10(10/10)-かみ?紙?神!-
今回の日刊連続投稿は完了いたしました…
ストック話を全弾射耗しました…書き溜めに移行します…
* * * * *
思ってもいなかった事態に、おれは硬直していた。
自分の布団の中に、ルーテフィアが入っている。
同じ布団を共にしている自分の、右横にいるルー。
ここまで近い距離にいるのは、こないだの風呂の時以来である。
そんな中、俺は今、薄く目を開いて、となりのルーの様子を伺っている。
チベットスナギツネの目、さまさまである。
まあ、とてもではないが、こんな近距離に他人がいる、というのが俺にとっては初めてであるため、眠ろうとしても眠れない、という理由でもあった。
「ゆうた、きょうはいろんなことがありましたね……?」
電灯を消灯して、暗くなった部屋の中。
ルーテフィアは、そう言って俺のからの言葉を待っていたらしいのだが、
「……ねてる、のかな……?」
しばらく、残念そうにしていた、ルー。
しかし、しばらくして、その表情を柔和なものにすると、
にへらぁ、と笑みを浮かばせて、
「えへへぇ……ゆうた………」
「ずっといっしょです……ゆうた………」
…………
……、
手を、握られていた。
ルーのやつのちいさな手で、俺の手がつながれている。
ちいさなほそっこい指が、俺の手の指と絡むように握られている……
ルーのやつの体温は熱っぽくて、布団の中は、
隣から俺へと、ぽかぽかした感触が伝わってきていた。
そして、そうこうしているうちに…
…ルーのやつが身じろぎした、かと思えた次の間際、
ぎゅ、っと。
「…………んっ、」
「!」
抱きしめられた!
急なことだった。なんだあ?ルーのやつ、何か抱きながらじゃないと寝るのもできんのか???
あったかでちいさなルーのやつのもちもちとした肌が、身体が、
パジャマごしに俺の身体へと伝わってくる。
ま、まぁ、これくらいだったら、なんてことのない範疇だろう。
俺はそう考えて、油断していたのだが……
「……ゅぅたっ、ゅぅ、た……――」
なにか、俺の太ももに差し当たる、ような感覚があり……
気がつくと、俺の足のふとももを、
ルーのやつは自分の二本の足で挟んでいた。
ん?
なんか違和感がある。
ないのである。
なんというか、ここまで密着されたら、
おれがルーをそうカテゴライズしている通りのはずなら、
当然としてあるべきはずの、その性別のそれが……
「!」「ぁふっ」
けど、つまりそれって?
「…………」「ぁふっ、ぁぁっ、ぁっ、ぁふっ……」
吐息が吐きかけられる……
ルーテフィアの身体は揺らされているようにもぞもぞと動きながら
俺の身に密着して押しつけられていて
熱い呼吸と息が、俺の顔面に当たってくる。
熱っぽさをとおりこして、
暑い、熱い、くらいに高まった、ルーの体温、
「ぁっ……ぁっ……ぁぅっ…」
こいつ、まさか、
もしやしなくても、
もしやしなくても、!、?
「ぁ!っ……ふぅ、ふぅ、ふー、っ、……、………、」
……それきりルーの奴は寝静まっちまった。
「おはようございます、ゆうた……」
……刺激の強すぎるこの一晩をへてまっしろに燃え尽きている俺に、
起きがけ一番のルーのやつは、
ワイシャツのはだけたその姿から
濃密なおんなのこの気配を放たせながら、
なんだかとても照れた感じのあるようにも見える表情で、
俺へとそう朝の挨拶をとっていた。
「あ……てへへ、」
たったいま、布団の半分を自分の腰を隠すように掛けなおした。
そして俺の手の指先を取ると、己の指先を絡ませながら、ルーは自分の太ももの肉の上へと、いざなった。
まるでとてもエロい仕草と事後感が、
ルーのやつの節々から放たれていて
さらにそれが、ルーのやつの居住まいと佇まいで相乗がされている。
生臭い朝であった。
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