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家族四人で夕食


 自宅に帰った俺は、夕食ができるまで自室で勉強をしていた。


 すると玄関のほうでドアが開く音がする。

 きっと女子三人でカラオケに行っていた天音だろう。


「せっかくだし、玄関まで出迎えてやるか」


 教科書とノートを閉じた俺は、天音に会うため玄関へ向かう。


 すると天音がちょうど靴を脱いで、スリッパに履き替えるところだった。


「おかえり。楽しかったか」

「ただいま。うん、まぁね」


 リビングに向かう途中、天音は日七瀬さんとLINEを交換したことや、月野さんと初めてデュエットしたことを楽しそうに話してくれた。


 途中で俺の好きな女性のタイプの話になって、バチバチになったらしいが、とりあえず丸く収まったらしい。


 どうやら仲良くなっても修羅場は継続して発生しそうだ。


 そしてリビングに入った時だった。


 俺の父さんが天音を見て「おぉーっ!」と声を上げた。


「天音ちゃん! パパだよー! おかえりぃー!」

「純一郎さん!?」


 普段は深夜しか帰ってこない父さんだが、今日はめずらしく早い。

 なんでもクライアントが急に企画内容を変更したらしく、今日は早く帰ることができたそうだ。


 満面の笑みの父さんを見て、葉子さんはクスクスと笑った。


「純一郎さんったら、久しぶりにみんなで夕食を食べられるからってはしゃいじゃって。子供みたいね、ふふふ」

「お~っとぉ、葉子さん。そこは純粋な心を大人になっても失っていないと言って欲しいな」

「あらあら。それってこっそり買った高額フィギュアのことかしら?」

「…………………………!?」


 高額フィギュアの事を持ち出され、変顔で驚く父さん。


 そういえば父さんの趣味ってフィギュアなんだよな。

 多分ネットで買ったんだろうけど、それを葉子さんに見つかっちゃったんだ。


 俺は父さんの金遣いに口を出すことはなかったけど、家計を守る葉子さんの立場からすれば、高額フィギュアをこっそり買うのはダメだよな。


 こうして俺達は夕食を食べるために食卓についた。


 目の前に用意された豪華な食事を見て、俺は感激する。


「デミグラスハンバーグのアルミホイル焼き! すごい!!」


 俺のリアクションがオーバーだったからなのか、天音は首をかしげて訊ねてきた。


「お母さんの得意料理の一つだけど……、ちょっと感動しすぎじゃない?」

「だって、少し前まで食事と言ったら、冷凍食品とスーパーのお惣菜だけだたんだぞ。こんなに手の込んだ料理なんて初めてなんだ」


 すると葉子さんが俺にお茶を差し出してくれる。


「このハンバーグ。見た目のインパクトはあるけど、そんなに難しくないのよ」

「そうなんですか?」

「私は効率重視だから、こだわった料理なら天音ちゃんの方が得意かもね」


 天音の料理が美味いことは知っていたけど、凝った料理なら葉子さんよりも上手なのか。


 へぇ……。ということは、まだ天音は本気を見せていないってわけだ。

 俺の知らない天音のいいところが、まだまだありそうだな。


「な、なによ……。そんなにジロジロ見て……」

「あ、ごめん。そんなつもりは……」

「作って欲しいなら、今度作ってあげるけど?」

「いいのか?」

「まぁ、春彦だし」


 サクッと言っているが、よくみると天音の唇が緩んでいた。

 きっと嬉しいのだろう。

 可愛いんだよな、こういうところが。


 ……ここで父さんが、俺達のやり取りを見て、茶々を入れてきた。


「おっ! なんだぁ、春彦。ずいぶん天音ちゃんと仲良くなったみたいじゃないか」

「ま……、まぁな」

「ラブラブだねぇ。まるで俺と葉子さんみたいだ」


 すると葉子さんはパンッと父さんの肩をはたく。


「もう。純一郎さんったら、何言ってるんですか」

「照れるなよ。そうだ! 今日は一緒にお風呂に入ろうか!」

「あらあら。調子に乗ってると、こっそり課金しているゲームのデータを消しちゃうわよ」

「…………………………!?」


 ついさっきまでテンションMAXだった父さんは、ゲームに課金していたことをばらされて、変顔で絶句してしまった。


 っていうか、ゲームに課金なんて俺も聞いてないんだけど?


 すると父さんが何かを思い出して、真面目な顔で俺の方を見た。 


「そうだ、春彦……。今さら言う必要はないだろうが、天音ちゃんは義理とはいえ妹。ましてや高校生なんだから、手を出すのは厳禁だぞ。まぁ、春彦はしっかりしているから大丈夫だろうが」


 やべっ! てっきり和やかなムードで油断していたけど、父さんは俺と天音が付き合うことに反対だったんだ。


 さっきのやり取りで気づかれてしまったか!?


 返事をしない俺を見て、父さんは眉を歪める。


「ん? どうした。なんで黙ってるんだ?」


 くっ! まだ付き合っていることを言うのは早い!

 だけど天音のいる前で、ウソでも『そんなことはない』とは言いたくない。


 どうすれば!!


 その時、葉子さんが動いた。


「純一郎さん。お風呂に入ったら背中を流してあげるわね」

「ええぇーっ!? 本当!! 嬉しいなぁ!! でへへ~っ!!」

「もうっ、純一郎さんってちょろいんだから♡」

「何か言った?」

「ううん、な~んにも。うふふ」


 葉子さんは俺と天音を見て、こっそりブイサインを出す。

 俺達の事をフォローしてくれたようだ。


 助かったぁ……。


 でもできるだけ早く父さんを説得する結果を出さないと……。

いつも読んで頂き、ありがとうございます。


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よろしくお願いします。


投稿は一日二回

朝・夕の7時15分頃です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 母は味方だけれど、父はまだだめそうか。 しかし、勝手に結婚したのはそっちなんだから、結婚の前から付き合っていたんだ、と言えば何とか考えてはくれないのかなあ。
[一言] ダメな理由が分からないんだよね…… 別に義理なら良いじゃない
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