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影武者な僕  作者: 大木鈴
第5話 奏としての再出発
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奏の出した条件

昨日に引き続き連続投稿です。

たくさんの閲覧並びにお気に入り登録、レビュー本当にありがとうございます。

励みにがんばりたいと思いますのでよろしくお願いします。

初恋の相手と似ているから口説いた…

私の耳にはそう聞こえた、初めは怒りを覚えた。

からかっているのかと、だけど音無は真剣な目をして言っているそれによく見ると顔が赤い。

私と音無、正確には奏汰と音無は出会いは古く小学生からで、だからか音無が本当の事を言っている事は嫌でもわかってしまった。


(そうか、本気なのか…)


本気だと分かったら悲しくなった、遠回りに振られたようなものだ。


最もはじめから私が音無に気持ちを伝える事なんかなかったがそれでもショックだった。



「それで返事を聞きたいのだが…」


音無は顔を赤くして言ってた。


(私は音無が好きだが音無はこんな恥ずかしい格好をした女が好きなのか…口説き方も絶対に敵わない初恋の相手に似ているからとふざけている)


そう考えると段々とイライラしてきた。


「ガスちゃんこんなの無視していいから仕事に戻ろうよ」



川畑さんが私の腕を引き言った。


「川畑さん少し待っていてください」


川畑さんは私の言葉に不安そうだったがうなずいた。


「初恋の人に似ているからとかふざけている…よ、だけど面白そうだから条件をやる…あげるわ」


私は自分の口調が奏汰のような男の口調になっているのに気づき直しながらも言った。


「その条件とはなんだ?僕はもう道を誤りたく無いのだ」


道を誤りたく無いとか音無は意味の分からない事を言っていたが私はそれを無視して話を続けた。


「いま魔物の討伐依頼が来ているわ、討伐対象は魔族我率いる盗賊軍団。その軍団にはドラドニールというドラゴン系の上級魔物もいるわその討伐ランクはSクラスその依頼を達成できたらつき合うわ」


私は意地悪のつもりで言った、正直なところこんな依頼は音無が達成できるはずはない。この依頼が達成できるのは熟練のハンターか魔力が強く技術のあるものだけだ。


音無は頑張ってはいるがとてもではないがその段階にまで行っていない行くとしたら後5年ぐらいはかかるだろう。



最強と言われた私でさえも手こずると思う、まあ、手こずるだけで出来ない訳ではないが……


「わかった、その依頼は仲間と一緒でも良いか?」


驚く事に音無はやる気満々みたいだった。


「やばいよガスちゃんいくらなんでもこれは無理あり過ぎだよこの子やる気みたいだし死ぬ気だよ」


音無が可哀想になってきたのか川畑さんは音無に聞こえない様に言った。


「……正直驚いています、まさかやる気になるなんて」


と私と川原さんは驚き半分呆れ半分の表情で音無を見た。


「話は聞かせてもらったわ」


いきなり私達の話に割って入ってきた人物は私達が良く知る人物…


「斉藤先生何故ここに?」


音無は驚きを隠せずに言った。


「私が自分の所属しているギルドに来ちゃだめなのかしら?」


斉藤先生は面白いものを見つけたと言った表情をし私を見た、背筋に悪寒が走る嫌な予感がする。


「この依頼はもちろん仲間と一緒でも良いわよね?かな…ガスちゃん」


斉藤先生の有無をいわせない様子に呑まれ私は頷く事しか出来ない。


「はいは〜い、私仲間に立候補しますもちろん奏汰くんも仲間に立候補するわよね?」


奏汰はそろりとギルドから逃げ…もとい立ち去ろうとしていたのを斉藤先生にばれ連れ戻されていた。

奏汰は斉藤先生に腕を組まれもう逃げるに逃げれない状況に陥っていた、私はというといつ奏汰に自分の事がばれるのではないかと内心ドキドキしていたがその心配の必要はなかった。


「音無この子が好きなのかい止めときなよ、変だよこのこ女の子だったら紹介してあげるから石沢先輩はどうだい?最近音無殺すと音無の事か言わなくなったよ僕の相手もあんまりしてくれなくなったし」


奏汰は私に気づかず相変わらず最低な事ばかり言ってる。


「石沢先輩にはここ一週間ずっと命を狙われている、奏汰くんを盗んだとな今の奏汰くんの言葉を聞いたら石沢先輩は悲しむし僕たち二人とも殺されるのではないか」


真剣に言った音無に


「ごめんごめん冗談だよ、冗談僕はみんなを愛しているからね」


奏汰は慌てて言い直し嘘くさい言葉を言った。


「とにかく、これで回復役と魔法、頼りないけれど魔剣士がそろったわねでもまだ不安だからマスターに着いてきてもらいましょうか」


回復役は奏汰、魔法は斉藤先生、頼りない魔剣士は音無は分かるが、マスターは聞き捨てならない。


「ちょ、ちょっと待ってくださいマスターは反則ですよ。マスターだったら一人でも討伐できるではないですか」


焦った私は斉藤先生にすがすがりつく様に言った。


「仲間はありでしょ、その仲間を選ぶのは自由でしょそれともかなち……ガスちゃんは約束を破るのかしら」


わざとさしく言い間違えた斉藤先生の目が本気だ。


私はまた頷くしかなく頷こうとした。


「ちょっと待ってください、僕は自分で好きになった相手は自分で手に入れたいのでその申し出はお断りします、マスターだとマスターの手柄で手に入れた形になる僕はそれは許せない」


「なによ、あなたガスちゃんには今日初めてあってしかも初恋の相手に似ているという理由でナンパしただけの相手でしょ」


斉藤先生はだけを強調し音無を馬鹿にしたように言った。よく見ると斉藤先生は音無を試している様に見える初めはからかっているのかと思ったが目が少しも笑っていない。


「ああ、あの言い方では語弊が生まれるな僕が言いたかったのは一目惚れだと言う事だ。初恋の人にあった時と同じ様にドキドキした最も僕の初恋は幻みたいなものだったが…」


「幻?なんなのそれ?」


斉藤先生は納得がいかない様子で話を続けた。


「僕の初恋は一番始めに女装した奏汰君だからだ」

奏の中ではガスちゃんと自分は全くの別物です。

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