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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
第3章 Heaven On Earth 地上の楽園
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迫る脅威 その3

魔剣の修復を終えた2人。


ひょんな事から異能が増幅できると知るのですが?

「お そ い ッ !」


「・・・・・・(ビクビク)」


ユージの部屋の前で。


閉じられたドアが開くのを待っているのは・・・言わずもがな。


「萌さん、そんなにイライラしなくったって」


「そ、そうだぜ?!まだ2時間も過ぎてないだろ」


ドアの正面に陣取っている萌の脇で、雪華さんもシンバさんもビクビクしているのです。


かけられた言葉に反応した萌が、ぎぎぎぃッと振り返ります。


「二時間・・・そうよ!

 二人っきりで籠って、二時間も出て来ないのよ?!」


「ひぃッ!ごめんなさいッ!」


萌のジト目で、迫力満点おそろしすぎる顔を観た雪華さんが謝ってしまいました。


「あ、あのなぁ萌。

 あいつらは魔剣てんしを直しに籠っているんだぞ?!」


シンバさんも萌の迫力に押されてタジタジでしたが、何とか言い返しました。


・・・でしたが。


「だ か ら  そ れ で ?」


「悲ニャぁッ?」


あまりの迫力に、流石のシンバさんも耐えられず怯えかえってしまいました。




 がたがたがたがた・・・




雪華さんとシンバさんは恐怖のあまり縮こまって震えてしまうのでした。


「ふッ!このアタシを仲間外れにして、何をのうのうと結界に籠ってるのかしら」


ドアの中に入ろうにも、結界が邪魔してドアが開かない・・・


「もしも。

 もしもユー兄ぃと怪しい行いをやってるのなら・・・瞬殺してやるんだから」


出て来た瞬間にとっちめる気が満点ですね。

しかも相手をアリシア一本に絞っている処が、流石です!!

結果がイカガワシイと判断出来たのなら、瞬殺されるのは?


「アリシアはご飯抜き。

 ゆー兄は、萌様特製のボディーブローをお見舞いしてやるんだから」



  ガクガクガクガクガク・・・・



それは確かに瞬殺ですね・・・オソロシイ




結界の外で、鬼と化した萌さんが待ち構えているとは知らないお二人さん。


「アリシアの魔法剣シェキナが、前とは違う気がするのは俺だけか?」


王者の剣と対を成すアリシアの魔剣が、前とは形も色も変わっていたんだ。


「ホントだね、変わっちゃった」


守護天使シェキナが、どうした訳か変わったのだろうか?


「ちょっとシェキナ?どうしちゃったのよ?」


機動少女の記憶にあるシェキナは、紫の衣を羽織っていたようだったのだが。


「え?!目覚めたから?何によ?」


アリシアとは意思疎通出来ているらしいのだが、俺には聞こえないし観えない。


「え?!ええ?!あ、そうなの、こいが目覚めたから・・・ってぇ?!」


なに?こいだと?


「アルジィ~、魔剣がねぇ~。こいしちゃったらしいニャ」


「本当なのか?魔剣がこいに?」


・・・ずれてる。話が噛み合ってませんよ?


「そう!シェキナが恋になって・・・アルジ、なんだか話が変になってるニャ」


「なに?鯉になるんじゃないのか?」


気が付けよアホアルジ。


「恋って言えば好きって話・・・あれ?ちょっと違うような」


「だから?!鯉が好きなんだろ・・・なぜ魔剣が鯉を好きにならなきゃならない?」


・・・一回落ち着こうよ。


「説明よろ?」


アリシアがシェキナに説明を求めた。


「うむ。ちゃんと初めっから話せよ?」


で、俺はアリシアに掻い摘まないで話せと頼んだ。


魔剣シェキナを手に取るアリシアが、意思疎通を図って説明を受けている。


「ウニャ?!そ、そうだったのね。

 それで恋だなんて言ったのか・・・なるほど」


端で聴いてる俺にはちんぷんかんぷんなのだが?


「アルジ!シェキナはアルジを求めていたニャ」


「意味が解らんのだが?」


余計に混乱するぞ。


「アルジと私がひっつけば、全てが丸く収まるニャ」


「なぜ俺がアリシアとくっつかなきゃならないのかを説明しろ」


全く以って意味不明だ。


「くっつくニャ~!」


「だあああぁッ!寄るな暑苦しいだろうが!」


灼炎王の異能を纏ったままでひっつかれたら火傷しちまうだろうが!




 バキン!




思わず魔剣の柄でぶん殴っちまった。


「酷いニャ」


「あ、思わず手が出たわ」


これというのも、アリシアが意味不明な言動を執るからだ。


「で?アリシアと俺がくっつくとはどんな意味がある?」


「違ったわ!シェキナとサンダルフォンが同化すればって意味だった」


全然話が違うじゃねぇかよ!


