半ダンジョン生活三日目 Ⅰ
ダンジョン生活が始まって20時間が経過した。
なんで私は二日目だけで、12時間もゲームしてるんだろうね。
今日もまだ午前なのにもう既にゲーム始めてるよ。
「――まさかここまでゲームに入れ込むとはね…………」
レベルが54にまで達してるよ……。ぇえ…………?
『やーい、廃ゲーマー』
『幼馴染や妹を笑えないねwww』
『これでちゃんと家事してるんだぜ? 頭オカシイって』
『早寝早起きのコツってあるの?』
マージで笑えない。
下手したらアンバーよりもここ数日ログイン時間が長いかもしれない。
家事はね、ちょっと特殊なんだよね。
「家事は専業主婦の方々よりもかなり少ないんだ。正直出来ないものが多いからね。あとコツは段々目標に向かって詰めていくの。まずは最終目標の30分後まで許容する、次は15分って」
階段上れないから、二階の掃除は出来ない。
加えてお風呂(一階にある)の掃除も満足に出来ない。
後高いところの掃除も難しいんだよね。
……あれ? 主な問題は掃除か。
――お、いたいた。
「『纏魔斬』。……で、さっきの続きなんだけどさ、最終的に目覚ましが必要なくなるからさ、皆も試してみて」
『迷宮片鉄』25個。ここ地下20階だし、そりゃ数は変わらないんだけどね。
ううん……。アクセもう一個作って貰えば良かったかな。
『流れ作業感よ』
『目覚まし必要無くなるの地味に便利だよな』
『↑まさかの経験者で草』
『殆ど足止めずにダンジョン回ってるよ、この人』
「足止めたらエネルギーがもったいないじゃん? AGIが私の最大の武器だからね。それを活かさないわけが無いよ」
他のステータスの4倍程あるAGIに加えて、私の思考速度、歩法の3つで割ととんでもないスピードが出る。多分一般敵なプレイヤーのAGI300を優に超えるレベル。
走らない手が無いね。手じゃなくて足かもだけど。
――ん? 『罠感知』に反応。
位置的には落とし穴かな。
「落とし穴は……飛ぶに限る――!」
一歩一気に両足で踏み切る。
『どの罠も飛び越える定期』
『大体跳んでる』
――――シュン
小さな音。
何故か広くなる通路。
「――――へ…………?」
場所が変わった……?
――歩法 残響
地面に降りると同時に、周囲の把握に努める。暗視で見えるとは言え、周囲を一度に大雑把に把握するなら、音の方が良い。
「他の場所に繋がってない――?!」
大きな一部屋、ここは通路じゃない。
通路よりも広々とした隔離空間だ。
『え、なにこれ?』
『新種の罠かな?』
『2日あって情報が全然ない時点で、超レア(多分無い)か新種か、だな』
『あった! 新種罠モンスターハウス』
『今日から追加のモンスター大量発生系みたい』
『これクソエグいみたいだが』
コメント欄に少し目を向けている間に、段々とモンスター達が出現し始める。
今の時点で視界には30を超えるモンスターがいる。
これは――
「ヤッバイね…………」
しゃんと鯉口を鳴らす。
――歩法 迅雷
速攻を掛けて一気に崩す。
この状況下での私が生き残るには、最低でも攻撃を食らっては駄目というかなり面倒な条件がある。
一度でも攻撃を貰ったら、周囲のモンスターに集団リンチにあう。
そうなったらもう終わり。
「『サンダーアロー』!」
一番近くの遠距離持ちに攻撃を放って、一旦行動を制限する。
まずは初動で場をかき乱す! 連携でもまともに取られたらその時点でかなり苦しい。
「――――ッ!」
――斬法 地嵐
思い切り振り下ろし、件の遠距離持ちを一気に斬り捨てる。
けれど、これだけで倒せるなら苦労しない。
素早く周囲の気配を確認して、一番モンスター密度の高い場所に蹴り飛ばす。
そこが混乱している間に、密度の薄い所に攻め込む。
暫くはこれを続けるしか無いだろうね。
お読み頂きありがとうございます。
今後も読んでくださると幸いです。




