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いつも同じではない

「マヤ様かっ」


 などと希望的観測を口走った俺だが……しかし、前からのたのた歩いてくる連中を見て、肩を落とした。




「なんだ、例のホムンクルス兵士だ」

 入り口の大岩のところで整然と並んでドシドシ入ってた、例の黒い影のような兵士達である。ちゃんと防具らしき物を着けているし、平板な顔みたいなのもあるんだが……あくまでも魔力だか神力で創造された、連中だ。


 ……目が赤いのが不気味で嫌だけどな。




「あれは問題ないだろ。さっきだって、俺達なんか無視してたし」

 何気なく言ったのに、サクラはいきなり抜刀した。


「どうした?」

「どうしたもなにも、今は地上の時とは事情が違うかもしれないでしょ」


 どこら辺が違うんだよ、と答えかけた俺だったが――。

 真っ黒戦士達二人がいきなり走り出したので、さすがに驚いた。


「え、なんで走る?」


「戦士将!」

 ローズもまた、サクラにならったのか抜剣した。

「あの者達、どう見ても我らに襲いかかってくるように見えます」

 そう言われても、俺はまだ疑っていたんだが、しかし次の瞬間、サクラとローズの言い分が正しいことがわかった。


 こいつら近付くなり、すぐさま斬りつけてきたのだな!




「はあっ」

「人形なんかに!」


 幸い、戦闘的な女性二人によって難なく迎え撃たれ、サクラは一撃、ローズも二~三合を斬り合った後、両方共倒れ、黒い霧となって消えた。

 しかし……胸を撫で下ろす間もなく、後続が来た。


 今度は二名じゃなくて四名いて、しかもその後ろからもまだ他がいるような気配がある。途端に、サクラが走り出す。


「ついて来てっ」


 今度は俺を含め、全員が異論なくサクラの後に続いた。

 しかし……こいつのことだから、また突っ込むのかと思ったら、途中でいきなりふっと右へ曲がった。


「――に、逃げるのかっ」

 予期してなかった俺は、かなり驚いた。

 それでもたたらを踏んで止まり、慌ててサクラの後を追う。もちろん、他の連中もみんなついてきた。


「お、置いていかないでぇええっ」


 ……一番足の遅そうなエルザが、早速、泣き声を上げていたが。





 前を走るサクラは、二度三度と連続して分岐点みたいなところを曲がり、奥へ奥へと入っていく。しばらくして後ろから追っ手の気配がしなくなった頃、ようやく立ち止まった。


「た、助かった……わ」


 足がもつれそうになっていたエルザが呻いたが、他にローズも少し苦しそうだ。


「あいつら、なんで今回は襲ってきたんだ? あと、どうせなら全部片付ければいいのに」


 不思議に思って俺が訊くと、サクラはちらっと走ってきた方を見た後、教えてくれた。


「二人とか三人だけならともかく、後続が見えた場合は逃げた方がいいの。どういう仕組みか知らないけど、ユメのホムンクルスは一度集まってくると、それこそ後から後からどんどん集合してくるから」


「よ、呼んでるのか、仲間を?」

「それはわからないけど、前世で戦った経験則だから、間違いないわよ」


「ぬうう……じゃあ、地上で無視だったのに、今襲ってきたのは?」


「さあ? 最初の命令が『地下へ入ったら、敵を見つけて殺せ』というものだったのかもね。ホムンクルスは忠実に、言われたままに命令を実行するから」


「なるほど、だから地下へ入るまではノープロブレムだったわけね」

 俺は思わずため息をついた。

 めんどくさいな、くそっ。今回、ホムンクルス連中は総スルーでいいと思ってたのに、アテが外れた感じだ。





「ねえ、ナオヤ」

 話が終わった途端、エルザが俺の袖を引いた。

「なに?」


「あたし、お腹空いた」


「……俺に言われてもなぁ」

 そう言いつつ、俺も腹が減ってんだけど。

 だいたい、途中で起こされて、ずーーっとこんな感じだからな。


「ビバークポイントを見つけて、休憩しましょう」


 サクラの提案に、全員が注目した。


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