「シェキナ曰く、双方の力を最大限に発揮する方法が判ったらしいの」


「ほう?それはどうやったら良いんだ?」


なんとなくだけど、話が見えて来た。


「シェキナを修復した時、サンダルフォンの異能が流れ込んで来たらしくて。

 二本の魔剣は同じ神力を使っていて、片方の異能をもう片方に移せれるらしいの」


「なんだって?二人の天使が同じ力を操れるのか?」


俺の魔剣サンダルフォンと、アリシアの魔法剣シェキナが共通の力を持っている?

頷いたアリシアが、魔法剣シェキナの変化具合を確かめて。


「これがシェキナ本来の姿だって。

 今迄のは半覚醒状態に過ぎなかったらしいの」


「マジかよ?

 機動少女のアリシアが放った魔法は不完全でも相当の威力があったんだぜ?」


最初のドアクダーに放った魔法。

あれでも不完全だっていうのかよ?


「それじゃぁ完全体になったらどんだけ凄いんだ?」


「さぁ?私も観たことが無いから分からない」


以前のシェキナだって十分過ぎる程の威力を誇っていたのに・・・だぜ?


「でも、これからの闘いでは十分ではないのかも。

 相手も強力だったから、こっちも強化しておけたのは良かったと思うんだ」


そうだったな。

あの黒い3連鬼とか言う奴等には、サンダルフォンの一撃だけでは倒し切れなかったんだから。


「それで?

 二本の力を併せる方法というのは?」


異能を移すとか言ってたけど、どうすれば可能なんだ?


「それニャ!

 実は・・・故意こいニャ!」


「恋だと?」


・・・いい加減、辞めてくれません?


「ごほん・・・アルジのサンダルフォンとシェキナは同格の魔剣。

 サンダルフォンが男天使なら、シェキナは女性の天使と目されているニャ」


「うん、それで?」


俺がその結果を求めると、アリシアが言い澱んでしまった。


「・・・く、くっつくニャ~~~ッ!」


言い澱んだと思ったら、抱き着こうとしやがる。




 ボゲシ!



本日2回目のぶん殴り。


「違うニャ!これはシェキナが・・・」


「魔剣が俺にくっつこうとする訳がない」


と、言うか。

アリシアにくっつかれたら、俺が無事で済まないだろうが。


「はッ!そうだったニャ。

 シェキナとテレパスで繋がっていたから混乱していた」


嘘つけ。


「さっきみたいにちゅ~すれば良いと言ってるんだニャ・・・これがまた」


そうか・・・って?!

なるほど。これは・・・言い澱んでも仕方がない。


「修復した時みたいにか」


「そうなる・・・ニャ」


言い難そうにしているアリシアは頬が紅い。


「修復した時にも異能が流れ込んだようだったからな。

 どちらかの魔剣に力が必要なら、剣を交わす手もあるか」


「そ、そそそそ、そうだニャぁ~~~~ははは」


紅い顔して何を狼狽える?


「アリシア・・・お前。何か変な想像をしていないか?」


「そ、そそそそそ、想像ニャ?してない、してなんて・・・」


真っ赤になって・・・頭から湯気が立ってるんだが?


「アリシアはシェキナと意志相通してる時、身体の感覚も同化してるんだよな?」


「そうニャ!剣と一体化すれば、闘う時にも有利だから・・・あ」


俺がジト目で睨むと、やっと引っ掛かってるのに気が付いたみたいだ。



「剣と剣が力を融通し合えるのは、これからの闘いに有効だよな」


「・・・・・ください」


うん?なにやら聞こえたが。


「なんだよアリシア?」


俺がニャン子掴みしてるアリシアに訊いたら。


「もう・・・ニャン子掴みは赦してください」


ふむ。それでは言っておくか。


「それなら、二度と魔剣が恋してるなんて言わない事。

 シェキナは異能を授け合う方法を言っていただけなんだろうから」


「言いませんから、変な期待なんかもしませんから赦して」


期待してたんじゃねぇかよ。


ぷら~~~ンと垂れ下がったアリシアを解放してやると、魔剣サンダルフォンを紋章へしまい込む。


「俺達の魔剣が同化出来るのを、誰にも話すんじゃないぞアリシア」


「え?でも。萌たん位には話しておいても良いんじゃ?」


アリシアは分かっていない。


「駄目だ!

 それはドアクダー以上に脅威になる」


「はぃぃ?怪人よりも萌たんが脅威に?」


そうだよ。萌が追及しやがったらどうする気なんだよ。

魔剣を交わすって行為が、萌に知られたらどう言い訳するんだ?


