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Wisdom Joker Online 〜瑠璃色少女の配信録〜  作者: 月 位相
魔を見据え

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断続起動 Ⅲ

 魔法陣を切り裂いて、即時着地。

 そのまま、身体を旋回させる。


「『散魔対斬』、渦潮……!」


 ーー斬法 渦潮

 至近距離から本を斬りつける。


 バチバチとMP(魔力)が電雷が如く迸る。

 目に映るMPは掻き乱されている。


 なら、僅かな時間でも弱体化はしていると考えて良い筈。

 この隙に、ダンタリオンを叩く。

 非実体化の暫定クールタイムは後約25秒。


「サニー、合わせられる?」

無問題(モウマンタイ)! 好きなだけ暴れな』


 サニーの声音から判断して、全身に一気に力を込める。

 これならば、全力で。


 ーー歩法・撃法混合 風蝕

 地面を強く蹴り抜いて、ダンタリオンの懐に深く入り込む。


 バックジャンプと魔法発動を同時に行おうとしたダンタリオンの足を強く踏み付けて、拳を緩く握る。


 ーー撃法 昇抉

 インパクトの瞬間に拳を強く握るおまけ付きのアッパーカットを顎へと叩き込む。


「ーーガッ、ァ……!」

「ハァァッッ!!」


 ーー撃法 廻踵

 ダンタリオンの足を踏みつけたまま回転し直前で離し、回し蹴りで強制的に距離を取る。


「『多重魔法マルチ・スペル』『フレイムブレイズ』『魔法融合ユニオン』ーー!!」


 全身から力を抜いて、地面に倒れ伏す。

 予想クールタイム終了まで、後10秒。


 八重、計十六振りの炎剣が束ねられ、5m近い一振りの超大剣と成り、ダンタリオンに突き刺さり、大爆発が起こる。


 ーー歩法 迅雷

 魔法の範囲外から助走をつけて、自ら開いた彼我の距離を一気に零にする。


「『練魔纏斬』、箒星ィ……!」


 ーー斬法 箒星

 一点集中の突き技を無防備な首に叩き付ける。



 その筈だった。

 いとも簡単にダンタリオンの身体を貫通する。


「クソッ…………!」


 何処だ?!

 何処で見誤った?!


 いや、何処も何もない。クールタイムだ。

 クールタイムを私は最低30秒と考えた。


 それが違った。


 だとしたら、ダンタリオンは最初から私達にブラフを張っていた事になる。

 多少のダメージを許容して、より大きなダメージを無に出来るように。


「ーーふぅ………………」


 態と息を吐き出して、強引に意識を切り替える。


 ダンタリオンの残りHPは6割と少々。

 私の攻撃の隙に放ったサニーの超火力は防げていない。

 自動回復は今のところ確認出来ない。


 魔法は多数の闇属性と、本による溜め有りのもの。

 追加で、MP(魔力)による刃。これが『識別』の無属性か『魔戦技』のどちらかだと思う。


 武装は多少の鎧のみ。

 体術はそこそこ。

 ビフロンス以上カルネイジ未満と仮定。

 カルネイジ<カレジさん<ハーフェン君<アンバーなので、大した脅威には成り得ない。


 動作速度的に、ダンタリオンよりもAGIは圧倒的に私が上。


 魔法防御力はかなり高い。

 サニーの『多重魔法マルチ・スペル』『フレイムブレイズ』『魔法融合ユニオン』という私の知る限りの最大打点で削れたHPは3割ほど。


 最後に、非実体化能力。

 先程のが最速ならば、クールタイムは15秒。

 ただし、私の攻撃で遅れた可能性を考えると10秒と考えても良い。


 ダンタリオンの魔法を掻い潜りながら、サニーと纏めた内容を共有する。


「……サニー、雑だけど何となくは伝わった?」

『オケ。ボールとかアローとかだけでも避けられるだけ避けて。こっちも攻撃増やすわ』

「了、解!」


 ーー撃法 弓月

 左側頭部を狙った蹴り上げで、左手を防御に使わせる。


 左手の手刀にて鳩尾を穿ち、呼吸と魔力制御を乱す。

 大きく息と僅かな唾を吐き出したダンタリオンは呼吸を乱された身であるが、右手一本で翻した刀を回避しながら、本へと魔力を込め出した。


「『散魔対斬』」


 ーー斬法 伐刀・二重

 斬撃のエネルギーのままに回転運動と位置調節を行い、遠心力を思い切り乗せてぶった斬る。


 けれども、それは本の魔法陣を斬り裂くには至らなかった。


 本の前には魔力の壁のようなものが出来ていて、私の攻撃で消し飛んだ。

 だが、斬撃の威力を削がれて本の魔法が放たれる。


 先程と似た火球。

 それは先程よりも小ぶりであった。


 サニーの『ファイアランス』が火球を真正面から貫いて、ダンタリオンの下へ駆ける。


 それを『ダークランス』で迎撃しようと意識を向けたダンタリオンのその空隙に、私は自身を叩き込む。


 ーー歩法 嚆矢

 瞬間的な加速を以て、懐へと身を深く捩じ込む。


 ダンタリオンに浮かぶ焦燥。

 ……いや、これ作り物か。

 前回の使用から20秒経っているし、非実体化あるでしょう?


 案の定非実体化する事で攻撃を避けてくるが、構わず連撃を仕掛ける。


 回避の癖は、もう掴んでいる。

 ダンタリオンは近接戦闘に於いて非実体化していても回避をする。

 非実体化が解けるタイミングを分からなくする為の小細工なんだろうけども、私にはもう通じない。


 前以上に早く深く正確にダンタリオンの身体を捉え、逃がさない。


 非実体化が解けた瞬間に、ダンタリオンの魔力の刃を無理矢理かち上げ、本へと走る。


 私の真後ろを灼熱が過ぎ去り、視界の端を赤に染める。


 サニーの魔法がダンタリオンを完全に捉えた。


 ーー歩法 隘路

 降り注ぐ魔法の隙間に身体を捩じ込んで、本を間合いに入れる。


「『散魔対斬』」


 魔力の壁が魔力が溜まりつつある本の前に現れる。

 一度見たんだから、対処は簡単。


 軽く身体を翻して、斬撃の向きを変える。


 ーー斬法 円環

 魔力を散らして、次の攻撃までの時間を稼ぐ。


「サニー! 全開(・・)っ!!」

『行ってこい!』


 サニーが私の防御を捨てた。

 というか、捨てさせた。


 私の『思考加速ソニックドライブ』は言ってしまえば、自殺行為の無茶だ。

 だが、それが限界では無い。


 ダンタリオンが構えた数多の魔法。

 それに対して、私は脳のギアを強引に、変える。


「『思考加速ソニックドライブ』ーー!」


 僅か一瞬だけ、思考を爆発的に速めて、元に戻す(・・・・)


 魔法の軌道を一気に読み切り、通常の速度で掻い潜る。


 瞬間的な『思考加速ソニックドライブ』。

 これが私史上最悪の無茶。

 銘は『思考加速ソニックドライブ断続起動ラピッドイグナイト』。


 人呼んで「ドMの極地」である。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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