石沢留美
お待たせしました。
待ってなかった方も読んでやって下さい。
そう言った僕の声は酷くカスカスで聞き取りにくい声だった、だが音無はちゃんと聞いていたらしく凄く驚いている。
「何を言っているのだ君は…
「僕は君が好きだよ、だから僕の代わりに石沢先輩の生け贄になって」
僕は慌てて誤摩化した。音無が何か言う前に勘違いする前にだ。
「全く君は…僕は君が嫌いだ」
音無はあきれたといった様子で僕に言った、分かっているこの嫌いは僕の好きや嫌いとは違う嫌いなんだ。
でもなんでかな分かっているのに泣きたくなる程つらい胸のあたりがキューとなる。
僕は泣きそうになるのを必死にこらえて笑顔で言った。
「私は君が大好きです」
「はいはい、分かったから早く治してくれ」
思った通り音無はあきれた表情で言い返した。
―
「何処何処何処何処何処なの?ねえ、何故何故なの何故逃げるのねえ」
石沢留美は焦っていた。大好きな奏汰に久しぶりにあえたと思ったら様子がいつもと違ったからである。
心配して問いつめれば逃げ出す始末これは本格的に別れを切り出されるのではと不安になっていたのだ。
体育館付近を探し始めた頃。
「私は君が大好きです」
奏汰の声がした。
「告白!?誰に私は振られるの嫌だ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌だ」
石沢留美は必死になって奏汰の前に居る人物を見た。
「音無!……殺す」




