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Wisdom Joker Online 〜瑠璃色少女の配信録〜  作者: 月 位相
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序章:ゴブリン兵 Ⅶ

「……うそ…………」

「マジじゃが? ほれ、お嬢、やるぞぉ」

「他の人は?」


 マジですか、武田さん、マジですか?

 太刀上流の面々ゲームやってる的な話は聞いていたけど、まさかこんなギリギリの場面で対面するとは。


「さてな。少なくとも、今は一人――――でもねえな」

「――――ん?」


 足音纏まって4人。

 身長差があるな。…………ということは――


「『フワラーガーデン』、現着しました!」

「悪いわね、四割菱! 手柄は貰う…………!」


 突っ込んでいたのは、『フラワーガーデン』のハレルヤちゃん、竜胆ちゃん、ネモちゃん。そして、お母さん。

 まだ面倒見てたんだ。……まあ、お母さん結構面倒見良いからほっとけ無いのかも。

 特にハレルヤちゃん、雰囲気的に放置し難いんだろうな……。


「『サンティエ・エギュイーヌ』!」

「『ハード・チャージャー』……!」


 竜胆ちゃんの大弓が軋みを上げる。瞬間、純白の矢が撃ち放たれる。

 体勢を整え、突進を開始したボスゴブリンの右腕を跳ね上げる。

 すかさず突っ込んだネモちゃんのシールドバッシュ。


 ボスゴブリンの体勢を再度崩すのに十分な火力だ。


「『収四式・薄明』――!」

「『纏魔斬』!」


 ハレルヤちゃんの抜刀術に完全にタイミングを合わせる形でお母さんの右の太刀が大きく振るわれる。

 それらによって、ゴブリン・ジェネラルの二本のHPバー(・・・・・・・)がほんの僅かに暗転する。


 そう。コイツHPバー二本ありやがる。しかも一本一本が結構数字詰まってそうなんだよなぁ……。

 まあ、良いや。斬ればいずれ死ぬ。


 大きく踏み込んで、円盾を持つ左手に狙いをつける。


「『練魔纏斬』――――ハァッ!!」


 ――斬法 豪雷・昇竜

 手首を深々と斬り裂いて、防御性能を落とす。


 私に続く形で、四割菱さんも突っ込む。

 瞬間的な加速。ボスゴブリンの攻撃に対しては、瞬間的な減速。


 それらをガンガン切り替えながら、近づいての斬撃。


「……あれ、嚆矢と虚空の連続使用か。意味わからん」


 どうして、そんな対局な2つを同時に乱用できるんですかねぇ……? 謎で仕方無い。


 兎も角、一回の激突(なお、他のプレイヤーも攻撃はしていた)後の結果は、HPバー一本目の3%くらいに留まった。

 ……ああ、本当にレイド用のHP量だね。


 瞬間、地面が揺れた。

 けれど、攻撃じゃない。


 続いて巻き起こる歓声。方向的にホブゴブリンだね。

 なんかサニー含む魔法使い組もそっち行ってたみたい。


 じゃあまあ、少しでもダメージ稼ごうか。これからどれだけ行けるかわからないし。


「……フッ…………!!」


 ――歩法 迅雷

 加速して、一気に距離を詰める。


「『練魔纏斬』」


 人の隙間を縫うように突き進み、ジェネラルの真横から大きく跳躍する。


 ――斬法 烈火

 下から突き上げて、首筋に斬痕を刻む。


「――――ッ?!」


 そのまま玲瓏・撞響に繋げたかったけど、烈火一発で暴れたからそんな暇はない。

 なので――


「シャッッ!!」


 ――歩法・撃法混合 風蝕

 蹴りと同時に刀を捻りながら引っこ抜く。


 まあ、厳密には反動で吹っ飛ぶから抜けてるだけだけど。


「皆さん、囲んで下さい――!」


 着地とほぼ同タイミングでカレジさんの指令が飛ぶ。

 ちらりと彼を見ると、まだあのオレンジ系のバフは残ってるみたい。結構持続するのね。


 その背後に見える金髪を靡かせた魔女。ローブに包まれたその名は、サニー。私が知る限り、WJOに於ける瞬間魔法火力最高値の友人だ。


「『多重魔法マルチ・スペル』『フレイムブレイズ』

――『魔法融合ユニオン』!」


 杖を掲げ、周囲に計14本の炎の剣を生む。それらを纏め、一振りの大剣と成す。

 炎の大剣は豪炎を巻き上げながら、ゴブリン・ジェネラルを飲み込んだ。

 HPバーがガクッとはっきり見えるレベルで大きく削れる。


「――突っ込め…………!」


 誰が言ったか、その言葉に近接組も魔法組も全員が寄ってたかって、屠ろうと殺意を剥く。

 数々の攻撃に流石のジェネラルも傷を負っていく。


 だが、その程度で終わるわけがない。

 HPがガンガン削れて、ついに一本目のHPバーが削れた。


「――――――!!」


 ――ゴォン


 とてつもない轟音と共に、ゴブリン・ジェネラルが戦斧で地面を叩いた。


 本能を揺るがす寒気、直感。


 悪寒に従って、全力でバックジャンプ、退避行動を取る。


 瞬間、地面からは無数の針が地表をえぐるように飛び出した。

 大量のプレイヤーが巻き込まれ、数多のポリゴン片が空を舞い散る。


 ジェネラルが針山の中央で身体をぐっと力を溜めている。

 その構えは、抜刀術をより攻撃的にしたような…………


「――」


 ドン、とジェネラルは飛び上がる。飛びながらも身体を捻り解き放つ時を今か今かと待ちわびる。


「――サニー!!――ッ」


 ――歩法・撃法混合 風蝕

 エネルギーを上に限定して、私もジェネラルを追う形で飛び上がる。反動ダメージがアバター(身体)を襲うがそんな事知った事では無い。


「『ファイアブラスト』ッ!」


 ジェネラルよりも私の高度が上がった瞬間に、サニーが下からジェネラルの身体を爆風で押し上げる。


「オオォオッッ!!」


 ――歩法・撃法混合 風蝕

 今度は攻撃用に風蝕を用いて、ジェネラルを未だ針地獄と化している地面に叩き落とす。


 そこに次々とプレイヤーが攻撃を加えていく。

 けれども、ジェネラルも動きが止まった訳では無い。


 戦いはまだ激化し続ける。

お読み頂きありがとうございます。

今後も読んでくださると幸いです。

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