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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
第3章 Heaven On Earth 地上の楽園
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不穏 その3

落ち着いたところで。


事件はやって来るようです。

まぁ、ノルマですかネェ?

いつもの萌に戻って良かった・・・と。


明るくアリシアと一緒に笑う萌を見て、俺は感じていたんだ。


少しばかり怒りんぼうな萌の方が、らしいって思えるんだから。

あ。

怒られるのは勘弁な。



ベランダからアリシアの部屋に戻った俺達を待っていたかのように、


「た、大変なのです!」


雪華さんが駆けこんで来て叫んだんだ。


まさか?!こんなに速く?


俺は正直、間の抜けた顔をしていたかもしれない。


血相を変えて飛び込んで来た雪華さんに、萌もアリシアさえもが表情を変えたんだが・・・




「やっちゃいましたぁ~~~~(大泣)」



・・・は?


涙を浮かべている雪華さん?


その手に握られていたのは?



「丸焦げですぅ~~~(爆泣)」



フライパン上の・・・消し炭?!


そういえば。

今日は雪華さんが食事当番するって言ってたな?


「皆さんの夕飯がァッ!この有り様にぃ~~~(目の下が大熊状態)」


「ニャっ?!ニャンと?」


一番最初に反応したのは、大喰らい娘のアリシア。


「ど~~~しましょぉ~~~~~(途方に暮れ)」


ふむ・・・以前だったら、萌の目玉が墜ちてたが?


フライパンを片手に途方に暮れている雪華さん。

確かにフライパンは惨状を呈しているな。


泣きべそを掻いている雪華さんに萌が近付くと。


「う~~~ん。これはまた・・・完璧にどうしようもないわねぇ」


炭になっているのは、ロールキャベツらしいが。既に何なのかも判り辛い。


「どうしてフライパンなんかで熱したの?

 普通ロールキャベツなら鍋で煮込むんじゃないの?」


おおぅ?!萌が料理に詳しくなってる!・・・って、それぐらい当たり前か。


「初めから間違ってたんですねぇ~」


めげる雪華さん・・・それは駄目でしょ?


「勿体ないニャ・・・炭の中で食べれそうニャのは残されてないニャか?」


食い意地の張るアリシアが、恨めしそうにフライパンを見詰めているが・・・


「これニャンか・・・パク」


あ・・・アホニャン?!


「ウニャ~ッ?!」


止めとけって・・・遅かったか。


「焦げてるニャ!炭の味ニャ!食べれないニャ~~~~~ッ」


阿保・・・丸出し。


「すみません・・・・よよよ(泣)」


ほら見ろ、雪華さんが回復不能にまで落ち込んだじゃないか。


「ふふふ・・・料理に慣れていないからしょうがないじゃないの」


微笑む萌?


「こんな時は・・・あそこに行くっきゃないわね?」


で?俺を観るんだが?

あそこって・・・またかよ?


「京香さんに予約入れておいて貰ってよね?おにぃ~ちゃんッ!」


「げっ?!マジか?」


つまりは、俺のバイト先に行くのね?


「ニャ?<びっくりモンキー>ニャん?」


炭で口の周りが煤けてるニャン子が目を輝かせやがった。


「そうね~、シンバが帰って来たら一緒に往くとして。

 午後7時あたりで良いんじゃないかしら・・・ねぇ<おにぃ~ちゃん>」


そこで兄呼ばわりするのかよ・・・萌。


仕方ねぇなぁ・・・甘える萌には勝てん。

まぁ、バイト先の売り上げになるんだから良いか。←俺も甘い。


「19時だな・・・分ったよ」


「やったニャやったニャ!みんなで外食ニャ!」


一番喜んでたのはアホニャンか。



でっもさ。

このパターンって・・・前にも一度あったような?







・・・・・(=^・^=)・・・・・






「はぁい・・・お終い」


パンパンと手を払って消えた<よからぬもの>を見下ろすのは?


