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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
第2章 ブルーブラッド
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闘う少女 その2

今話は・・・


アリシアだけの特権じゃないってことが知れる回です。


変身するのは戦闘少女だけではないと?

オードアクダーの結界の中で。


二組に分かれた闘いが幕を開け放たれました。


機動少女ではないアリシアが、ドアクダーの下僕しもべになっている氷結の魔法士セッカと対峙しているのです。



挿絵(By みてみん)



双方の持つ魔法を形に現わした(やいばを手に、二人は剣戟を交えるのでした。


「大人しく切り刻まれなさい!」


薙刀を揮うセッカに対し、魔法剣であるバスターソードを構える灼炎王アリシア。


「嫌ニャぁッ!」


薄青い髪を靡かせて薙刀を袈裟懸けに揮うセッカに対し、赤髪のアリシアが防御します。


薙刀とバスターソードが火花を散らし、何度も切り結んだのです。


セッカはアリシアを切り刻もうとし、アリシアは主のお言い付けを守り防戦します。


「ほらほらッ!護るだけじゃぁ追い詰めてしまうよ!」


「どぉ~だかニャ?!攻めるにしては単調に過ぎニャいか?!」


防ぐアリシアには余裕があるのでしょうか?

それとも言っている通り、セッカの手に抜かりが有るのでしょうか?


「セッカニャン!本当は助けて欲しいニョではないニャか?」


斬り結ぶ剣戟の合間に、アリシアが質すのです。


「本当は下僕から解放して欲しいニョではニャいのか?」


「煩いッ!お前に何が出来るのだ!」


ニャン子な灼炎王アリシアに、雪華セッカが吠えます。


「私の宿命をお前が晴らせるとでも思っているのか?!」


宿命とまで言い切る雪華セッカ

でも、アリシアには感じる処があるみたいで。


「アタシには出来なくても、アルジのユージになら出来るニャぞ!」


切り結ぶ剣戟の合間に、アリシアはユージと萌に瞳を向けるのです。


「アタシを下僕に出来たアルジなら、セッカニャンも解放出来る筈ニャ!」


「ほざけ!どうやったら私を解放出来るというのだ?!

 異星人のバケモノ相手に、普通の少年が勝てるとでも思うのか!」


貶められた相手であるドアクダー怪人の異能を知っているから。

自分では如何ともし難い相手なのだと教えたかったのです。


「あのオードアクダーに、私は奪われたのだ。

 古から伝えられた祖先の珠を奪われてしまったから。

 私は下僕に為らざるを得なかったのだ!」


悔しそうにセッカは薙刀を揮うのでした。


「奪われた珠を取り戻せば、セッカニャンは下僕を辞めれるニョね?」


バスターソードで薙刀を弾き、セッカの眼を見るアリシア。


氷結のセッカの眼には、口惜しさと無念さが滲んで観えました。


「取り戻せるものか!

 アイツは躰の中に珠を仕舞い込んだのだぞ。

 奴を倒したら珠までもが消滅してしまうんだぞ!」


なんと?!

オードアクダーはセッカの珠を体内に取り込んでいるようです。


だからセッカ程の魔法士であっても要求をのまざるを得なかったのでしょう。


「一つ訊きたいニャ。

 セッカニャンの珠は、それ程までに大事ニャのか?」


「そうだ!珠が無くなれば、私の存在意義までもが失われるのだから」


その意味は?


「あの珠には先祖から伝えられる氷結の異能が仕舞い込まれている。

 今此処に居るセッカは、珠の異能で存在しているのだ」


「ニャるほど。珠が消えたらセッカニャンも消えてしまうニョだな」


自分の消滅を防ぐ為。

氷結のセッカは自分を消さない為に下僕になった・・・ならざるを得なかった?


「私が消えてしまえば、現実世界の雪華も只では措かれない。

 自己崩壊してしまうかも知れないのだからな。

 あの無垢な少女・・・雪華せっかも」


「ニャルホド!現実世界の雪華ニャンとは別人格ニャったニョか」


あの恥ずかしがり屋な雪華は、本当の姿でもあったようです。

まるでニャン子なアリシアと機動少女が違う様に。


「そうだ!

 あの娘こそが本来あるべき姿なのだ。

 結界の中で闘う少女ではないのだからな!」


氷結のセッカは薙刀を揮い続けます。

自分にはどうする事も出来ないと嘆きながらも。


「ニャったら!

 アタシの主人に託してみれば良いニャぞ。

 アルジのユージはきっと雪華ニャンを助けてくれるニャ」


「だからッ!あの少年に何が出来ると言うんだ?!

