母かおり
皆さんお待たせしました。
1週間連続投稿が目標と言ったばかりなのにすみません。
息抜きのつもりで書いた作品にかかり切りになってしまいました…
そっちの作品の方もよろしくお願いします。
真っ暗な空間に私は居た私自身の姿ははっきりと見えるのに周りは黒一色で何も見えない。
そこで私は母さんにいらないと言われた。奏汰にはもう必要がないと言われた。
音無には僕は君ではなくガスちゃんが好きなんだガスちゃんを返してくれと殺気を込めた声色で怒鳴りつけられた。
でもそこには母さんや奏汰、音無は居ない声が聞こえるだけだ。
嫌だ嫌だ嫌だ、助けて助けてと叫んでも叫んでも誰にも私の声は聞こえないそれもその筈声が出ない。
私は言い訳も出来ず只々声を聞き続ける。気持ち悪い化け物、気持ち悪いお前は何の価値もない人間だと、知っている声知らない声に言われ続ける。
あっ今は奏汰の声だ、今のは母さん、斉藤先生クラスメイト達や知らない誰かから、口々に告げられる悪意のこもった言葉の数々……
嫌だ、そんな言葉聞きたくない私は化け物なんかじゃない
「お前は化け物だ認める事だな」
知らない中年男性が私に話しかけてきた。その中年男性は他の声とは違い姿が見えた何処からともなくスッと現れた。
”誰?”
「私は君の父親だよ」
”お父さん?何故今更私の前に”
「母さんがお前に殺されるか心配で戻ってきたんだよ」
”そんな事私はしない”
「いや、するさお前は化け物だからな」
私は声も出ていないのに会話が成立する事に気づかず話し続けた。
「お前は誰にも認められない、お前は存在しては行けない奏汰の代わりだからこそ生かされたのにお前は放棄してしまった化け物の分際で」
”ちがうちがうちがう”
「違わないさ、その証拠にお前を恨み怖がる人間は山と居るがお前を必要としている人間はいない」
”嫌だ!そんなのは認めない”
私は一気に魔力を放出させた。
「いいぞいいぞもっとやれお前達のせいで私は落ちぶれたが今こそ取り戻してやる」
_____
「奏ちゃん!止めるんだ」
僕は必死になって彼女を止めようと声を張り上げたが彼女の様子は変わらない。
「うがぁぁぁぁぁぁ〜わだじばばげものなんがじゃない」
彼女から魔力が放出された、爆発音が辺りに響く。
「危ないわ、これ以上近寄らない方が良いわ」
斉藤先生が僕がこれ以上奏ちゃんに近づくのを止めた。
「どうしてこんな事になったんだ」
それは2時間前に遡る僕たちはどうする事も出来ないでいたが突如警報が鳴り響いた。
何が起こったか分からず窓の外を見てみると黒くドロドロした物が空に浮かんでいた。
僕はすぐにそれが奏ちゃんだと気づいた何故かは分からないが気づいた。
「先生!奏汰君あれはあれは奏ちゃんだ」
「うそだろ、そんな筈は」
奏汰はそう言いながら空に浮かぶ物体を見た。
「まさか何故」
「二人とも落ち着いてとりあえず奏ちゃんの所に向かいましょう」
という訳で向かったのだが近づく事すら困難な状況だった、やっとの事で近づいても奏ちゃんは僕たちに気がつかない。
「奏ちゃん!止めるんだ」
「うがぁぁぁぁぁぁ〜わだじばばげものなんがじゃない」
奏ちゃんの姿は顔が出ているが他の体の部分は黒くドロドロしたもの出来ていた姿だけでは奏ちゃんだとは分からない。
そう言いながら暴れ回る奏ちゃんから出た魔力が暴れ回り周りの建物を壊し続ける。
奏ちゃんに僕の声が届かないようだ、なんとかして奏ちゃんを止めないと…
よく見ると奏ちゃんの後ろに知らない男性が奏ちゃんと同じように空中に浮いていた。
「と、父さん‼」
奏汰君が驚いている様子で叫んだ。
「お父さんなの?まずいわね多分思っていたよりも最悪の状況よ」
「何故ですか?」
と僕の声に斎藤先生は聞いた。
「私ね、奏ちゃんの事を知りたくて独自に貴方達家族の事を調べの。それでわかった事があるの」
