どうなることやら
紗季Side
結局空君は何を考えていたのか教えてくれなかった。う~ん…間違いなく何か考え事してたんだけどなぁ
(はぁ…これじゃ授業も集中できないよ)
香奈ちゃんに聞かれたら怒るだろうな…
(でも本当にわかんないや…昨日のことをまだ引きずってるのかな?)
昨日空君は陽多君が倒れたのは自分の提案のせいだと思っていた。
香奈ちゃんを連れ帰った後、陽多君に謝ったけど、陽多君は空君のせいじゃないって言ってくれた。
空君はホッとしてたけど…もしかしたらまだ気にしてたりするのかな?
(どうにかしてあげられないかな…?)
おせっかいかもしれないけど…空君が悩んでるならなんとかしてあげたい
(そうだ!放課後皆で遊びにいこう!それなら空君も楽しめるし)
我ながら名案だと思う、うんそうしよう!
そして放課後、私は皆に提案した
「ねえねえ、たまには皆で遊びに行かない?」
「お、良いんじゃね?」
「うん、最近いろいろあったからあんまりそういう機会なかったしね」
「俺も行きたい!」
皆が賛成してくれる。良かった
「んじゃ適当に回るか」
「そうだね、特に目的もないし」
私達はそのまま学校から出た
「まずはどうしようか?」
「本屋とかゲーセンとかが妥当だと思うぜ」
というわけで本屋に向かうことになった
そして本屋に入ったわけなんだけど…
「陽多君?そっちは18歳以上にならないと入っちゃ駄目な所だよ~?君は何を買いに来たのかな?」
「くそっ見つかるとは!こうなったら逃げるが勝ちだ!」
「待ってよ陽多君、まだ話はオワッテナイヨ?」
「ぎゃあああああ!!」
早速大騒ぎになってるよあの二人…
「優里、なんか買いたい本とかあるか?俺はお前が百合の本とか読んでても気にしないから言ってみろ」
「賢也君…貴方は私に喧嘩を売ってるのかしら?」
「じょ、冗談だよ冗談」
そして肝心の空君は…
「攻略本はまだ良いか…他には…」
うん、皆よりはるかにまともだ
「ん…?これは…」
あ、気になる本でもあったのかな?
「空君、何か欲しい本あった?」
「!!い、いや特には…」
「?そう?」
なんだったんだろう、今の慌てっぷりは…
空Side
はぁ…危なかった…紗季に見つかりかけたよ…
「……恋愛…かぁ…」
俺はさっき見た恋愛小説を思い出す
「駄目だ…わかんないよ」
やっぱり俺が紗季に抱いてるのは友達としての感情なのかな…?
「なあ空」
「っ!?」
突然声をかけられて慌てて振り返る
「な、なんだ陽多か…」
「なんだとはなんだよ?」
「ややこしくなるからその言い方はやめよう」
「ていうかなんでそんなに慌ててんだよ?」
「え?えっと…」
この際だから陽多に相談してみようかな?なにかわかるかもしれないし
「あのさ陽多…」
俺は紗季に対して抱く感情について説明した
「………」
「よ、陽多?なにかわかったの?」
俺が話終わると陽多は黙ってしまった
「マジかよ……鈍感ってレベルじゃねえぞ…相手以前に自分の気持ちにも気づいてねえのかよ…」
なにかふぶつぶつ呟いてるし…
「どうしたんだよ陽多?」
俺が聞くと陽多は一つため息をつき
「まぁこういうのは他人があまり口出しするもんじゃないが…一つだけ言えるとしたら」
そこで俺を見て言う
「自分の心のままに進め。お前の得意ジャンルだろ?」
「心の…ままに?」
「ああ、俺から言えるのはそれだけだ、後は空が決めることだ」
心のままにか…
「わかった!やってみるよ!」
「まあ頑張れ」
陽多はそう言って去っていった




