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めをとじて
めをとじて
せかいをけして
みみをふさいで
いまをさえぎって
くちをつぐんで
わたしをだまって
汚されるままの空が
一握りの土くれが
大自然だなんて信じられないから
嘘だって本当だってどうでもいいから
ただ この風を止めて欲しい
何処からか吹いてくる
季節という風を
移ろわなくっていい
立ち止まったままで
このままで
消えてしまいたいから
なのに
どうして
雨に沁みたタイルは
多すぎるほどの雲は
通り過ぎる美しい人は
喉を潤す透明な軟水は
これほどまでに
身近に迫るのか
わたしを捨てきれない
夜を待たず押し寄せる寂寞
曇り空の下の町の素顔
虫の音の死に絶えた草むらの緑
虫けらたちの屍に並び
わたしは動きを止めて
わたしにとっての世界は終わる
世界は涙一つ流さずに
続いていくだろう
まるで何もなかったかのように




