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騒動の後は

蜜柑side


「ん~!美味しい!」


「噂には聞いてたけどこんなに美味しいなんてね~」


「本当に美味しいですね」


私達はデパートに戻り、皆でクレープを食べていました。

……ちなみにクレープ代は


「僕の……僕の財布がすっからかんに……」


「何よショウ。私達、一番安いのにしたじゃん」


「それでも結構かかったんだよ!」


「災難だったな、成河」


「そう言うお兄さんもちゃっかりクレープ食べてますよね!?」


「蜜柑がどうしてもってうるさくてな」


うるさいとは失礼な。私はここまで手伝ってくれたお兄ちゃんの為に言ったのに


「ま、後で俺の分だけでも払ってやっても良いぜ?」


「……いえ、良いです。お兄さんも頑張ってくれましたしね」


成河君は諦めた様にため息をつきました


「……ねぇ皆」


と、ここで瑠美ちゃんが言いました


「皆は……私の過去を知っても私と友達で……いてくれるんだよね?」


何を今更


「当たり前だろ?じゃなきゃここまで必死にならないぜ」


「もう、大丈夫だよ瑠美ちゃん。私達はずっと瑠美ちゃんの親友だからね」


「僕が今更、瑠美ちゃんとの縁を切ると思う?」


「私達は何があっても友達ですよ。瑠美ちゃん」


「……辰也さん、なゆ、ショウ、オレンジ」


私達の顔を一人一人見ながら、瑠美ちゃんは名前を言っていきました


「こんな私だけど……これからもよろしくお願いしますっ!!」


そして、頭を下げながら言うのでした


「……ふふっ、似合いませんね」


「瑠美ちゃんが敬語って時点でもう……あははっ!」


「んなっ!オレンジ!なゆ!失礼な事言うなー!」


『わあー!!』


「待て~!!」


こうして、三人の鬼ごっこinデパートが始まるのでした


「……どうするんだ?あいつら」


「まぁ……疲れたら戻ってきますよ」


お兄ちゃんと成河君がそんなことを呟くのが聞こえました。

その後、私達はデパートの係員さんに捕まり、みっちり怒られるのでした













辰也side


瑠美の事件の翌日、俺はあるやつらを呼び出した。

あいつらにも礼を言わないといけないと思ったからな


「おーい、辰也。来たぜ」


「どうしたの?私達を呼び出すなんて」


お、来たようだな


「よう、陽多、香奈。ちょっと礼が言いたくてな」


「礼?俺達何かしたか?」


陽多と香奈はとぼけるが……俺は言った


「俺達を捕まえようとした連中、足止めしてくれたのお前らだろ?」


「な、なんの事かな?辰也君?」


見て分かるほど動揺する二人。やっぱりこいつらだったんだな


(成河の情報は正しかったわけだな……)


例の事件の後、成河が俺達を連れていこうとした集団がどうなったのか、気になって連中に聞いてみたようだ。

そして帰ってきた答えが……『黒髪の男と金髪の女に返り討ちにされた』との事だった。


それでもしかしてと思ったが……やっぱりか


「……ま、ありがとな。お前らのお陰で助かったぜ」


俺は二人に頭を下げた


「だ、だから俺達はなにもしてねえって!」


「あ、頭を上げてよ!」


……ったくこいつらは……


「はぁ……わかったわかった。話はこれで終わりだよ。登校前に悪かったな」


言ってなかったが今は8時10分。登校時間だ、そろそろ行かないとな


「じゃあまたね、辰也君」


「ああ、またな」


そして、俺は二人に背を向けて歩き出し……


「いた!!何をしてるんだ辰也!」


「ん?げっ!」


声の方を見るとそこには……見慣れたやつがいた


「学校に行く時は私と一緒に行く約束だろ!?待ち合わせ場所に行ったらお前がいないから心配してたってのに……何をやってた!」


「悪かった!悪かったって!」


「昨日もそうだ!勝手に一人で帰ったじゃないか!」


「ちゃんと事情は説明してもらっただろ?昨日は大変だったんだよ」


瑠美捜しでそれどころじゃなかったんだよな。

ったく、ちゃんとこいつにも説明する様に言っておいたんだがな


「直接説明してもらわないと納得できないんだ私は!」


「面倒なやつだな……」


「なっ!面倒だと!?貴様ぁ!」


「あ、あの~」


と、香奈が控え目に聞いてきた


「……辰也君の彼女さん?」


とんでもない誤解をされそうになり、俺達は叫んだ


『違うわっ!!』



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