 相手は凶悪なる異星人なんだぞ!」



二人の魔法士は、半魚人なオードアクダーと対峙している二人を遠巻きにして闘っているのでした。

セッカは絶望に打ちひしがれ、アリシアは希望の光を求めるように闘うのです。


闘う少女達の望みは果たされるのでしょうか?






「お前には用はない・・・くたばるが良い」


棘を突きつける怪人オードアクダー。


「そう簡単にくたばる訳にはいかないぜ!」


素手で怪人と対峙するのはニャン子の主。

いいえ、萌の義理兄ユージ


「違うよユージ・・・思い出して?!」


萌の声が震えていました。

恐怖に?襲われた過去のトラウマの所為?


「あの晩のことを・・・あの異能を」


震えている萌の声が、ユージの背へと放たれました。


「萌・・・怖いんだよな。

 大丈夫だぜ、俺が護るからな」


拡げた手に力を込めて、ユージは怪人を睨みつけます。


「萌を怖がらせたな!萌を怯えさせたな!

 俺の禁忌に触れたんだぞお前は!」


ユージは萌との約束を守ろうと立ち阻むのです。


それが約束だから・・・絶対に護らねばならない人だったから。



「ふんッ!だとしたら・・・どうだと言うのだ?!」


喚いた半魚人の棘がユージに襲いかかったのです。


何本もの棘がユージに・・・




 ビシッ!




制服が引き裂かれ、ダメージを喰らいます。

でも、ユージは引き下がらなかった・・・


「俺は萌を守ると約束した・・・死んだって護ってみせる」


恐怖よりも萌を守らねばとの想いが先に立ち。


「俺の萌には一指たりとも触れさせない」


素手で立ちはだかるユージには、闘う術がないのでしょうか?

唯護るだけではいずれ・・・


「ユージ!闘って、前みたいに剣で!」


後ろから萌が叫びます。


「蒼き剣でわたしを護ってよ!ユージニアス!」


萌?


モエル?


今はどっちなの?




挿絵(By みてみん)




棘を放とうとしていたオードアクダーが、萌の言った名に動きを停めたのです。


「ユ・・・ユージニアスだと?

 まさか・・・こいつが?モエルの守護者ガーディアンだと言うのか?」


その名を知っているオードアクダーが、咄嗟にモエルの名までも呟いてしまったのです。


それがどんな意味を持つのか知りもしないで。




  ドクン



心臓が高鳴った。



「萌・・・モエル?」



 ドクン ドクン



高鳴りがどんどん大きくなってくる。



「モエル・・・翠の天使?いや、俺の宝?」



俺の中で何かが蠢いていたんだ。

身体の中で何かが目覚めようとしている・・・気がするんだ。


俺ではない誰かが・・・起きて来る。



もう・・・意識が・・・飛ぶ・・・




 ドクン ドクン ドクン




「俺のモエル・・・俺の護るべき者」


意識を失う時、口遊んだのは誰だったんだろう?




「我が剣よ・・・此処に集え!」


ユージが右手を開いて求めたのです。


そこにある筈の無い、自らの異能を示す属性魔剣を。


王者キングブレードよ、我の求めに応えよ!」


蒼き光がユージを包み込みました。

まるで魔法士であるアリシアみたいに。


その右手には剣らしきものが形成されて行くのです。

王者の剣・・・バスターソードよりも気高い剣が現れたのです。


黄金の柄、王銀の鍔。

そして蒼き光輝く両刀剣が出現しました!



「ばっ、馬鹿なッ?!ユージニアスだと言うのか?!」


オードアクダーは混乱の極みに成り果てました。

目にする事などあり得ないと言わんばかりに。


「蒼き貴族・・・蒼き血族・・・秘宝を護りし剣士が・・・何故ここに居るのだ?!」


驚愕はやがて恐怖になる・・・


「貴様が居るのはこんな錆びれた星なんかでは無い筈だぞ?!」


今の今迄勝ち誇っていたドアクダー怪人が、眼の色を変えて怯えたのです。


「それに秘宝の在処を示す地図モエルを、なぜ貴様が護るのだ?!」


ドアクダーは狼狽えるあまり、真実を叫んでしまったのです。


そう・・・萌やユージにだけ聞こえる訳ではないというのに。


剣戟を交えているアリシアにも聞こえていたというのに・・・


挿絵(By みてみん)

おおやぁ~?!


主人公まで変身してしまうのかい?


の、回でしたW


どうなるのかは・・・次回に!


次回 闘う少女 その3

あっさり?!ばっさり?!さすが・・・ドアクダー!!

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