 11 11になる訳だ。
要はフィジカルでぶん殴る種族だね。
取り敢えず、アンバーは攻め一択だね。
「これ、私が斬り込んで、敵のヘイト取ったら、サニーとアンバーが攻撃するのが良いかな?」
私の回避能力は、3人の中ではトップだし、スピード特化だから、多少のヘイト位なら、多分大丈夫。
それよりも、高火力の2人をどこまで活かせるかが問題だね。
「まあ、お姉なら死なないし、私的にも回避怠いし、それで」
「アンバーを肉壁にしないのは意外だけど――」
「サニーちゃん?!」
「――でも、一番良いでしよ。……多分」
流石に、幾ら自分より頑丈とはいえ、妹を盾にするのは……ねぇ? 駄目でしょう。
まあ、そもそも――
「当たらなければ、防御低くても関係無いからね」
それを聞いて、サニーは若干驚いたように目を見開いて、それから、にんまりと笑みを深める。
「じゃあ、攻撃食らったら罰ゲームで」
「それは当然、サニーやアンバーにもあるんだよね? 流石に条件は別だけど」
無いと可笑しいよね? ね?
…………ねぇ?(脅迫)
「お姉に宿題手伝って貰う!」
「アンバーの罰ゲームは、宿題以外にも夏休み中最低一時間は勉強で」
「――――?!」
ガーン、と効果音が付きそうなほどに、露骨に嫌がるんだけど、どうしよ? この子の成績的にやらない訳にはいかないんだけど。
「まあまあ、罰ゲームは後で決めるとして、とりま条件はアンバーは空振り、私はフレンドリーファイアでどう?」
サニーの提示した条件としては、まあ、どれも確率的には変わんないだろうし、それで承諾。
……アンバーは顔色悪かったけど。
そんなこんなで、わちゃわちゃしながら、私達はボスエリアへと足を踏み入れた。
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