恐怖
久しぶり学校に行く事になったけれど僕は喋る事も表情を変える事も出来なくなっていた。
何をしても何を見ても何も感じ無い、まるでつまらないテレビドラマや映画を見ているようだ。
どうすれば笑えるのか?泣けるのか?怒れるのか?前までは当たり前に出来ていた事が今は出来ない…
このまま行っても怪しまれると思った僕は風邪用のマスクをして学校に行く事にした。
マスクをしていれば喋らなくても怪しまれない、表情を全く変えなくてもマスクで隠れているので分からないだろう。
そう考えた僕は急いで準備し学校に向った。
ー
「おはよう奏汰君」
僕が学校に着き1番初めに声をかけて来たのは奏汰の3番目の彼女 石沢留美
この学校の3年で、奏汰の所属しているギルドの先輩でもある。
僕は石沢先輩に軽く会釈をすると教室に向かおうとした…が、いきなり腕を掴まれ動けなくなった。
「何で無視するのかな?私の事嫌いになったの」
石沢先輩の目がマジだ一点を見つめ目が虚ろ分かりやすく言えばヤンデレ目。
「奏汰君、最近冷たいよね…やっぱり私何かより園原が良いの斉藤が良いの吉野が良いの?私は奏汰君だけなのに…」
そうブツブツ呟き始めた。
「奏汰君は私のものなのよ、そうよ誰かに取られるくらいならいっそのこと…」
ゾッと背筋に悪寒が走る。
“なんか…怖い”
久しぶりに戻った感情は恐怖だった。




