48話:盛り上がれ体育祭!!
「はははっ…!先輩慌てちゃって可愛いですね。流石に食べるのは冗談ですよ。私そんなキャラじゃないですからね。
…ここに私が居るのも邪魔でしょうし私テントに帰りますので。あっ…そうだ、先輩の名前教えてくれませんか?先輩可愛いので仲良くなりたいです」
「な、名前…?中村るいだけど…」
「中村るい先輩ですかぁ…良い名前ですね。私は岸田京華です。よろしくお願いしますね」
「う、うん…よろしく…」
そう言って岸田京華は自分のテントに帰っていった。
……な、何だったんだ…岸田京華ちゃんって言ってたけど………あっ…!岸田京華って名前聞いたことある気がする…確かクラスの女子が言ってた学校のイケメンランキングの1位って言ってたよ…海が2位って言ってたから覚えてたんだよね…
……ん?ということは学校のイケメンランキング1位は女の子ってことか…なんか色々と凄いね…
でも確かにあれはモテると思うなぁ…女子があの顔で食べたくなっちゃうなぁとか言われたらやばいだろうね。
まぁ僕は男だから大丈夫だったけどね………うん…あれはびっくりしてただけだから…
『最後にゴールしたのは5組!これで借り物競走が終了しました。借り物競走に出ていた皆さんは各自テントに戻ってください』
……って岸田さんと話していたらいつの間にか借り物競走が終わっていた…
皆テントに戻っていってるので僕もすぐにテントに向かって歩いていく。
「お〜、るいお疲れさん!1位ナイスだぞ!これで縦割りの順位がまた3位になったな。まだまだ優勝狙えるぞ!」
テントに戻ると海が僕に肩を組んで言ってきた。
……ん?というか僕達3組って借り物競走1位だったの!?
僕が岸田さんを連れて行くのに時間がかかったから1位はないと思ってたのに…
「というかまさかるいが岸田を連れて行くとはなぁ。お題は何だったんだ?学校1のイケメンとかか?あいつ女だけどな」
「いや…お題は『異性の後輩か先輩』だったよ」
「え、まじで?『異性の後輩か先輩』で岸田を選んだのか?それなら胡桃ちゃんを連れて行くのかと思ったが…」
「うん…僕も胡桃ちゃんを連れて行こうかと思ってたんだけどトイレに行っていて居なくてね…それで1番近くにいて胡桃ちゃんがどこに居るのか聞いた岸田さんと一緒に行くことになったんだ。…でも海も岸田さんを知ってるんだね」
「そりゃあ学校1カッコイイからなぁ。というか今まで知らなかったお前に驚きだわ。2年生になった直後に結構騒がれてたけどなぁ」
「……まぁそういうのに興味なかったから…」
「いやそれでも耳に入って来ると思うが……っと、それより次の競技は二人三脚だな。見ようぜ。ここで1位を取れば2位になって2組に近づくからな」
「うん、そうだね」
二人三脚かぁ…二人三脚が全員競技じゃなくて良かったよ…僕だったら転びまくっただろうからね。
――――――――――――――
『では準備が出来ましたので、二人三脚を開始します。……よ〜い……始め!』
放送の合図でピストルが鳴り、一年生達が一斉に走り出す。
……って7組速っ!?え…?周りの一年生達は皆二人同時でゆっくりなのに7組だけ全力ダッシュでしかも安定してるからめちゃくちゃ速い…!!
そして周りと圧倒的な差をつけて7組が次の走者にパスをした。
7組の二組目も速いからまずいね…3組は今のところ3位…7組は無理だとしてもまだ2位は狙える…!頑張って!!
そして3組は奮闘した結果3位を維持できてそのままゴールをした。7組も圧倒的な差でそのまま誰も寄せ付けず1位になり、2位は1組になった。
3組は縦割り順位が3位から変わらなかったが確実に8組に近づいている。次の競技で8組に勝てばすぐに順位が変わるくらいにね。
……そして次の競技は午前の部最後の騎馬戦……
「よし!次は俺達の番だな!全員蹴散らしてくるぜ」
海は席から勢いよく立って、校庭に向かおうとした。
あれ…なんで海は行こうとしてるのかな?まずは一年生からだから2年生はまだ行かないのに…
俺達の出番だな!って言ってるから自分達の番だと勘違いしてるのか…
「……まずは一年生からだから海の出番はまだ先だよ?」
「…………あぁ。まぁ知ってたけどな。これは演出だ。それに去年も騎馬戦をやってたから分かるからな」
……絶対嘘じゃん。




