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屋上の攻防戦


 屋上で昼食をしていた時、天音と二人っきりの生活が始まることが他の女子達にバレてしまう。


 当然の如くそのことに反発する月野さんは、握りこぶしを掲げて宣言をした。


「というわけで……、春彦くんと天音さんが二人っきりにならないようにしましょう!」

「「おー!」」


 共感の声を上げるのは日七瀬さんと霧咲さん。

 まさかこの三人が結束するとは……。


 すると天音は三人を落ち着かせようと話に割って入った。


「ちょっと待って。みんな、私と春彦が付き合うのを応援してくれてるんだよね」


 月野さんはメガネをクイッと上げて、返事をする。


「応援はしてるわ。……けど、二人っきりで一週間は高校生の健全なお付き合いには不適切だと思うの。つまり……これはあなた達ふたりのためよ」


 さすが学級委員長の月野さんらしいセリフだ。

 月野さんって校則とか徹底的に守るタイプの人だから、風紀が乱れるようなことは許せないのだろう。


 月野さんは話を続ける。


「そこで提案なんだけど、春彦君は私の家に泊めるってことにしない? うちなら両親もいるから問題が起きることはないわ」


 ん? 話が変な方向へむかってないか?

 なんで俺が月野さんの家に泊まるわけ?


 そして天音は危惧していることを指摘する。


「月野さん……。絶対に春彦に迫るつもりでしょ」

「そんなことするわけないでしょ。でも勝負下着は新調しようかな♡」

「ここで勝負下着の話をぶっこんでくることにツッコミを入れたいんだけど?」


 よくよく考えると、今までで一番風紀が乱れそうなことをしてきたのは月野さんなんだよな。


 もし月野さんの家に泊まったら……、うん……。確実に襲われる……。


 今度は小動物系の美少女・日七瀬さんが手を上げた。


「あ……あのぉ……。それなら私が一週間、春彦様の家に泊まりこんで身の回りの世話をするというのはどうでしょうか?」


 日七瀬さんはメイドとして仕事をしている人だ。

 俺と天音でも十分に家事を回すことはできるけど、やっぱりメイドの日七瀬さんが来てくれたら心強いかもしれない。


 だけど天音はそうは思わなかったようだ。


「日七瀬さんも春彦君に迫るつもり?」


 ジト目で見る天音に、日七瀬さんは両手をブンブンと左右に振って身の潔白を訴える。


「そ……そんな! 人聞きの悪いことを言わないでください! メイドの誇りに掛けて、そんなことはしません!」

「本当に?」

「まぁ、春彦さまの汗が染みこんだシャツをくんかくんかするくらいのことは、事故でやっちゃうかもですけど」

「それは事故じゃなくて、故意よね?」


 う~ん。シャツの匂いを嗅ぐのか……。

 正直、それは嫌だなぁ……。


 そして最後に霧咲さんが立ち上がって長い髪を払い、お嬢様っぽい口調で話し始める。


「埒があきませんわね。それなら私が春彦さまと付き合うということで丸く収めませんか?」

「いや、全然丸く収まってないから。私がカノジョだから」


 ダメだ。全然話がまとまらない。

 というより、まともな意見が出てこない。


 だけど、さっき月野さんが言った通り、高校生の男女が二人っきりで生活をするって言うと、やっぱり勘ぐられてしまうよな。


 この場を収めるには、俺の信用が重要ということか。

 よし!


「みんな……。確かに高校生の男女が二人っきりで生活するのは心配かもしれないけど、俺が天音と誠実に付き合っていることは知ってるだろ? 俺を信用してくれ」


 なんだかんだ言って、みんな俺と天音の関係は認めてくれている。

 きっと誠実に話をすれば、わかってくれるだろう。


 そう思ったのだけど、彼女達の言葉は……。


「「「思春期の男の誠実なんて信用できるかぁぁぁぁッ!!」」」

「速攻で全否定!?」


 くぅ……。まさかここまで完全否定されるとは……。

 もしかして俺、まったく信用されてないのか?


 本当になにもする気はないんだぞ。

 当たり前じゃないか。


 天音を大切に想うなら、こういう時こそ何もしないことが最善だ。

 きっと天音だってそれを望んでいる。


 ……と、ここで天音はポツリとつぶやいた。


「あの……さ。春彦……」

「なに?」

「なにも……しないの?」


 何かを期待するように、天音は顔を赤く染めて、上目遣いでそう言った。


 くぅ……。かわいい!

 ちょっとくらいなら、何かしてもいいのかな?


 でも……、背後から三人の女子の凄まじい殺気が……。

いつも読んで頂き、ありがとうございます。


「面白かった」「続きが気になる」「天音ちゃんと何かしたい! 何かってなに!?」と思って頂けたら、

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よろしくお願いします。


投稿は、毎朝7時15分頃です。

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ、そこで何かしたら、学校生活終わってしまう気が。 ここまで来たら、結論は一つしかないような気が。
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