48話:盛り上がれ体育祭!!〈海視点〉
「先手必勝です!!!!」
そう言いながら津田は物凄いスピードと迫力でこちらに迫ってきた…!!
だが…
「そのタックルは不意打ちだから喰らいそうになったんだぜ…!来ると分かってる状態でそんな技は意味がねぇよ!」
俺達は右に避けて難なく躱す…!
奴らがいくら速いといってもあの巨大からしたらってだけだ…俺達のほうがスピードは圧倒的に速いし小回りもきくからな。
…だからここからカウンターを決めさせてもらう!俺達の騎馬は津田の騎馬が横を通り過ぎた直後すぐに近付き俺が津田のはちまきを狙う…!
「……くっ…大きい…!!」
海が手を伸ばすが津田の巨大ではちまきには少しのところで届かなかった…
俺は身長が182cmと高いほうだ…だが津田は身長2m位はあるだろう。あの筋肉に囲まれた大きい身体にはこの距離からじゃ届かない…もっと近付くしかないか…
「流石は去年の騎馬戦を無双しただけの実力はありますね。私達のこのタックルから逃げられた騎馬は貴方達くらいしかいませんよ。…ただ所詮は小回りが利くだけのハエです。その程度のパワーと身長じゃ私のはちまきを取ることは不可能ですね。一気に勝負を決めさせてもらいますよ…!」
津田の騎馬はまた俺達の騎馬に向かって突っ込んで来た…!また同じタックルか…?一気に勝負を決めさせてもらいます…!とか言っていたがさっきと一緒か…
そう思いながら左に避ける…
が、
「その程度で避けられると思っているのですか…!!!」
「なっ…!?」
津田は騎馬から体を一気にこっちに伸ばしてきた。……な、なんでその位置からここまで届くんだよ…!?2m以上は離れてるぞ…!?
津田は今、体が完全に騎馬からはみ出している。普通の騎馬ならこのまま崩れ落ちて終わりだろう…ただ津田の騎馬は違う。津田の騎馬達は津田の足を掴み圧倒的な筋肉で支えているのだ。
さらに津田自身の筋肉でも体を支えているからこの体勢でも安定しているから2mを超えた位置に居る海の騎馬まで余裕で届くのだ…
「……そんなのアリかよ…!?…クソっ…!パワーが強すぎる…!!」
「その程度ですか!西隣高校の最強は…!!」
はちまきを取りに来た津田の手を掴み互いに押し合う…!……津田のパワーが強すぎてさっきからこっちは耐えるのに必死で反撃に出れない…!!
「うぐぉぉぉぉ…!!」
「…っ!?」
はぁ…はぁ…なんとか俺達の騎馬は津田の猛攻を耐えきって逃げるのに成功した…
『……津田の猛攻を海達の騎馬が耐えきったぁ…!!!!正直今ので負けるかと思いましたがなんとかしのぎましたね…!ですがパワーは圧倒的に津田の方が上ですからこのままでは負けるのは時間の問題です…!海達の騎馬はどう反撃するのでしょうか…!?』
………確かに放送の通りこのままじゃ負けるな…
走り回るのにも体力を使うからどんどん動きも落ちていく…
……なら…
「お前ら………この作戦でいくぞ…」
「「「分かった…!」」」
仲間3人に津田を倒す作戦を話し準備をする…
「よし…攻めるぞ…!!」
俺の合図で下にいる三人は足を動かし津田の騎馬まで一気に近づく…!!
「……っ…!?」
津田はこの状態で突っ込んでくる俺達に驚いている…そうだろう…俺達はパワーで劣っているから正面から突撃しても勝てるわけがない…
「無策に突っ込んできて私に勝てると思っているんですか…!?私はそんなに甘くはないですよ…!」
正面間近に近付いた俺達に津田が体を一気にこちらに伸ばしてきた…!
このままでは俺達ははちまきを取られて負ける…
だが…!!!!
「これを待っていたんだ…!!!!」
「なっ…!?!?」
俺達は津田が体を伸ばしてきたタイミングを狙って足場の三人がしゃがんだ…
そう…!攻めた状態で津田の攻撃を避けるにはこうすればよかったんだ…!
この避け方は一回しか通用しないからここではちまきを取らないと負ける…!
俺は力を振り絞って真上にいる津田のはちまきに手を伸ばす…!!
「……うぉらぁっ…!!」
だが津田も瞬時に左腕を出して俺の手を止める。……だがいくら津田でも左腕じゃあ俺を止められない…!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」
「なぁっ…!?」
俺は津田の腕を振りほどき津田の右手が迫る前に津田のはちまきを取った…!
俺達は津田のはちまきを取った瞬間すぐに津田から離れて残っている2組の全員に伝える…!
「今がチャンスだぞ…!!」
「「「…!!」」」
呆然と俺達の様子を見ていたが2組の騎馬はいち早く動き出した…
……そして…
『き、騎馬が全員やられました…!ということで…騎馬戦は2組の勝利です…!これに、はちまきの数で得点を追加しますので……1位は3組、2位は4組、3位は1組です…!!』
「「「「「………よっしゃぁぁぁ!!!」」」」」
放送を聞いた2組のメンバーが一斉に俺に向かって走ってきた……!
「…………勝ったぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
俺は校庭の真ん中で2組の皆に向かって手を上げる…
これで総合順位が2位……とうとう2組に追いつくぞ…!!
自分も学校の騎馬戦でこれぐらい熱くなりたかったなぁ…




