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9話 順調です。

「よし、1階層は外のモンスターを召喚して処理する層にしよう、そうすれば外のモンスターも駆除出来るし、DPも手に入るし、冒険者を殺してくれるかもしれないし、いい事ばっかりだ。」


 まだまだDPが少ないので当分はこの方法で増やしていくのがいいだろう。ダンジョンを訪れる冒険者の数も増えてきてるし、召喚陣から出てきたモンスター達も成長してる。2層以降にはすこしだけランクの高いモンスターを召喚してうちのオーク達に倒させてLvアップの餌にしよう。手間は掛かるけど今はこの方法が良さそうだ。


 モンスターを召喚し、モニターを確認していたある日の朝方リーフが凄い勢いでコアルームへ入って来た。


「マスター!今すぐ農場へ来てください!」


「わかった、すぐに行こう!」


 リーフに連れられて急いで農場へと向かう。着いた先で目に飛び込んで来たのは一面の野菜達。品種改良や魔法の力を使ってこの短期間で野菜の生産に成功したようだ、それをすぐに知らせたくてあんな風にコアルームに走ってきたそうだ。


「凄い!全部見事な野菜じゃないか!ありがとうリーフ!」


「苦労しましたが立派な野菜を作る事が出来ました。これからは安定して農場の経営が可能ですよ。」


 もの凄く嬉しそうに話すリーフによると、ここで作られる野菜はアラウネルのスキルやダンジョンの性質、魔法の力によって種植えから収穫まで一週間程で可能との事。更にその野菜の一部を牧場で飼育されている子達のエサにする事によって成長を促進する事が可能になるという。まさに理想の形となった。


「そうだ、一緒にアーシャの所へ行きましょう!きっとビックリなさいますよ。」


 リーフは微笑みながら俺の手を引いてアーシャの牧場へと向かう。


「お、マスターいらっしゃい。」


「アーシャ、マスターにアレを飲んで貰いましょう!」


「お、アレか。ちょっと待ってな、すぐ持ってくる!」


 アレとはなんだろうか、2人の様子からするとかなりオススメの品っぽいが。


「さぁ、マスター。ぐいっといきな。」


 アーシャが持ってきたのは真っ白な液体だ。これはまさか・・・。


「うまい!なんてうまい牛乳なんだ!」


「そうだろう、リーフの餌を上げて丹精込めて育てた牛の乳さ!」


 どうやらアーシャの牧場では牛乳の生産に成功したようだ。更にチーズ等の乳製品の開発や、鶏の卵等も安定して入手する事に成功したらしい。


「ありがとうアーシャ、リーフ。これでこのダンジョンの食生活はもっと豊かになるよ!よっし、こうなったら特別な保管庫を作ろう!ちょっとコアルームに戻るね!」


 急いでコアルームに戻った俺は早速ダンジョン強化の備品確認に入る。


「え~っと、これは、違う。こっちも・・・こうして・・・。」


 俺はかなり集中していたのか気が付いたら次の日の朝だったようだ。いつの間にか寝ていたらしい。急いで確認するとなぜか目的のモノが完成していた。急いでメンバーを呼び出して緊急会議を開く事にした。その前にいくつか準備をしておかないと。


「今日みんなに集まって貰ったのは重大な報告の為です。まずはリーフの農場で野菜の生産に成功し、安定生産の目途が立ちました。そしてアーシャの牧場でも牛乳をはじめとした乳製品の生産に成功しました。はい、拍手!」


