第二十五話 楽しくて気持ちよくてカイカンなこと
数ある作品の中から興味を持っていただき、本当にありがとうございます!
堕天使のお姉さんから「楽しくて気持ちよくてカイカンなこと」をしてほしいと頼まれたタヴァータ。
非常に戸惑うなか、彼が取った行動とは一体.........!?
あれから数十分後。
禍々しい闇の魔力に包まれた森の最深部では、少年と若い女性の興奮したような声が絶えず響き渡っていた。
「..........で!!? で!!?!? このあとはどうなるのぉー!?!?!?」
「..........ふっふっふ............それでですね!!!!!
見ていた仲間も ざわ・・・・ざわ・・・ と固唾を飲んで勝負の行く末を見守るなか........!!!
その男はなんと、回っているみっつのサイコロを突如掴んだのです!!!!!!」
「................うぉおおおおおおお!!!!!!! まじで!!? まじでぇえええっ!?!?!?!?」
お姉さんが、僕の腰らへんのうえでまたがったままぴょんぴょんと跳ねる。
僕が話しているマンガの展開の続きが気になって仕方がないようで、子どものように瞳をキラキラと輝かせてひどく興奮していた。
◆◆
さきほど、お姉さんに頼まれた “ 楽しくて気持ちよくてカイカンなこと ” 。
僕はそれを聞いて、お姉さんが欲しているものがすぐにピンときた。
その条件をすべて満たすものといったら.........やっぱり “ マンガ ” しかない。
僕はお酒を飲んだことはないからどっちが楽しいとかはわからないけど、きっとそれに匹敵するくらい楽しいことなのはまちがいない。
きっと、お姉さんも楽しんでくれるはずだ。
その考えから、僕はお姉さんに乗っかられたまま、お姉さんが好きそうなジャンルの話を厳選して話してみたのだけど............
「............ねーねー!!! 早く続き教えてよ〜!!!!
もうあのお酒飲まないからぁ〜!!! はーーーやーーーくぅーーーーー!!!!!」
「..........ちょ..........ちょっとまってください...................
闇の魔力のせいで.............いきが............くるしい.......................」
お姉さんが、思いのほかハマってしまった。
流石に喋り疲れてきたし、長時間闇の魔力に至近距離でさらされるのはキツイので少し休ませてもらいたいのだが...............
「..........むむぅ..................しょうがないなぁー.............
だったら、こーしてやるぅー!!! ..........おりゃ!! おりゃー!!!」
僕が息を切らしながら深呼吸していると、お姉さんが意地悪く笑いながらおしりを僕の腰らへんにぐりぐりと押しつけてくるのだ。
お姉さんのずっしりした重さとなんともいえない柔らかさ.........そして『あの』感触がありありと伝わってくる.......//////
(.............こっ............これはっ.............////////
別の意味で...........ピンチっ...........かも............!!!!!)
めいっぱい抵抗したいが、闇の魔力のせいでうまく体に力が入らない。
僕が顔を真っ赤にして、涙目になりながらその衝撃に耐えていると.................
「...............タヴァータくんっ!!!!!! 大丈b.............」
「..................っ........!!!! み、みなさんっ.............!!!!!!」
ナキシーさんやレム、ハイコさんやメオナさんやフェンリルのお姉さんが、僕のところに駆けつけてくれたのだ!!!!!
ようやく事態が良くなりそうなことに安堵しつつ、僕はみんなにこれまでの経緯を説明しようとしたのだが................
「.................貴様。 一体、タヴァータくんに何をしている。」
「........................なにしてるの...........? プロレス...................ごっこ........................?」
「.................ひゃ、ひゃぁあああっ!?!?!?!?////////////」
「.......せ、せせせせ先パイっ!?!?!?!? だいじょうぶっスかぁ!?!?!?//////////」
「........................??? ふたりとも、何してるのー?」
みんなの様子が、少しおかしい。
レムとフェンリルのお姉さんがぽかーんと僕らを見守るなか、ハイコさんとメオナさんが顔を真っ赤にしながら両手で目を覆い隠していて..............
ナキシーさんが、静かに怒りに震えている。
「............闇の魔力が薄くなっていたから急いで助けに来てみれば............
こんな...............こんなこと....................っ!!!!!!!!」
「...........み、みなさんっ!!!!!!
これは、違くてですね.................!?!?!?!?!?」
ふと、今の状況を客観視してみると..............これは、かなりまずい体制かもしれない。
自分の置かれた状況に気づいた僕が必死で止めるも、もう後の祭りだった。
「..............フェンリルさん。 タヴァータくんに土、風、火、雷属性耐性の魔法を追加でかけてくれ。」
「.........おっけー!!!」
「.............レム。 いつものアレ、お願いできるか?」
「......................まかせて.........................!」
「........メオナ。 ハイコ。
私の合図とともに、一斉にヤツを叩く。 いいな?」
「「..........は、はいっ(ス)!!!!!」」
眼の前で着々と進んでいる総攻撃の準備に、僕はなんともいえない恐怖に襲われる。
お姉さんはまだ、自分が置かれているこの状況に全く気づかずに僕にのしかかりながらいたずらっ子のように笑っていた。
(..............ま、まずいっ..............!!!!!!)
僕が制止しようとみんなのほうへ腕を伸ばした、その瞬間...........!!!!!!
「........この、下衆めぇっ..............!!!!!
喰らえっ!!!!! 裁きの荒天!!!!!!!」
「..........ら、雷撃っ........!!!!!!!」
「......うおおおお!!!! 爆炎の拳っス!!!!!」
「...........ごあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・」
「...................ほぇ?」
四人の合体技が、薄まっていた闇の魔力を切り裂きながら一直線にお姉さんの方へと向かってゆく。
ようやく事態を飲み込めたお姉さんがすっとんきょうな声をあげるが.........もう、遅い。
「..........ほぎゃああああああああっ...............!?!?!?!?!?」
森中が轟くような衝撃と振動を響かせながら、お姉さんの身体に当たった合体技が激しい豪音を立てて爆発四散していった。
読んでいただきありがとうございました!!
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【追記】
時間がたった表現をわかりやすくするために「◆◆」を実装しました。




