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影武者な僕  作者: 大木鈴
第3話 存在価値
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感情の変化

僕が僕として生きたいと思い初めてから一ヶ月経った。


そんな僕の想いを余所に奏汰は学校での毎日を僕に報告する。


奏汰から学校の話を聞いて思ったのが僕は始めから必要無かったのではないかと言うことだ。


音無とは相変わらずの様子だけれど、クラスの皆とは上手くやっているらしい、何故か時々女装して学校に行っているがそれは園原のお願いらしい。


僕は奏汰には必要無かったんだ。


僕は奏汰になる事しか出来ないのに…


僕は僕にはなれないのに、なってはいけないのに…


僕は僕として生きたいと言う気持ちを抑えこむのに必死だった。


辛かった、苦しかった、どうして僕ばかりこんな目に会うのかとさえ思った。


でも僕は奏汰や母さんに怒る事も憎む事も出来なかった…だから心を閉ざした。


途端、気持ちが楽になった。


何をしても笑わない、怒らない、泣かない、喜怒哀楽の感情が無い僕をギルドの連中はを人形(ドール)だと言っていたが、全くもってその通りだと思う。


僕は母さんの人形。


使え無くなった人形は用済みだ。


用済みになった人形は破棄されるだけだ。


だけどまだ破棄されていない僕は母さんにとってはまだ使い道があるのかもしれない。


ただ破棄するのが面倒なだけなのかもしれない。


僕は破棄されるその日までただ生きるだけだ。




__


ギルドでの僕の格好は顔はガスマスクで隠し、それとは対象的に顔から下は下着に近い格好だ、例えるなら踊り子の格好だ。


そのおかげかどうか分からないけれど僕が感情を閉ざした事に誰も気づかなかった。


僕の仕事は受付嬢で坦々と仕事をする客のクレームや冗談にもなんの反応も示さない、だから人形だなんて言われたのかもしれない。


何故受付嬢なのかは斎藤先生曰く貴女は人と接しなさいとの事だ。


今の僕を見たらなんて言われるか…


だけどギルドでの生活は心を閉ざした僕にとっては楽だった。


誰に何を言われる訳じゃなく唯、与えられた作業をこなすだけ。


僕の能力の事は隠しているから無理矢理魔物の討伐に駆り出される事もない。


必要最低限の会話以外喋る必要もない。


そのおかげかどうか分からないけれど僕は僕で居たいという気持ちと共に感情を失った。

グダグダだったので話の内容を少し変えました。


感情を閉ざしたを心を閉ざしたに変えました。

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