8話:清水アザーの初配信
皆さん!とうとうアザーちゃんの初配信です!
〜玄の配信が終わる少し前〜
「げ、玄さんの初配信がもうすぐ終わる… とうとう僕の番か…」
僕がエターナル2期生のトリを務めることになるなんて… こ、琴葉さん(マネージャー)人選ミスだよぉ…
あぁ…凄い緊張する… 同期の4人は普通に配信してたけど、大丈夫だったのかな…
『azureちゃんは可愛いからのぉ。皆、期待しといていいぞぉ』
!?!??
「げ、玄さん…!? は、ハードルを上げないでよぉ」
はぁ…どうして僕が最後なんだろう… 緊張しすぎてやばいよぅ
ふ、ふぅ… 一旦落ち着こう…
もう配信が始まる、配信の準備はもうしてあるし、枠も既に建ててあるから大丈夫…
声の確認と口調を調整してと…
「あ、あ、あ、ありがとうございます♪」
これでOKなはず…
よし!! 配信始めよう!!
――――――――――
[清水azureの初配信]
12182人が視聴中
「み、皆よろしく♪エターナル2期生VTuberの清水azureだよ!今日は、は…配信に来てくれてありがとうね!」
〈ん?あれ?〉
〈始まってる?〉
〈聞こえないけど〉
〈ミュートにしてるのかな〉
「さ、早速だけどプロフィールを…ってえ?あれ?」
〈ミュートしとるで〉
〈聞こえないよ〜〉
〈口パクパクしてて可愛い〉
え…!?!? ミュートにしてた!?
「あ、えーっとこれじゃない…これか?あれ?どれでマイクをオンにすれば…あっこれかな?」
『き、聞こえるかな…?』
〈お、聞こえてるよ〜〉
〈聞こえた〉
〈めっちゃ声可愛い!!〉
〈やべぇ 可愛すぎる〉
『か、可愛いって…』
いつも現実で可愛いと言われてるから、可愛いって言われるのは慣れてるはずなのに…
何故か凄い恥ずかしい…
〈照れててカワエエ〉
〈推します( ;∀;)〉
〈マジ天使〉
『も、もういいから!じゃ、じゃあプロフィールを出すね』
〈あれ、自己紹介なくていいの?〉
『あっ…そうだった えっと…ぼ、私はエターナル2期生の清水azureです!皆さんこれからよろしくね!』
〈おっちょこちょいなのも(≧∇≦)b〉
〈よろしくぅ!〉
〈よろしくお願いします!!〉
〈マジで可愛い〉
『プ、プロフィール出すね…』
〈プロフィール〉
名前:清水azure
地球から遠い星にあるColorという世界に住んでいる女の子。Colorの世界ではアイドルをしていて、仲間達と一緒に、地球のネットの世界を盛り上げに来た。
性格:誰に対しても優しい。怖がり
得意なこと:料理、裁縫、ピアノ、歌
苦手なこと:ゲーム、怖いもの
『これが私のプロフィールだよ!』
〈アザーちゃんの見た目めちゃくちゃ好みだから、歌ったとこ見たら私まじで泣くよ。絶対に天使にしか見えんもん〉
〈アザーちゃん怖いもの苦手なんか。じゃあホラーゲーム配信が楽しみだなぁ〉
〈Colorの世界でアイドルしてたのか。いずれは3Dで踊っている配信をしてほしいな〉
〈アザーちゃんの手料理が食べたい〉
〈ピアノ弾けるってスゴ。〉
〈アザーちゃんの弾き語り良さそう〉
『て…天使って言い過ぎだと思うけどありがとね!あとホラーゲームは絶対にやらないからね!絶対に!』
〈えー〉
〈アザーちゃんの悲鳴が聞きたいメゥ〉
『悲鳴なんて出さないからね! 私の3Dが出来たら踊って歌う配信やってもいいかもね。手料理食べたいって言ってくれてありがとう!いつかはお料理配信やりたいなぁ。ピアノは小さい頃から習ってたから出来るんだよね。あっ!弾き語り配信もいいかも!』
よ、よし…結構緊張がほぐれてしっかり喋れるようになってきた… このままいけば大丈夫かな…
〈ASMRとかやってほしいw〉
〈確かにASMR聞きたいわ!〉
〈アザーちゃんのASMRとか耳がとろけちゃうでしょw〉
〈おぉ…いつの間にか凄い同接増えてる 配信始まったときは12000人くらいだったけど今19000人超えてるw〉
『そろそろタグを決めようかな!まずは…って19000人!?!?』
え、私の配信を19000人も観てるの!? え、う、うぅ… やばいよぅ また緊張してきたぁ…
『え、えぇと…』
〈おぉ、もうすぐ20000人とかエグいw〉
〈アガットちゃんが始めた時とか3000人代だったもんなぁ〉
〈19000人に驚くアザーちゃん可愛い〉
『つ、次は……』
〈ん?〉
〈え、どうかしたん?〉
〈大丈夫?アザーちゃん〉
『う、ううぅ……』
どうしよう… 頭が真っ白になってきた……
何をすればいいか思い出せない… このまま喋れず緊張したまま失敗するのかな… うぅ…
涙が溢れそうになったその時…
炎野agate✔〈アザーちゃん頑張るのよ!〉
向日雌黄✔〈ここでへこたれてんのか?〉
〈アガットちゃん!?〉
森萌葱✔〈少しずつでいいから大丈夫なんだよ〉
暗雲玄✔〈次はタグを決めるんじゃぞ〉
〈2期生全員揃ったやん〉
〈アザーちゃん頑張って!〉
〈俺だって会社のプレゼンの時とか、緊張しすぎてやばかったから…落ち着いて!〉
