絶望的
僕は一週間ぶりに学校に行けるようになった、
あんな失敗したのに母さんにも言わなかった奏汰は優しい。
だから僕は完璧に奏汰を演じないといけないんだ、僕は気合いを入れ直し頑張る事にした
そんな僕にこの気持ちは邪魔だ、だから僕は一週間音無の事を考えた、この気持ちは一時の勘違いじゃないかとか好きになった原因があれだったから、僕はずっと考えていた。
でも、この気持ちは本物だ、だって寝ても覚めても気がつけば音無の事を考えていたから…
そんなもやもやした気持ちのまま僕は学校に向かった。
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「おい、泡沫!」
後ろから声をかけられた、この声は音無で切羽詰まった感じだったので心配になり慌てて振り向いた。
“ドカッ”
僕の口元から血が流れる。
「何をするんだ…」
「お前のせいで…マスターは…変態に」
音無は冗談でも何でもなく真剣に言っている様子だ。
「お前を殴っても仕方が無い事は分かっている、でもお前がマスターを誘惑しなければ…」
音無の様子から大体の状況が分かって来た、恐らく奏汰は音無の所属しているギルドのマスターをたぶらかしたのだろう。たぶらかされる方もされる方だが確実に奏汰が悪い事は音無の様子から分かった。
「僕は誘惑した覚えはないんだよね」
「お前は…」
音無は憎しみを込めて僕を睨み付ける、好きな相手に本気で睨み付けられるのは辛い、そんな僕の思いをよそに音無はもう一発僕を殴った。
「俺はお前が嫌いだ!」
そう言うと音無は教室から出て行った、僕の初恋は絶望的だ…
分かっていたけど辛いな僕はそう思いながら意識を手放した。