「ホントー、いい加減にしときなさいよね」


黒髪が靡き、落とされた端末を拾い上げます。




 ファサッ



腰まであろうかという長き黒髪。

一括りに紅いリボンで纏めてあるのを手串で整えて、


「私の前に現れたのを後悔しなさい、邪なる者よ」


端末を開き、内蔵された情報を一目で確認すると。


「ふむ。どうやらレミュウスの言っていた通りみたいね」


碧味の浮かぶ黒い瞳でモニターを観たのでした。


「これが・・・今の<黄金猫かれ>・・・ね」


?・・・彼って言いましたが?


「こんな辺鄙な所に・・・良くもまぁ」


辺鄙?乗山市は田舎ではありませんけど?


「干渉はしない約束だったけど。

 どうやらヒントをあげなきゃならなくなったようね」


ですから・・・アナタは誰なの?


「いざとなったら、私が出張らなきゃならないなんて。

 歴史干渉にも程があるじゃない?」


・・・もしや、アナタは?

そういえば、保安官補の名を呼び捨てで言ってましたけど?


黒髪で紅いリボンを結わえた・・・女性の瞳が蒼く光りました。


「ちょっと頼りなさ気だけど。

 彼の異能を受け継いだようね・・・この子が」


名前の分からない女性が右手の蒼き珠をミニターに翳しました。

 

何が映っているんでしょう?

女性は誰かを観ているのだと思えますが?


「蒼き異能は確かに宿っている。

 黄金猫ユージニアスが託した勇者剣士である証だものね、この瞳は」


モニターを人差し指でなぞる女性は、懐かし気に呟きました。


もう、お判りでしょう?

そこに映っているのは・・・ユージだったのです。







夏間近の19時。

まだ明るさの残る店内に、4人の少女と一人の少年が同伴していました。


普段遣いの外食チェーン店は、今日も賑わっているようです。




「これニャこれ!この鶏肉が堪らニャいニャ!」


ニャ語ニャ語喚くアリシアと、


「美味しいぃ~~~」


帰って来たら外食だと言われて、喜び勇んで来たシンバが目を輝かせている。


「よかったねゆー。二人も燥いでるぐらいだもん」


俺の隣に座った萌が、こっそり肘を突いて言って来る。


「まぁな。雪華さんはショックだったらしいけど、怪我の功名って奴かな?」


夕飯を台無しにした雪華さんは、最初外食を辞退しようとしたぐらい落ち込んでいたんだけど。


「そうだよね。あんなに笑っているから、大丈夫でしょ?」


俺達の前に座っている雪華さんは、アリシアと料理の交換をして喜んでいる。


「そっかぁ~。偶には焦げさしちゃおうかなアタシも」


なにやら不穏な考え方してないか萌?


「ん?なに、ゆ~。主婦仕事は大変なんだよ?」


俺の考えを読み取ったのか、萌がにっこり笑って日頃の鬱憤を溢す?


「おっきな子供が4人も出来たみたいで・・・ね」


「俺達は子供かよ」


そう言い返したんだけど、萌はなんだか嬉しそうにも見えたんだ。


「そ~!アタシの子供達って感じかな?」


ニカッと真っ白な歯を見せて笑う萌。

眩しい位に観える笑顔。


最近良く見せてくれるようになった、まるで天使のような笑顔を。


「俺は萌という娘の子供じゃないからな」


「え~なんで?いいじゃんアタシがそう思うだけなんだから~」


眼は笑ったままで拗ねる処なんて、出逢ったばかりの頃のようだ。

あの時はまだ中学生だったっけか。



「はいはい、夫婦喧嘩は余所でしてきなよ」


と、いつの間にか京香先輩が配膳してくれてた。


「トッポイボーヤ君がスペシャルのAで、萌ちゃんがCだよな」


トレーに載せられた料理をテキパキと並べ終えて。


「ゆっくりしていきなよ」


いつも通りの気安さで言ってくれるのが嬉しんだよな。


「あ?そう言えば今日って、嵐さんは?」


確かシフトじゃぁ、この時間に来ている筈だけど。


「さっきから姿が観えなんですけど?」


少し心配して訊いてみたんだ。


そしたら・・・さぁ(汗)

京香先輩は何も言わず、俺の後ろを指したんだ。


「げ?!」


俺達が座っているボックス席の後ろ?




