監禁の目的
たくさんの閲覧ありがとうございます。
この作品を書き始めてからそろそろ一年です。
半年間放置と申し訳ない事をしましたがそろそろ終わります。
「………えっ!?」
驚きのあまり言葉を失ってしまった。奏汰君の双子の妹?そんな話聞いた事がない。
「まあ、驚くのも無理ないわ、だってあの子は存在を許されなかった子だから…」
斉藤先生は悲しそうな表情で言った。
「存在を許されなかった?それはどう言う事なのですか」
僕の質問に斉藤先生は本当は私の口から言っていいのか分からないけどと前置きをし説明してくれた。
「………と言う訳なの」
「そんな子供は親のおもちゃじゃないのに…許せない」
僕は怒りで震えた、今すぐ彼女の元に駆けつけてだきしめてあげたい。
「ん?では、もしかすると僕が好きになった一番始めに女装した奏汰君や岩沢先輩に襲われた時の奏汰君は……」
僕は言ったあとごくりとつばを飲み込んだ。
「ああ、それね奏ちゃんよ」
斉藤先生は何でそんな事を今聞きにくるのと言いたげな表情だったが答えてくれた。
「………ぼ、僕は正常だったのか…」
「ああ、その事ね凄いわねあなた。まあ完全に気づいた訳ではないみたいだけれど、本能で好きだったのねガスマスクして別人になっていても、また好きになるなんてだから協力したくなったのよ」
斉藤先生は関した表情で僕を褒めてくれた。
「奏ちゃんもあなたの事は好きみたいだし、それに私に黙って彼氏を家にあげようとしてたなんてあの子も隅に置けないわね」
斉藤先生は嬉しそうに笑ったが、すぐに切り替えた様子で顔つきがきりっと変わった。
「そんな事より時間の猶予があまりないわ、早く行きましょう」
「行くって何処へですか?」
「なに言っているのよ、奏汰君とかおりさんの所よ」
斉藤先生はそう言うなり家を出た僕はその後を着いて行く。
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走って20分程で奏汰君の家に着いた僕は今まで彼の家に行った事がなかった、彼は今まで家の事を話したりしなかったが奏ちゃんとの事があったからしなかったのかと僕は一人納得した。
斉藤先生はインターホンを鳴らした、少し時間が経ってから扉が開くそこには驚気の表情を浮かべた奏汰君が居た。
「葉子さん、それに音無何故ここに?」
「そんな事はどうでも良いわ、話があるの。あがらせて頂戴」
そう言うなり斉藤先生はズカズカと部屋に上がり込んだ、リビングのソファーに座る。
その姿を見て奏汰はお茶を出そうとしたのか台所に向かおうとした。
「結構よ、そんな事よりも早く座って。大変な事が起こったの」
斉藤先生は簡潔丁寧に事のあらましを説明した。
「奏が攫われた!?馬鹿なそんな筈は奏は最強の攻撃魔法使いなのに…そんな」
「たしかに奏ちゃんは能力は強いわでもあの子はまだ子供で女の子なの。大方彼氏だと思って油断してたのでしょう」
「か、彼氏!?」
奏汰君は驚いた様子だどうやら知らなかったみたいだ。
「全く、理解能力に乏しい子ねぇ。マスクちゃんは奏ちゃんと今説明したばかりでしょう。マスクちゃんは誰の彼女だった?あなたも協力したじゃない…」
斉藤先生は心底あきれたという表情で奏汰君に言った。
「え、あああああ!そうか音無が?奏の彼女許さないよそんなの」
奏汰は納得がいかない様子だ。
「許すとか許さないとかそんな事はどうでも良いではないか今は彼女を助ける事の方が重要だろう」
僕の言葉に斉藤先生は
「たまには良い事もいうのね音無君は」
と余計な言葉を良いってくれたりもした。
僕たちはこれからどうすべきなのか話し合う事にした。
「でも残念ながら、母さんは動かないと思う…」
奏汰は申し訳なさそうに言った。
かおりとは奏汰と奏の母親みたいだった、奏汰が言うには母親は奏の事はどうでも良いみたいだ。実際奏が居なくなって結構な時間が経っているが、探しもしないという。
「犯人の目的はいったいなんなんだ僕たちをどうしたいんだ!僕と母さんを呼べって言ったて何処にだよ奏を返してくれよ」
と奏汰は叫ぶがその事に答えられる人物は居ない、時間だけが過ぎて行くのみだった。
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「………んここは?」
どうやら私はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。私が眠っている間に移動したのか、場所が変わっている。じめじめした地下室から私とベット以外何もない真っ白い部屋に移動していた。
周りには誰もいない。私はもう一度私を拘束する鎖に魔力を注いで見たが、いたずらに魔力を消費するだけだった。
「………!!くっ」
唐突に胸が苦しくなった、私は我慢が出来なくなり吐いてしまう。
「嗚呼ぁぁぁぁぁぁ!!」
次に痛くなったのは頭だ割れる様に痛い。
「ははは始まりましたのなのねふっふっふふ化け物となってすべてを滅ぼすがいいのよのよあなたにつられて奏汰とかおりをおびきだすのよねころすころすお前達親子を殺すのが私達の総意なのよねねねねね」
岩沢先輩は無表情だがかかかかかと笑っていた。
「ん?なんんなのののですこれは何?」
唐突に笑いを止めた岩沢先輩の頬に涙が一筋流れていた、岩沢先輩は不思議そうに見ていたがすぐに拭った。
「まだいるの邪魔だじゃまじゃまもうお前は死んでいる」
岩沢先輩はまた意味の分からない事を言っていたが私にこれ以上岩沢先輩を見ている余裕はなかった。
「ぐわぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁ〜」
私はそう叫びをあげたのを最後に意識を手放した。
がまだ終わっていませんので最後までおつき合いください。




