46話:海と秋葉原へ
「………失礼しました…急に話しかけられてびっくりしてしまったので…それでるいさんが何故ここにいるんですか?」
琴葉さんはかけている眼鏡をくいっと上に上げて僕を見てきた…
「…琴葉さん、正直そのキャラはもう無理ですよ…」
「こ、これが素ですよっ!!」
「えぇ…」
さっきの「うわぁ〜頭撫でないなぁ…可愛いなぁ…!頭撫でたいなぁ…1000円払ったら撫でさせてくれないかなぁ…」を聞いたらこっちが素ですって言われても無理がある気がするんだけど…
それに元々琴葉さんは僕の頭を撫でてたからね…
「……そんな目で見ないでくださいよっ!!私の癒やしなんですよ!別に頭撫でたいぐらい言ってもいいじゃないですか…!実際幼馴染ちゃんの頭撫でてないですし!いつも仕事が忙しくて疲れが溜まっているんですよ」
「急に開き直りましたね…まぁでも否定してるわけじゃないですよ!僕も幼馴染ちゃん可愛いと思いますし頭も撫でたいなぁ…とは思うときもあります」
「るいさんも分かりますか!!本当に可愛いですよね〜…私可愛いものに目がないんですがその中でも幼馴染ちゃんはトップレベルに好きです。アザーちゃんももちろん好きですよ」
「ほ、本人の前でそういうこと言わないでくださいよ…というか琴葉さん凄い明るいですね」
「好きな事の話だとこうなっちゃうんですよね。テンション上がるんですよ」
「そうなんですか。琴葉さんはいつも明るいほうが良いと思いますよ!キリッとした感じもいいんですけどね」
「…でも普通に話しているとああいう感じにはならないんですよね。それに私の顔にはあのキャラは似合っていませんし」
「いいえ、そんなことないですよ!琴葉さんは笑っていたほうが素敵です!」
「……っそうですか。今度から意識してみます。それで…そちらの方は?」
琴葉さんは僕の隣にいる海の事を知らないのか…!というか話に夢中で海の事を忘れていた…
ごめん海…
「あ…えっと僕の幼馴染の海です。僕がVtuberやっている事も知ってます。口が堅いので誰にも何も話しませんよ」
「るいさんの幼馴染ですか。私はエターナル事務所2期生のマネージャーをしている琴葉と申します。よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします…!まさかるいのマネージャーさんにここで会うとは思わなかったです」
「私も会うとは…るいさん達もコスプレ喫茶に来るために秋葉原まで来たんですか?」
「いや、僕達はアニメのフィギュアとVtuberのキーホルダーを当てに来たんですよ!」
「私もVtuberのキーホルダーの券を一回使って引いてみましたよ。エターナル所属のVtuberは出ませんでしたが…」
「僕は3人分出ましたね、運が良かったです」
琴葉さんと話していると料理が完成したみたいで、店員さんが僕達の席まで来た。
またエルフの店員さんだ。相変わらず可愛いなぁ…
「スライムのパフェとクラーケンの足で〜す♪クラーケンの足は少し熱いので気をつけて食べてくださ〜い!」
そう言って料理を置き終えた店員さんは戻っていった。
琴葉さんとの席はいくらすぐ後ろだからと言っても話すには少し遠いから琴葉さんはこっちの席に移動してきた。
「わぁぁ…スライムパフェ美味しそう…!!」
「本当にスライムパフェは美味しそうだな。俺のクラーケンの足は美味しくなさそうだ…」
確かにクラーケンの足はなぁ……
僕は早速スライムパフェを一口すくって食べてみた…
「美味しい…!!」
生クリームとスポンジとイチゴとチョコの相性が抜群にいい…!しかもその上にスライムゼリーがあって爽やかな味わいでこれは癖になるね…!
「おお…クラーケンの足も意外と美味かったわ」




