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54話:炎野アガットの10万人記念配信

『皆褒めてくれて嬉しいわ!流石はカリンの絵ね。このドレスは細かいとこまで丁寧に描かれているから凄いリアルで美しいわね』



〈カリンマッマ流石や〉

〈カリンマッマやばいねぇ〉

〈変態なだけじゃなかったんだな〉

〈見直したぜカリンマッマ〉

〈絵の実力だけは凄いぜ〉

〈トップクラスのイラストレーターなだけはある!〉




…うん…カリンママは普段はあれだけど絵を描く実力だけは本物だよね。イラストレーターの中でもトップクラスに上手いって言われてるからね…

そんな人が僕のママって今考えたら凄いよねぇ…



『まぁカリンを褒めまくると後で調子にのってうざくなるからここまでにして、早速ゲームをやりましょうか!このゲームは64人でやるから、私達の分を抜いた55人は視聴者の参加型にするわね。私のアカウントに部屋の番号を書いといたから速いもの順よ』



〈まじか…!〉

〈急げ急げ!〉

〈負けるかこの野郎…!!〉

〈俺が55人の座を取ってやる!〉

〈うぉぉぉぉぉ!!〉

〈つかこのチャット打ってる内に他の人が入ってると思うけどな〉

〈そうやんw〉

〈あっ…〉







――――――――――――――





『64人集まったわね!入れなかった人はまた次の試合があるからまだチャンスはあるからそんなに落ち込まないでね!』



〈入れなかった(;_;)〉

〈うわぁぁん……〉

〈まだ次があるのか!〉

〈次入ってやる…〉

〈俺のんびりやったのに入れてて草〉

〈その座をよこせ〉

〈なんでやぁぁぁ…〉



その気持ちは分かるよ…僕も参加型の配信で入れなかった時はそうだったから…でも今は参加型をやる側なんだよね僕って…そう考えたらなんか実感湧かないなぁ…



『よ〜し、皆準備は出来たわね!…じゃあ早速ゲームを開始するわよ!』



『『『『『『『『お〜!!』』』』』』』』




アガットちゃんがゲームを開始するボタンを押してロード画面になる…

このゲームは自分が人形になって、複数のラウンドで構成されたゲームをやって、1ラウンドごとに数人から十数人ずつ脱落していくんだよね。それで最後まで残った一人が優勝ってゲームなんだけど、アガットちゃんが言った通りこれ全世界で人気のゲームなんだよね。めちゃくちゃ面白くて僕も家に持ってるんだ。まぁ…僕は上手くないんだけどね。



……っと、ロード画面が終わってゲームが始まる…!!えーっと…最初のコースは…うわっ…まじかぁ…最初のコースは僕が苦手な床が回転するタイルが障害物のコースだ。これは床が不安定すぎてすぐに落ちちゃうんだよね。


……よしっ!スタートダッシュは成功した!

このゲームはもう先に速くゴールした人が勝ちだからもうとにかく走らないと……!



『……って、アガットちゃん速すぎない…!?!?』



『まじじゃのぉ…速すぎじゃろ…』


『チート使ってんのか疑うレベルだなおい…』


『速すぎるんだよ…!』



『ふっふ〜ん…!だから言ったでしょ!私はこのゲームが得意だって!…1位は私がもらうわよ!』


そう言ってアガットちゃんはどんどんステージを進んでいく。…やばい、本当にアガットちゃんが速すぎる。不安定なはずのタイルを簡単に跳んでいってもうゴール間近まで行っている…

アガットちゃんのことだから得意って言っても少し出来るくらいなんだろうなって思ってたらバチバチに上手いじゃん…!!


というか僕が遅すぎて最初のステージからやられそうなんだけど…!!



『本当にこの足場が回転するの嫌だ!不安定すぎてすぐに……う、うわぁぁ…っ…!?』


うぅ…!!やっぱり落ちすぎて全然進まない…!!まずい…このままじゃ本当にまずい!


……いや、でも僕以外にも回転で落ちてる人はそこそこいる。これはもしかしてまだ間に合うかも…?…よし、諦めずに急いでゴールまで目指すぞ…!!



『ふっ…ふっ…ふっ……ここを跳んでっ…!!…よし、もうすぐゴールっ…!?!?』


僕はもうすぐゴールのところで急に後ろに引っ張られる……



『へ〜い、アザーちゃぁん。君じゃなくて私が勝つんだよ!にゃはははっ!』


『……っ!!く、黒猫ちゃん…!!』



そう、このゲームは落とし合いのゲーム。相手を掴んでステージから落とすことが可能なのだ。……私がもう少しでゴール出来そうなのを見て狙ってきたか…



『…なら黒猫ちゃんのコラボの時のリベンジをします!』


『ふん、また前回と同じ結果になるだけだよ…!!』



『『ふぉりゃぁぁぁぁぁっ…!!!!』』



僕と黒猫ちゃんは互いに体をつかみ合い激しい押し合いをする…!!黒猫ちゃんに負けるわけにはいかない…!!絶対私が勝ってや…






『……二人が戦ってるところ悪いんだけどボクが先にゴールしちゃうね〜!』




そう言って白犬さんがゴールすると、ゴール出来る人数の枠が埋まりゲームが終了した。

僕と黒猫ちゃんはゴール出来ずに最初のラウンドで負けたってことだ……









『『…………はぁ…!?!?』』



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