 パチパチパチパチ。っとみんなで盛大な拍手でお祝いした。そして更に続く。


「それを祝してみんなにプレゼントがあります。1人に1つこの指輪を渡すから受け取って。今から機能について詳しく説明していくから。」


 俺はみんなにシンプルな銀の指輪を渡していく。実はこれ俺の新しい能力によって生み出したモノである仕掛けがある。


「これは形は指輪だけど実はただの指輪じゃない、『スペアキー』といって俺の新しいスキル『管理者』で生み出したモノだ。性能はどこからでもコアルームへの転送が可能、ただしこの転送は使用者のみだ。そしてある場所の使用許可と転送だ。実は今回、あまりにも嬉しくて暴走した結果凄いものを生み出した。その名は『超空間倉庫』この倉庫はあそこにある扉から入る事が出来る、中は異次元になっていていくらでもモノが入るし自動的にジャンル毎に分類されていく。そして中は時間経過や劣化はしない。ただし、チーズや肉・ワインなんか熟成させた方がいいモノはちゃんと熟成させる事が出来る優れものだ。更に、俺とスペアキーを持つ者は指輪を使って超空間倉庫へとどこからでも触れるだけで転送が可能だ!勿論モンスターの死体も転送出来る、さすがに解体は自分でやらないといけないけど死体保管庫へと自動で送られるので暇を見つけて解体してくれ。勿論腐る心配はないよ。どう?凄いだろう。朝起きたら完成しててなぜかDP0になってたけど、これなら納得だよね。」


 実際朝起きたらなぜかスキルが生まれてて、この倉庫が出来てDP0になってた。正直理由はほとんど分からないけど、なにかが暴走して爆走したんだと思う。後悔はしていない。


<理由はマスターの熱意です。熱意によりダンジョンが熱暴走を起こし、この事態を引き起こしました。現在は沈静化しています。>


 みんなを見ると口をポカンとあけて呆然としたり、なんだがプルプルしてたりと三者三様の様子。するとリリーとコクトが静かにやってきた。


「「マスター(旦那様)、そこに正座です。」」


「いいですか、マスター。DPはマスターにとっても我々にとっても大事なもの。それがいつの間にか無くなってましたでは済まされませんよ!」


「その通りで御座います旦那様。いくら旦那様でも常識が無さすぎます。」


 2人の説教はその後1時間程続いてこってりと絞られた。そしてなぜかナビまでリリーとコクトに注意されてた。


<<ダンジョンのLvが上がりました。>>

<<ダンジョンマスターのLvが上がりました。>>

<<新たなスキル『管理者』を覚えました。>>


 なんだかんだあったけど実際に『超空間倉庫』はみんなに大好評だった。特にリーフやアーシャの生産組とアリスは喜んでいた。アリスは以前なら2階層で狩った獲物をその場で解体してコアルームの調理場まで運んでくれていた、それが獲物を倒したらリングで転送しコアルームに戻ってきてから解体出来るようになったのだ。手間も安全性も全然違う。

 それに果物なんかも新鮮なまま2階層の森から転送が可能になったのでアルナやリリムが食事の時にフレッシュジュースを出せるようになった。食材も腐る事なく大量に保管が可能となれば食卓事情は圧倒的に改善される、今まではパンに焼いた肉、水という質素な食事が新鮮なサラダに調味料を使い焼いた肉、フレッシュジュースに牛乳という豊かな食卓になった。これで俺のダンジョン生活はまたひとつ充実する事となる。


「これで食は改善された。あとは元日本人として温泉は欲しい所だな、ナビなにかアイデアある?」


<階層を追加し火山エリアにする事で、もしかすると温泉を発掘する事が出来るかもしれません。温泉自体を設置または購入する方法はありません。>


「つまり、強化項目の中に温泉はないけど火山を配置すれば地下に温泉が眠ってる可能性はあるっていう事か。それを自分で掘る事は出来ると・・・。」


<温泉を発掘した場合、スペアキーを使って湯をコアルームに転送する事が可能です。それにより温泉という形をとる事が出来ると考えます。>


 今の所難しいけど絶対に無理っていう訳ではない。それが判っただけでもありがたい、まぁ今はDP0だから何も出来ないけどね。階層の追加に環境の設定、更に温泉の採掘かDPがかなり必要だな。これで次の大きな目標が決まったな。どのくらい掛かるかわからないけど次は温泉の設置だ!・・・まぁ、地道なDP稼ぎからだけどね。




※『管理者』・・・ダンジョンにおいてありとあらゆるモノを管理する事が出来る。


お読み頂き、ありがとうございます。

※感想のご指摘により全て編集して段落と改行を取り入れました。読みにくい文で申し訳御座いませんでした。今後も何かあれば感想をお願い致します。

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