もしも萌の前で魔剣を交わすような事になったら、アリシアを観た萌が勘付くのは必至。


「敵が強力になって来たのが、こんな脅威を呼ぶなんて」


俺はアリシアと合同で闘う時に、萌の位置をどうするかを考え始めた。


「まぁ、後ろに下がらせておけば、アリシアの表情なんて見えやしないだろう」


戦闘は俺とアリシアが前面に立って戦えば何とかなるだろう。


俺が真剣に戦闘方法を考えている後ろで。


「そうだったのか。萌たんがアルジの脅威に・・・」


話をこんがらがせたアリシアが、見当違いの想いを抱いていました。






  ガチャリ





ドアノブが回り、ドアが開かれたのです。


「アタシの魔剣は無事に治ったニャ」


開口一番、ニャン子が待っているであろう人へ教えたのでした・・・・が?!


「悲ッ?ニャ~~~~~ッ?」


啼くアリシア?


「なんだよアリシア、出た早々・・・うッ?」


ドアを開けたらそこは・・・?


「なんだ?この悍ましいまでの殺気は?いいや、妖気か?!」


暗黒面にでも入ってしまったかのような空間があったのです。


「お そ かっ た じゃ な い ?」


「悲ッニャ~~~~~~ッ?!」


おどろおどろした萌が待っておりました。

既に、ここは地獄と化していたのでしょうか?


「ゆ ~ 兄。ア リ シ ア と 二人っ き り で、 た の  かっ た?」


「ぴぃニャ~~~~~ッ?!」


ド迫力です!いいえ、超弩級な迫力です!


「俺が何をやったと言うんだよ萌ぇ~ッ?!」


「な に も  て い な い の?」


恐いというより、これで嘘を吐けたら賢者ですッ!


「シェキナを直していただけだよ!」


「ほ ん と ぅ う~?」


幽霊より怖ろしい。


「本当ニャ!アタシ達はイカガワシイことなんてしていないニャぞ」


気絶しかけていたアリシアが、朦朧とした頭でユージを援護しました。


「嘘 よ」


ですが、言い切られてしまったのです。


「信じろよ萌。なにもやってなんていないんだから」


「ゆー兄は、信 じ て あ げ る。

 でも、ニャン子は・・・駄目」


「ニャンでぇ~~ッ?!」


怯えるアリシアに足も動かさずに近寄る萌(怪奇)?!


「正直に白状するのなら・・・瞬殺で済ましてあげる」


「ど、どっちにしても殺す気ニャか?!」


これはなんと?!何とした事か?絶体絶命というより必死?!


「そう・・・あたしをこんなにやきもきさせた罪。

 アタシの前で二人っきりになっていた罪・・・万死に値するのよ」


「悲ニャぁ?ニャンという事?!

 アルジが言っていた脅威って、この事だったのニャ?」


恐怖のあまり混乱をきたし、


「言いますニャ!言いますニャ!

 アルジが口止めしていたのも全部話しますニャ」


遂に自白し始めてしまうのでした。


・・・ああ、二人の運命や如何に?








 ぷら~ん




 ぷら~~ん




二体の干し物が吊り下げられています。


夏の暑い最中。

ベランダの気温は35度を超えていますけど?


「なぁ萌?いい加減許してあげたら?」


「ねぇ萌さん、このままほって置いたら熱中症に罹るかも?」


シンバと雪華が必死の命乞いをしております。

室内はクーラーが効いて、快適な温度。


「まぁ、良く考えたら。

 二人に落ち度は無いかなって思えて来たわ」


萌様は紅茶を一飲みして呟きます。


「でも、アタシだけじゃなくて、<私>も怒っていたからなぁ」


そこでシフォンケーキを一口。


「アリシアだけを怒ろうとしたら、ゆー兄も同罪だった( ´∀` )」


・・・嗤う萌様。


「もう直ぐ晩御飯の時間だぜ?」


「赦してあげないと」


ハラハラしている二人に、笑う萌様が仰られるのです。


「そうね、今日の処はこれにて終了としますか」


刑の執行を終了すると。




 ぷら~~~ん



主従なユージとアリシアは、干からびた状態で吊られていたのは此処だけの話。


「確かに脅威だったね ( ´∀` )( ´∀` )」


笑えていたのならまだ懲りていないでしょ?



本当の脅威が迫っているとも知らずに呑気な!





暢気でアホな主従な2人。

干からびていたって笑えるのですからね。

皆さんは絶対に真似なんてしないでください(誰がするんだよ?)W


地球ではまだ切迫はしていなかったのですが。

太陽系では謎の艦隊同士の艦隊決戦が始まろうとしていたのです。


それが地球にどのような影響を齎すのかも知らないで・・・・


次回 宇宙要塞カイツール その1

遂に機動少女の舞台にも、宇宙艦隊決戦の場が?!

イメージとしては<ガンダ○>より、<ヤマト220×>に近いです。

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