本当に状況が最悪なのか斎藤先生の顔色は悪い。
「貴方達の父親は貴方達を怨んでいるわ。貴方達のお祖父さんを殺したあと貴方達の父親は処分を受けたらしいの、将軍を殺した功績よりもわざとではないとはいえ、組織を裏切る行為をした事の方が罪が重かったようね、
それからは落ちぶれて行き後に残ったのは貴方への怨みいつか復讐して殺してやると言っていたとの事よ」
「そんな…じゃあ今までの僕達は何だったんだよ母さんだってまだ父さんの事を…」
奏汰は弱々しく呟いた。
「まだ諦めるのは早いのではないか?無理だと決めるのは父上と話してからにしてみないか」
僕は奏汰に励ますように言った。
「その女の話が本当なら話すだけ無駄ね」
そう僕たちの会話に割って入ってきたのは奏汰君の母上だった。
____
「母さんいつの間に!?」
「何を驚いているのよ奏汰、私はこの時をずっと待っていたのよ居て当たり前だわ」
そう言うと奏汰の母親かおりは不気味に笑う。
「ああ、この時をどれだけ待った事か清一郎さん」
かおりさんはうっとりと空中を眺めるすると突然奏ちゃんや清一郎さんの元に飛び立つ。
「母さん!!」
「奏汰、ひとつだけ良い事を教えてあげるわ、お父さんはね一度こうと決めたらどんな事でもやりきる男よ、だから私は好きになったの。だからお父さんと話すなんて時間の無駄だから止めなさい」
そう言うとかおりさんは行ってしまった。
「なにぼーっと見ているのよ私達も追うわよ幸い奏ちゃんはかおりさんに集中しているみたいだし、今なら近づけるわ」
僕たちは斉藤先生の声に従い奏ちゃんに気づかれないように近づくことにした。
待っていてくれ!何があったか分からないけどこれ以上暴れないでくれ
僕は心の中で叫んだ。
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「あなた久しぶりね逢いたかったわ」
私は元旦那に声を掛けた。
「僕もさ君に会いたくて仕方なかったよ」
そう言いながら私を殺そうと清一郎さんは魔法を使う、でも昔ならともかく今の清一郎さんの魔法が効く筈がない。
「あれ?君腕を上げたのかい?」
本当に何故こんな人が今でも好きなのか自分でも分からない。
「あなたが弱くなっただけでしょ。それより早くその子を離しなさい」
私は奏を見て言った奏はもう人の形すらしていないように見たが、巨大な魔力の固まり黒くドロドロした物体の中心に眠っていた体に異常はないみたいだ。私は生きている事に少し安堵を覚えた。
あれ?何故この子が無事なのをみてホッとしているのかしら。
私はこの子が大嫌いなのに何故かしら?
「糞!だったら奏この女を殺せ!」
清一郎さんは叫び、奏は私を襲った。
でも何故か力が込められいない、この子の本来の実力なら私ごとき一瞬で殺せる筈だ。
「奏、何故殺さないのあなたの実力なら私なんてすぐに殺せる筈よ何故殺さないの?」
私は揺さぶりをかける事にしたこのこの中に迷いがあるのならそれを利用しない手は無いもの。
「ばだじじじじじじば」
「あら、もう人の言葉さえ言えないの?」
私は焦りを覚えた、清一郎さんが何をしたのかは分からないけれどこのまま放っておくと奏は戻らなくなってしまうかと言って攻撃を強めれば死んでしまう。
あれ?またなぜ大嫌いなこの子がどうなろうとどうでも良い筈なのに…死んだって構わない筈なのに…
私は奏への攻撃をやめた。
「ほう、諦めたか奏で今のうちにその女を殺してしまえあいつを殺せば俺はまた前の階級に戻れる」
奏は清一郎さんの言葉で私への攻撃を強める。
この子には酷い事を沢山してきたわこれで良いのかも、殺されて当然だわと私は心の中で呟き目を閉じた。
復讐が復習になっていましたので訂正しました。
指摘ありがとうございます




