48話:盛り上がれ体育祭!!
僕は結局出る競技は借り物競走なんだけど、玉入れもいいと思ってたんだよね。走らなくていいし。…でもよくよく考えると、かごの高さが高すぎるんだよね。僕の身長って男子なのに女子の中でも小さいレベルだし、腕力ないから全然玉を上に投げれないし、体力すぐになくなって投げられなくなるだろうから無理って気付いたんだよね。
玉入れ選ばなかった僕ナイス…!!
「いや〜…全部出し切ったわぁ…スッキリしすぎてもう俺体育祭無双しちゃうかも」
そう言いながら海は僕の隣の席に座った。
…海今までずっとトイレに居たのか…長すぎでしょ…
「…海はトイレで全部出しきらなくても体育祭無双出来るだろうけどね。騎馬戦なんて他の人が可哀想なレベルだよ」
「騎馬戦は俺の一番の得意競技だからな!怪力王津田が今年は騎馬戦にも出るらしいから楽しみだぜ。あいつは今までの奴と比べ物にならないほど強いだろうしな」
……怪力王津田って同級生だったんだ…3年生かと思ってた…というかあんなムキムキが騎馬戦に出るの…!?あんな巨体が上に乗っかったら下の人潰れないのかな…!?
「怪力王津田を支える怪力三人衆も強いからな」
怪力三人衆……もう名前からして強そうだよね。津田みたいな人があともう3人居るってこと…?それはもう騎馬じゃなくて重戦車じゃない?
「っと、玉入れ始まるな!見ようぜ」
「あっ…うん、そうだね」
海と話していると玉入れの準備が終わっていたみたいだ。玉入れは学年事にやるから最初は一年生からだね…
『では、一年生の玉入れを開始します。……よーい始め!』
放送の合図で一年生達は一斉に玉をかごに向かって投げる…
3組いい調子なんじゃないかな?投げた玉が結構かごに入っているし。このペースなら3位以内もいけるね…!
『4組、一番玉が入ってますね。その調子で頑張ってください!次いで2組、3組、8組、6組もいいペースで玉を入れています。他のクラスも頑張ってください!』
4組は今回全員運動出来る人にしてるのかな…全員凄い玉を入れてる…
でも3組もまだ追いつける量だから頑張って〜!
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『え〜…一年生の玉入れ…3位は2組92個、2位は4組で104個、1位は6組105個…僅差で6組が4組を追い越して1位です!』
「まじかっ!あそこから追いついたのか6組…!凄いなぁ」
後半から6組の追い上げが凄まじかったね。それに4組の人達はペースを上げすぎて途中で疲れてたみたいだし…
それと3組は5位だったよ。まだあと2年生と3年生がいるからそこで勝とう!
『続いては2年生の玉入れです。2年生は各クラスのかごまで集まってください』
次は2年生…僕のクラスからは運動が得意な学級会長の神崎君とお調子者二人も出るんだよね。
「お前らちゃんと1位取ってこいよ〜!」
海が神崎君に方を組みながら言った。
「うん、頑張るよ。海君も応援しててね」
「海、任せろって!」
「俺の力見せたるわぁ!」
3人とも海にそう言うと3組のかごまで走っていった。3人ともファイト!!
『では準備が出来たようなので2年生の玉入れを開始します。よーい……始め!』
放送の合図で皆が一斉に玉を投げ始める…
3人とも凄い玉を入れるのが速い…!これは1位いけるんじゃないか……
って、なんかめちゃくちゃ身長が高くて、ムキムキな人が一握りで玉を5個くらい掴んでかごに向かって投げてるんだけど…!?
「やばいな…あいつは怪力三人衆の内の一人だ」
「あ、あれが…!?」
下手したら津田より身長が高いんじゃないかなあの人…というかあのレベルのムキムキの人が4組に4人も居るなんてやばすぎるでしょ…
2年生の玉を投げてる他のクラスの生徒だって4組の怪力三人衆の方を見て口をぽかんと開いてるし…
……でも4組で玉入れ強いのは怪力三人衆だけだからね。3組は3人とも運動神経いいからまだ勝てる可能性はある…!これは個人競技じゃなくてチーム競技だからね!
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『え〜…2年生の玉入れは3位3組108個、2位6組111個、1位4組189個… 大差で4組が1位です!…189個はこれまでの西隣高校玉入れ176回を抜く、最高記録です!』
……普通に怪力三人衆以外も運動できる人達だったよ…というか本当に怪力三人衆強すぎでしょ…!一人で189個の半分くらいは入れてたよ…!?
「…すまない、3位になってしまった…」
帰ってきた神崎君はクラスの皆にそう言った…
「気にするなよ。優勝狙うのも大切だけど、まずは楽しむことが重要だからな。それに3位で帰ってきてすげぇよ。後は3年生に任せよう!」
「会長ナイスファイト〜!」
「頑張っててかっこよかったよ〜!」
「でも尻叩きは確定な!」
「…うん、そうだね。ありがとう海君、皆。…でも尻叩きは嫌かな…!」
尻叩き確定……
……ん??どっかで似たような言葉を聞いたことがあるような…




