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手がかりを求めて

蜜柑side


どうも皆さん、起きたばかりの市川蜜柑です。

まだほとんど機能していない脳味噌を目覚めさせながら、私は着替えをします


「ふわぁ……眠い……眠すぎます……」


昨日は陽多さんにカツアゲの件を相談したのですが、私も何か出来ないかと一晩中考えていました。

……結局、途中で寝てしまいましたが


「下着……私の下着はどこですかぁ……」


普通にクローゼットに入っているのですが、半分寝ぼけている私は自分の下着を探すのに少し時間がかかってしまいます。

そして、ようやく着替えを始めたのですが


「んぅ……また大きくなったんですか……?はぁ……」


ああもう嫌です。何でこんなに成長しやがるんですかこの胸は。良いことないんですよ、大きくても


「さて……後は服を……」


と、その時でした


「蜜柑、起きてるか?もう朝だぞ?」


「あ、おはようございますお兄ちゃん」


「……まだ寝ぼけてるな?敬語口調が抜けてないぞ?」


「大丈夫大丈夫……」


部屋に入ってきたのはお兄ちゃんでした。

入ってくるのは良いですけどせめてノックしてください


「……というかお兄ちゃん、私下着姿なんだけど」


「そうだな、それがどうした?」


「いや、よく堂々と見てられますよね。私も一応女なんですけど」


「今更お前の下着姿くらいで動揺するかっての。それにお前だって全然恥ずかしがってねえじゃん」


お兄ちゃんは呆れた様に言いました


「仮にも女の子なんだから少しは恥じらいを持てって」


「馴染みのない人の前ではこんな格好しないよ。お兄ちゃんとか陽多さんみたいに仲の良い人の前ならするけど」


「陽多の前ではやめとけ、あいつが危ないからな」


血液的な意味ですね、分かります。

お兄ちゃんと話しながら私は着替えを終えました。

さて、次は髪ですね。いつものツインテールにしないといけません


「まぁ良いや、朝飯出来てるから早く来いよ」


「うん、ねぇお兄ちゃん」


「ん?」


私は部屋から出ていこうとしたお兄ちゃんに最高級の笑顔を向けて言いました


「髪形作るの手伝って♪」


「自分でやれ」


お兄ちゃんはそう言うと部屋から出ていってしまいました。何て冷たいんでしょうか


「仕方ないですね……」


私は一つため息をついて鏡に向き直りました


さて、今日も一日頑張りますか















朝食を終え、身支度を済ませた私は家を出ることにします。

ちなみにお兄ちゃんは少し前に家を出ました。結構早めの登校なのですが、そうしないと唯花さんとの待ち合わせ時間に遅れてしまうのです


「行ってきまーす」


私はお父さんとお母さんに言って外に出ました。


歩き始めて数分、そこには


「おー、オレンジおはよ~」


「おはようございます瑠美ちゃん」


相変わらず私達の誰よりも早く待ち合わせ場所にいる瑠美ちゃんに挨拶します。

私達は適当に談笑しながら最後の一人を待ちます。


そして、しばらくすると


「おはよう二人とも」


「おはよう~、やっと来たわねなゆ」


「おはようございます、今日はちょっと遅かったですね」


「いや~、昨日ちょっとゲームに夢中になりすぎて……」


なるほど、一体何時までゲームしていたのでしょうね?


「よっし!全員揃ったし行きますかぁ!」


瑠美ちゃんの言葉に頷き、私達は学校に向かって歩き出します


「あ、そういえば昨日話したカツアゲの件なんだけどさ」


唐突に瑠美ちゃんが話を切り出します


「うちのクラスにも被害にあった人がいるって言ってたじゃない?その被害者の中に私の知り合いがいるのよね」


「そうだったの?可哀想だね……」


「女の子ですか?」


私が聞くと瑠美ちゃんは手をブンブン振りながら言います


「ううん、男。しかもかなりのアホよ」


「あ、アホって酷くない?」


「まぁ会えば分かるわ。あいつ、本物のアホだから」


アホアホ言われてるその人は一体何者なんでしょうか?


「で、そいつに話を聞いてみようかと思ってさ。被害にあった状況とか、何か手がかりとかありそうじゃん?」


「手がかりって……カツアゲの犯人でも捜すつもりですか?」


「そんなの、うちの学校の不良が犯人なんじゃないの?」


カツアゲなんて、いかにも不良がやりそうなことですし


「いや、私がカツアゲされた時に顔はちゃんと見たけど、不良じゃなかったわ。これは断言できるよ」


「ほう、何で断言できるんですか?」


「私、うちの学校の不良の顔はちゃんと把握してるもん。絡まれたら面倒臭いからさ、顔を見たらすぐに逃げられるようにね~」


「無駄に優秀な記憶力だね……」


「無駄とは何よ!」


菜由華ちゃんの言葉に賛成せざるを得ませんね


「もう、とにかく不良共の顔を全て把握してる私が言うんだから間違いないよ。あの人達は学校の不良じゃない」


「ふむ、よく考えれば本当に不良だったら菜由華ちゃんが豹変したくらいで逃げ出したりしませんよねぇ」


「そ、そうだね……」


私が言うと菜由華ちゃんは苦笑しながら答えました


「だからさ!相手側の手がかりを手に入れようよ!カツアゲを止めるためにも相手の正体は知っておかないと!」


「確かにそうかもしれませんね」


「じゃあ、今日は手がかり集めってことで良いね」


「んじゃ、まずは被害にあった私の知り合いに話を聞いてみようっ!」


「まだ学校に着いてませんけどね」


というわけで、今日の私達は学校で手がかりを集めることにしました。


……陽多さん達はどうなりましたかね?

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