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別れの季節に  作者: につき
13/20

飛躍する言葉の直前

怪獣は飛躍であるか

戦う宇宙人は飛躍であるか

今更見慣れてしまったけれど

やっぱりアイデアは飛躍であった


見えもしないものを信じることは飛躍であるか

まだ見ぬ未来を描くことは飛躍であるか

マクロな経済活動の怪物性やら

政治活動の打ち上げる計画の眉唾やら

飛躍よりも卑近な英雄的愚行ばかり


やっぱり わたしは怪獣が好き

放射能火炎のなんて破滅的響き

巨大な亀にも尻尾があるところ

戦う宇宙人シリーズに出てくる

素敵な怪獣やら宇宙人やらの

必ずやられる理不尽さ

なんて贅沢な!

日本に生まれてよかった!


突き抜けたところに

面白さがあると思うから

もっと もっと

目の前を放り出して

空想に夢想に生きていたい


何もない空の下に立って

頭のてっぺんから昇っていく想像

無音のままに町のわたしは小さくなっていく

あらゆる景色が遠ざかり

真空の満たす 何処までも広がるところまで

耳をすませば誰かが泣いている

屈託に押しつぶされそうな声

わたしは声にならない声を

誰かが顔を上げた

イメージが虹のように立ち昇る

言葉が一気に収縮する

飛躍する直前だ

遠回りが一番近いことがあるように、途方もない距離からの言葉こそが最も身近な言葉であるように。飛躍からの遠望による言葉こそが近すぎて見えないことを明らかにする。詩的表現もどきで事象の説明を羅列するのではなく、表現を用いて事象を明らかにするものこそが詩だと思う。表現もまた突き抜ければ詩に至る。飛躍はそのためにも手放せないものだろう。

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