〈アザーちゃんファイトー!!〉
『み、皆…』
そうだ…落ち着こう… 泣いている場合じゃない…
まだ配信の途中なんだ… ここで失敗したら今までの練習の成果や、エターナル2期生の募集に落ちた人に面目ない… それに2期生の皆も見守ってくれているし、コメントしていないだけで1期生の推し達も観てくれているだろう。
『もう少し…頑張るよ!!』
〈おぉ!〉
〈アザーチャン!!〉
『それじゃあ…まずは一般配信のタグを決めようかな』
〈アザートーク〉
炎野agate✔〈アザーライブ〉
〈アザーとおしゃべり〉
〈アザ生〉
『アガットちゃんのアザーライブにするよ… あ、アガットちゃんが言ってくれたやつだし…』
炎野agate✔〈アザーちゃん…〉
〈やべぇ…〉
〈てぇてぇすぎる〉
〈アガアザてぇてぇ〉
〈あ…尊死…〉
『て、てぇてぇって… 次はファネーム決めよっか』
〈アザ民〉
〈アザー隊〉
森萌葱✔〈アザ友〉
〈ミネラルウォーター〉
〈ミネラルウォーターは草〉
『じゃあ、アザ友にする…』
森萌葱✔〈アザーちゃんありがとうなんだよ!!〉
〈モエアザもイイ〉
〈モエアザてぇてぇ〉
『次は配信の挨拶も決めたいな…』
〈おはアイドル!〉
暗雲玄✔〈こんアザ〉
〈こんミズ!〉
〈おはミネラルウォーター!〉
〈こんミネラルウォーター〉
〈ミネラルウォーター〉
〈ミネラルウォーター推し居すぎて草〉
『み、ミネラルウォーターが沢山だけど…こんアザにするね』
暗雲玄✔〈ありがとのぉ〉
〈ここもてぇてぇ!〉
〈ゲンアザてぇてぇってこと?〉
〈もう全員てぇてぇ〉
『さ、最後はファンアートのタグを決めるよ』
〈アザアート〉
〈アザーの絵〉
向日雌黄✔〈私を見ろ〉
〈私を見ろは草〉
〈おいwもっとマシなの出せやw〉
〈この流れで私を見ろはやばいw〉
〈こいつはもうVTuber界のガキ大将だな…〉
『えっ…じゃあ、私を見ろにします』
向日雌黄✔〈そんなに見てほしいのか。ふっ… アザーもこっち側だったようだな…〉
〈こっち側だったようだな…じゃねぇよw〉
〈ふっ… てのがまた腹立つなw〉
『ふふっ』
向日雌黄✔〈ようやく笑ったな…アザーは笑顔がよく似合うからな いつも笑っていろ…〉
『え…』
〈え、かっこよ〉
〈これがガキ大将??〉
〈惚れてまうわ、俺男だけど〉
〈でもアザーちゃんを口説いてるんじゃねぇよ。アザーちゃんは俺の女だぞ!〉
〈何言ってんだ。俺の女だぞ!〉
〈おいハエ共はどっかに散ってな…アザーは俺の女だ…〉
『わ、私は誰の女でもないからね! っあ…もうすぐ時間だね』
〈もうかぁ〉
〈時間が経つのは早い〉
〈行かないでぇ〉
『きょ、今日は観に来てくれてありがとね。途中泣きそうになっちゃったけど… リスナー…アザ友の皆と2期生の皆が応援してくれるから最後まで出来たよ…本当にありがとう』
〈なんか最終回みたいだ…〉
〈泣きそう( ;∀;)〉
炎野agate✔〈2期生の私達ってさ、例えばアザーちゃんが苦手なゲームは雌黄が得意。私が苦手な歌はアザーちゃんが得意。萌葱ちゃんが苦手な絵を描くことは玄ちゃんが得意。玄が苦手な長時間喋ることは萌葱ちゃんが得意。みたいな感じで互いが互いの苦手を支え合っているのよ。だから苦手な事があっても辛いことがあっても私達同期の2期生を頼ってね。仲間なんだから!勿論リスナーにもよ!〉
〈ここに苦手なものがない例外の男が一人いるが…〉
〈いや雌黄は料理とか裁縫が出来ないんだろ。お前ら逆に雌黄が料理とか出来るキャラだと思うか?〉
〈思わん〉
〈そゆことか〉
『う、うん!アガットちゃん」
多分アガットちゃんは私がずっとVTuberをやっていけるかなぁ不安だったのがバレていたんだ… 発声の練習をしようと突然誘われたのもそういうことなんだろう… 少し分かりづらいけど…そこはアガットちゃんぽくていっか…
こんなに僕を大切にしてくれる仲間がいるんだ… これからはいっぱい頼ろう!
『そ、それじゃあこれで私の初配信を終わるね!皆ばいばい!!』
――――――――――
「ふぅ…」
配信が終わった… 途中泣きそうになってこのまま配信失敗して、VTuberとしてやっていけないと思ったけど… 僕には同期の仲間がいる。リスナーがいる。それに…推しもいるし…
これなら…女としてVTuberをやっていけるかな…
これからもっと頑張ろう!!
…そういえばなんでリスナーから可愛いと言われて照れてしまったんだろう… いつもなら嫌に感じるはずなのに… まぁいっか…
なんか最終回みたいw 安心してください!まだまだ続きますんで! てかるい君メス堕ちしてないんで!
ただ可愛いと言われるのは嫌だったはずなのにリスナーから可愛いと言われて照れてしまうるい君… まだですが順調に道は進んでいますよ!
正直今回の展開はありきたりかなぁとは思いますが…どうしても一回は書きたかったんで!
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