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この先はどうすればいい?


 ベッドに座った状態で、俺と天音はキスをしていた。

 そして、いよいよ大人の階段を上ろうとしている。


 さて、問題はここからどうすればいいか……だ。


 まず、ここからの選択肢を考えてみよう。


 一、ベッドに倒れ込む。

 二、胸を揉む。

 三、このままキスを続ける。

 

 最有力候補はやっぱり第一の選択肢『ベッドに倒れ込む』か。

 やっぱりこういうのって二人そろって寝転がるイメージがあるし、きっとこれがベストだろう。


 胸を揉むというのもありだと思うけど、いきなり触ったら下心丸出しみたいで嫌だもんな。

 こういう時は紳士らしく立ち回りたい。


 第三の選択肢『キスを続ける』は論外だ。

 いつまでも同じ事を続けていたら、きっと天音もいい加減に次へ行けよと思うに違いない。


 しかし、本当にそれでいいのか?

 ここでベッドに倒れ込むのも、唐突過ぎるような気がする。


 すると天音が恥ずかしそうにささやいた。


「は……、春彦……」

「なに?」

「服……、脱がせて……」


 第四の選択肢がありましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


 服を脱がせる!

 そうか、それだ!! これが最適解だ!!


 いや、ちょっと待って!!


 脱がせていいのか!?

 だって、脱いだら裸じゃん!!

 生まれたままのお姿になっちゃうじゃん!!


 それ以前に、天音を先に脱がせていいのか?

 こういう場合、男が先に脱ぐべきじゃないのか?


 脱ぐなら上から? それとも下から?

 いや、下からはないか……。


 だけど今の会話の流れなら、天音の服を脱がせるのが自然か……。

 よし……、やるぞ。


 天音のシャツをゆっくりとめくり上げると、彼女の綺麗な背中の肌が見えた。


 うわぁ……。うわぁぁぁ! うわぁぁぁぁ!!

 まぶすぃいい!! 綺麗だぁあぁぁ!!

 

 もう、この時点で感動だ!!

 これまでの人生で最高の瞬間を体験しているのかもしれない!!


 触りたい……。でもダメだ。

 今は服を脱がせてやるほうが先だ。


 ……と考えていたにも関わらず、指先が天音の背中に触れてしまった。

 すると天音が「ん……っ!」と声をもらす。


「どうしたの?」

「ううん、なんでもない。ちょっとくすぐったかっただけ……」


 天音はそう言うと、恥ずかしそうに俺にしがみつき、真っ赤になった顔を隠した。


 くぅ~! 可愛い! 可愛い!

 KAWAII――――――ッ!!!!

 俺のカノジョがマジでかわいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 好きッ!!


 もう、この時点だけでも最高じゃん!

 よかった……。生きてきて、本当によかった!!


 恥ずかしがってプルプル震えている天音も可愛いな。

 こういう小動物的なしぐさって、なんか庇護欲をかき立ててくれるんだよね。


 だがここで、俺は異変に気付いた。


 ……あれ?


 ってか、震えすぎじゃないか?


 子供の頃から頻繁に話をしてきて、お互いのことがわかっているからこそ気づけたわずかな違和感。

 恥ずかしさで震えていると思っていたが、冷静に観察するとそうではないような気がする。


「ぅ……。ぅぅ……」


 天音は震える声を必死に押し殺していた。


「春彦ぉ……。どうしよう。もう頭の中がわけわかんない事になってて、どうしていいかわかんないよ。……ぅぅ」


 そうか……。俺、先に進むことばかり考えてたけど、天音は怖いんだ。


 スムーズにリードをすることばかり考えていたけど、天音はそれ以上に怖さや緊張を抱いていたんだろう。


 さっきまでの積極的な言動は、そんな自分を誤魔化して、無理に前に進もうと背伸びをしていたにすぎなかったんだ!


 くそっ! 理想の恋人のシチュエーションを意識しすぎて、天音が抱えていた不安に気づけなかった!!

 俺はなんて情けない奴なんだ!!


 俺がやるべきことは最適なカレシを演じることじゃない。

 天音に安心を与えること……。それが最優先だったんだ。


「天音。大丈夫だよ……」

「うん……」


 そうは言ってみたものの、ここからどうしたらいいんだ……。


 このまま強引に行為に走るのはダメだ。

 今の天音には、そんな気持ちの余裕はないだろう。


 かといって今ここで天音を部屋に返してしまったら、俺達の関係はずっと幼馴染で兄妹のままになってしまうような気がする。


 強引なことはせず、天音に安心を与え、なおかつ俺達の関係を深める方法……。それは何だ?


 そうだ……。まだ第五の選択肢があった。


 俺は彼女を優しく抱きしめて、ゆっくりと背中をなでてあげた。


「春彦?」

「俺達ってどっちも不器用だと思うんだ。だからゆっくりと前に進んで行こう。俺はこれからずっと、天音のことを好きでいるから」

「……うん」

「だから今は安心してくれ。天音が安らいでる時が、俺にとって一番幸せな時だから」

「ありがとう、春彦……」


 しばらくそうやって背中をなでてあげると、しだいに天音は落ち着きを取り戻し、安心したようにゆっくりと呼吸をするようになる。


 そして俺達は、導かれるように二人そろってベッドへ横になった。

 ベッドの布の心地よさを感じながら、俺は抱きしめた天音を優しくなで続ける。


 よかった。だいぶ落ち着いてくれたみたいだな。


 ……と、ここで再び予想外のことが起きた。


「すー。すー……」

「天音?」

「すー。すー……」

「え~。寝ちゃったの……」


 強い緊張から急激にリラックスへ移ると眠りやすくなるっていうけど……。はは……、まさかこのタイミングで……。


 でも、まぁ。とりあえず初めての添い寝ってことで、一歩前進と言うことにしよう。


 こうして二人っきりの生活二日目が終わったの。

 ちょっと想定とは違う形にはなったけど、俺達の関係は少し前進したような気がする。 


 それに焦ることはない。


 二人っきり生活も、残り五日。

 まだチャンスはある!

いつも読んで頂き、ありがとうございます。


「面白かった」「続きが気になる」「天音ちゃんと添い寝がしたい!!」と思って頂けたら、

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よろしくお願いします。


投稿は、毎朝7時15分頃です。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめての同衾/w さて、どこまでたどり着けるのでしょうねえ。
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