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目が覚めたら……

賢也side


「……ん……ふあぁ……」


俺は目を開く。あれ、俺何してたっけ?


「……確か今日は皆と遊びに行く約束をしてたよな」


で、待ち合わせ場所に行こうと思ったら、まだ早かったから一休みしようと……


「そのまま寝ちまったわけか……」


思い出した俺はすぐに時間を確認する……


「……遅刻じゃねえかっ!」


俺は速攻で家を出た










携帯を確認してみる。すると、紗季からの着信が一件あった


「携帯鳴ったなら起きろよ俺!」


くそ、こんな時に俺の寝起きの悪さが発揮されるとは……!


「とにかく急ぐか」


もう皆待ってるだろうしな。それにこれ以上遅れると何を言われるか分かったもんじゃない


「ふぅ……ん、あれは……」


そうして走っていた時だった。前から誰かが走ってくるのが見えた


「……蜜柑と香奈か?」


蜜柑はともかくとして、香奈は何してるんだ?待ち合わせ場所にいるはずなのだが……


「あっ!あそこにいるの賢也さんですよ!」


「あ、本当だ」


どうやら向こうも気づいたようだ。ちょうど良い、事情を聞こう


「おい、二人とも何をやって……」


「ごめん賢也君!また後で!」


「すみませんっ!」


「……って聞けよお前ら!」


二人はそのまま行ってしまった


「くそ、一言で流された」


何を焦ってるんだ?あいつらは


「とにかく行くか」


待ち合わせ場所に行けば誰かいると思い、俺は足を進める。

しかし、また前から歩いてきた連中がいた


「あ!賢也だ」


「あら本当。随分と遅いわね」


「待ち合わせ場所にすらいないお前らに言われたくない」


次に来たのは空と優里、そして知らない少女だった


「ねぇ賢也。俺達の前に誰かとすれ違わなかった?」


「ああ、走ってきたやつらがいたな」


「走ってきた!?」


「ああ、走ってきたのは……」


俺が走ってきたのが誰か言おうとすると


「これは間違いないよ!行こう菜由華!」


「了解です!」


空と少女は走り出してしまった。まだ誰か言ってなかったのに


「はぁ……全くせっかちな子達ね」


「おい優里。今、何をやってるんだ?」


「見てわからないかしら?巻き込まれてるのよ。それじゃ」


優里はそう言うと走っていった


「……何に巻き込まれてるんだ?」


話すなら最後まで話してほしかったぜ。

色々と気になったが俺は待ち合わせ場所に向かうことを優先した












陽多side


待ち合わせ場所付近を捜し回った俺達だが、この辺りにはいないと思い、一旦待ち合わせ場所まで戻る事になった


「戻ったらいたりしないかな?」


「それはないと思うぜ」


仮にいたら、俺達が捜し回ってたのは何だったんだって事になるし


「はぁ……どこまで行っちゃったんだろう……あの娘達……」


「そこまで遠くには行ってないと思うんだがなぁ」


「何を言うんですか陽多さん!数学の神様ならどこへでも連れていけますよ!」


「お前はそのネタをいつまで引っ張るつもりだ!」


「いや、陽多君。皆は本当に数学の神様に……」


「連れていかれないからな!?」


何なんだこいつらは。何故そこまで数学の神の仕業と信じて疑わないんだ


「陽多さん!神じゃなくて神様です!」


「やかましいわ!」


そんな下らない話を続けていたら待ち合わせ場所に到着した


「……お?」


「あれって……」


俺と紗季は待ち合わせ場所に立っているやつを見て誰か気づいた


「おーい、賢也」


「ん?陽多か?紗季も一緒か」


「うん、今来たの?」


「まぁな」


「遅刻だな」


もう待ち合わせ時間はとっくに過ぎているぞ


「確かに遅刻だがな、この場所に誰もいないのはどういう事だ?俺は全員集まってると思ってたんだが」


「ああ、それはな……」


俺はここまでのいきさつを賢也に話した


「ふむ……時間になっても誰も集まらなかったから捜しに行くことになったと」


「そういうことだ」


「で、一緒にその娘……暁の友達も捜してたのか」


「ああ」


「だがここに来る途中で陽多と紗季以外の面子とは会ったんだが」


「え!?皆に会ったの?」


これは有力な情報だな。詳しく聞かせてもらおうか


「最初は香奈に会ったな。蜜柑も一緒だった」


「蜜柑!?それって市川蜜柑ですかっ!?」


「あ、ああそうだが」


暁が蜜柑の名前に物凄く反応する


「暁、蜜柑を知ってるのか?」


「知ってるも何も、今捜してる友達の一人ですよ!」


「マジで!?」


暁の友達の一人って蜜柑だったのか……そういえば最初に友達の一人をオレンジって呼んでたな


「それで、賢也君は香奈ちゃん達に話しかけたの?」


「話しかけたが適当に流された」


「………」


「次に会ったのは空と優里だったな」


む、あいつらは二人で行動してるのか


「……空君は優里ちゃんと二人きりだったの?」


うわ、何やら紗季から黒いオーラが……


「いや、もう一人いたな。俺の知らない娘だったけど」


「ふ~ん……女の子二人を連れてなにやってるんだろうね?」


「落ち着け紗季。空に限ってお前の想像してるようなことはないから」


「……まぁそうだろうけどさ」


そうは言ってるが少し不機嫌な感じだな紗季。まぁ無理もないが


「ちなみに一緒にいた娘ってどんな外見だった?」


「あんまりよく見てないが……黒髪の可愛い感じの娘だったな」


その娘は何者なんだろうか?


「暁、捜してる友達の可能性はあるか?」


「ありますけど……黒髪なんて一杯いますからねぇ、彼女かどうかは。せめて名前が分かれば…… 」


「そういえば空が菜由華って呼んでたな」


「なゆだ!間違いありませんよ!」


「それで、賢也君は空君達には話しかけなかったの?」


「話しかけたぞ。適当な対応をされたが」


今度は適当な対応をされたのかよ!


「賢也……お前不憫だな」


「ほっとけ!!」


だが、どうやら本格的にややこしい事になってるようだな


「よし、とにかく皆を捜しに向かうぞ。賢也はどうする?」


「ここにいたって仕方ないからな。俺も行く」


「分かった。んじゃ皆と会った場所まで案内してくれ」


「了解」


ということで、俺達は賢也を加えて皆の捜索を再開することにした

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