 ひょこッ




黄色いリボンが揺れてる・・・のですが?!


「嵐さん?」


「ひぃやぁッ?!バレたぁ~」


またかよ。

左テールに結わえた黄色いリボンが飛び上がって、時限ボックス隙間せきから飛び出して来た嵐さん。


「駄目ですってば嵐さん」


店員なんですよって突っ込もうとした俺だったけど。

その前に横合いからの声が?!


「ここ。開いてるわよね?」


タイトスカートの女性が、長い黒髪を靡かせて立っていたんだ。


「あ、はい。すみません」


動揺した嵐さんが、あっさりと席を譲る。

まぁ、店員が確保してたって意味が無いからな。


でも、なんだか違和感がある。

この女性はどうやってこの席を選んだんだ?


普段なら店員が席の準備が整えられた後を確認してから案内して来る筈なのに?


誰も案内しないのにどうやって選べたんだ?

だって、彼女が言ったんだぜ<ここは開いてるのか>ってね。


嵐さんが通常の状態だったら、絶対断りを入れていた筈だ。

店内の案内係に伺いをたててからでないと、客同士のいがみ合いに為り兼ねないからな。


「そう。じゃぁ先ずはビールをジョッキで貰おうかしら」


居酒屋じゃねぇよ、ここは。


後ろで聞いていて突っ込みたくなった。


「あのぉ~、おビールはグラスでしかお持ちできないのですけど?」


いきなり変な客に捕まった嵐さんが困っているようだ。


「ほぅ?それじゃぁそれで良いから持って来て」


「いえ、あのぉ?おビール単品だけでしょうか?」


ほら。なんて客だよ。


「私は喉が渇いてるの。良いから持って来て」


「ひぃぃ~ん?!」


あ・・・嵐さんが泣いちゃった。

で・・・京香先輩を呼びに行くのかな?


後ろの客と目が合わないようにしとかないと。

こんな客なら、どんな迷惑を掛けられるか分かんねぇから。


俺はこっそりと萌に目配せしようと思ったんだ・・・けど。


「あ~そうだったわ。

 あなたにお話しが有るのよ・・・ノラ・ユージ」



挿絵(By みてみん)



・・・いきなりですかい?


真後ろからの声に固まっちまった。


「忠告というか、警告というか。

 これからのあなたに必要な話を持って来たのよ」


後ろからの声に、俺以外のみんなが女性を観ている。


「それと言うのも、そこの頼りない娘の所為でね」


頼りないって・・・言いたい放題だな。


迎えに座っているアリシアを観ているだろう女性を感じるんだけど。


「あなたは?一体誰でどんな御用件が?」


萌が堪らず聞き咎めたら、その女性が言うんだよ。


「あら、これは失礼したわね。

 私の目的は先ほど言った通りで、名前は・・・」


女性が名乗りをあげようとした時、嵐さんから聞きつけたのか京香先輩が走って来た。


走って来て・・・


「どぉりゃああああぁッ!」


憤怒の形相で蹴りを放ったんだが?


黒髪の女性に対して!


えッ?なして?!←俺達全員が呆然




・・・

・・・・・

・・・・・・・・はッ?!

悪夢を見てしまった気がするのは作者だけ?


どこぞの世界では勇名を馳せられている方にも観えるのですが?

あなた様はもしかして・・・・


言えないッ!言ったらぶっ飛ばされてしまいそうですから!


ホントーに・・・ミ○ル様?

次回 美春来襲・・・嘘ですW


次回 警告 その1

嘗て、宇宙の果てで起きた戦争で有名を馳せられた名前が?!名だけですが?!

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