音無秀
また〜りと更新して行きます( ´ ▽ ` )ノ
僕は父親と同じギルトのマスターになって町の人々を守るのが夢だ。その夢の中にはもちろん結婚して子供が出来てその子供に僕と同じ夢を抱いてもらえばなお良しだ。そのためには勉強や努力は惜しまないそれが僕、音無秀なのだ。
それなのに、僕は自分が分からなくなっていた。
僕は変態なのか普通じゃないのか?確かに僕は女の人が好きだそのはずだ好きな女優やアイドルだっているそれなのに何故こんなにも泡沫奏汰の事が気になるのだ?
初めはいけ好かない男だと思っていた。4人もの彼女がいる不誠実な男、なのに勉強は学年は愚か全国模試で1位、運動は組み手で学年男子(僕も含め)全員が向かって行ったが一撃を食らわせる事は愚か、指一本触れることすら出来なかった。
僕はこんなにも努力をしているのに凡人は天才には敵わないのかと神を恨んでみたりもした。
だから、僕は泡沫奏汰が大嫌いだった。
それが、変わったのが今から2ヶ月前だ。僕と泡沫奏汰はジャンケンという男同士の真剣勝負で見事僕が勝った。
その罰ゲームで泡沫奏汰は一週間女装する事になった。
僕は当時は嬉しかった、初めて勝ったのだ。女装道具を用意しクラスの男子連中と待ったが約束の時間になってもこない。
僕は苛立ちながら泡沫奏汰を迎えに行き女装をするように言って教室に戻った。
クラスの男子連中とどんな酷い仕上がりになるのかと話し合っていた。いけ好かない奴、いつも格好を付けている泡沫奏汰の格好の悪い姿。
本来の僕はこのような事を止める側の人間だろうが泡沫奏汰に関しては逆側になっていたのだ。
男子連中もいつも泡沫奏汰に比べられ落ち込み、鬱憤もたまっていたからかのりに乗っていた。
”ガラッ”
教室のドアが開いた。
「すみません!遅れました」
鈴の音を転がしたかのような美しい声がした。僕たちはその声の方を見た。
背筋が凍る程美しい女性だった、スッと通った鼻筋に整った眉、目はパッチリ二重。輪郭も美しい。完璧な美少女だった。
「誰かね君は教室を間違えているんじゃないかね」
渡辺先生はその美少女に見蕩れながらも言った。
「やだな何言ってるのですか、僕が分からないのですか?」
そういうなり美少女は自らの髪を掴みカツラを外した、その姿や声は泡沫奏汰だった。
僕たちは驚いた信じられなかったというか信じたく無かったのかもしれない。
口をあんぐりと開けて見るものや頬を抓っているもの、目をゴシゴシと擦っているものも居た。
その様子を見ていた泡沫奏汰は少し傷ついた表情をしながら言った。
「罰ゲームですよ、今日から1週間女装しないといけないので見苦しいのは分かりますが目を瞑ってください」
泡沫奏汰はカツラを被り直し怒った様子で席に着いた。




