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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
第2章 ブルーブラッド
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共同生活?!その3

3人は一つの家で暮らす事となりました。


共同生活・・・その準備に忙しい?



降って湧いたような両親の留守に、感謝するべきなんだろうか。

狭いアパートではなく、実家で過ごせるのはアリシアにとっても良い話だろう。




「ニャ?!この部屋を使っても良いニャか?」


アリシアの個室として宛がったのは、俺が居た部屋だった。

彼是半年の間、戻って来ていなかったけど、ベットや机なんかは前の通りだった。


アリシアに俺の個室を宛がったから、俺の寝場所を造らなきゃならなかった。


「ああ、好きなように使ってくれればいい。俺は親爺の書室で寝るから」


普段は親爺が本棚としていた書室を、俺の寝場所にした。

散乱する本を片付けると、どうやら布団を敷く事が出来た。


「ゆー兄ぃは二人の寝室で寝ないの?」


義理母や親爺が寝ている部屋を開かずの間にするのかと萌が訊いて来た。


「俺は嫌だね、親爺達が寝ていた部屋でなんて寝たくないから」


「そっか、そうだよね」


何と無く萌にも分って貰えたらしい。

二人が帰って来た時、使用された形跡が残っていたら勘ぐられちまうだろ?


「アルジのユージの部屋を使わせてくれるニャ?」


「そうだけど、俺の匂いが残っていて気になったのか?」


クンクン匂いを嗅いでいるアリシアを聞き咎めると。


「違うニャ。この匂い・・・どこかで嗅いだことがある様な気がしたニャ」


ふぬ?異星人のニャン子が嗅いだことのあるだって?


「確か・・・ニャン子星のどこかで・・・どこだっかニャ?」


俺はニャン子星なんかに行っていないぜ?

ニャン子なアリシアは、きっと似たような匂いを嗅いだことがあるだけだろ?


「ゆー兄ぃの匂いなのか、部屋に染み付いた汚れの匂いなのか。

 気になるんだったら消臭剤でも撒く?」


どっちにしても臭いって言ったようなもんだぜ萌よ。

アリシアに気を利かせたつもりだろうけど、俺の心は傷ついたよ。


「違うニャ萌たん。

 この匂い・・・ニャんだか懐かしい気がするんニャ」


部屋に入ってクンクン匂いの元を探すニャン子。


「どこから匂うんニャ?」


俺の部屋をあら捜しするのは辞めて貰いたいんだがなぁ。

まぁ、ここには探されたって恥ずかしいような物は何もないから良いけど。


「ゆー兄ぃ、アリシアはそのままで良いから、こっちを手伝ってよ」


萌は俺が寝る書室の片づけを手伝えって言って来た。

俺の部屋にするには片付けなきゃ手狭には違いない。


「ああ、分かった」


匂いの在処を探すアリシアをそのままにして、萌の手伝いに向かったんだ。


古代史を研究する親爺の本は、虫でも湧いているんじゃないかと思うくらい古めかしいモノばかりだった。

手で触るだけでも千切れてしまいそう。

何が書いてあるのか皆目見当のつかない文字ばかり。

偶に読めそうなものが有っても、親爺の手が加えられて何が何やらさっぱり見当がつかない有り様だ。



「ゆー兄ぃ、本当にここで寝泊まりする気なの?」


片付けをしてくれている萌が一休みして訊いて来たんだ。


「そうだけど、何か問題でもあるのか?」


「大ありだよゆー兄ぃ。

 勇人さんが帰って来たら、どう答える気なの?」


書室が片付けられていたのは何故か・・・って聞かれちまうだろうな。

だけど、それは端から分かっているんだ。


「あんまりにも汚いから、俺が整理しといたって言えば良いさ」


「そんなの勇人さんが納得すると思うの?」


あれ?いけなかったか。


「ゆー兄ぃが整理するなんて、勇人さんなら反対に何故だって言いかねないよ?」


「汚かったから・・・じゃぁ駄目なのか?」


こんなに散らかしてあるんだぜ?

肉親としてほっとけなかった・・・じゃぁ駄目なのか?


「ゆー兄ぃが片付けること自体、奇跡に近いと思うんだけどぉ?」


・・・むむ、俺が片付けに弱いのを見破っていたか。


「大体ねぇ、ゆー兄ぃ。

 アパートも掃除しない人が、実家の書室を整理できると思うのかな?」


「うッ?!」


そうだった・・・俺とした事が。

普段から掃除や片付けに弱いのを忘れていたぜ。


「ふふ~ん!いつもアタシが掃除に行っていたのを感謝するのね!」


これ見よがしに萌が威張りやがった。


「だからねゆー兄ぃ。

 二人が戻って来る迄の間、いつも通りに過ごしていたら良いんだよ。

 そうすればきっと汚れちゃうんだから」


あのね、萌君。

その言い分だと、俺が害虫みたいじゃないか?


ブスッと黙り込む俺に、萌がクスッと笑うと。


「嘘だよゆー兄ぃ。ちゃんと掃除するからアタシが」


大方片付けの終えた書室を観て、萌が納得顔で言うんだよ。

まるで母親みたいな口ぶりで、俺に心配ないからとウィンクしたんだ。



「ニャニャンニャァ~~~ン(^^♪」


突然アリシアの歌声が聞こえて来た。


「ニャ~~~~んニャニャにゃ~~」


なんだか・・・ラりってないか?


急に大声で歌い出しニャン子に、萌も眉を顰める。


「ここは地上の楽園ニャ~~~」


なんだかおかしい?


「こんなものが此処にあるニャンてぇ~~~」


ニャン子に何があったんだ?


俺と萌は顔を見合わすと、急いで俺の部屋だった処へ駆けつける・・・と。


そこには?!



「ニャッはぁ~~~ん!麻薬だったニョか?

 これに入ってたのわぁ~~~~ニャ」


紅く頬を染めて・・・ニャン子がラりっていたんだ。


「なにかあったのアリシア?」


まるで酔っ払いのようなニャン子に、萌が聞き咎めるが。


「これに入っていたのが匂いの元ニャ。

 それで・・・確かめようとしたら蓋が固くて。

 引っこ抜いたら中身をかぶったんニャ・・・・」


え?!


俺と萌はアリシアの持っている缶に目を向けると、そこに書かれてあったのは。


「あ?!それは・・・マタタビ」


学術調査に赴いた親爺が、珍しいモノだと俺にくれたんだっけ。

俺にはどうでもいいような物だったけど、捨てるのもどうでもよくておざなりにしてあったヤツだ。


どこかの名産品なのか知らないけど、猫じゃらしに使えるらしい。

・・・そう言っていたっけ親爺の奴が。


「それって、マタタビじゃないの?」


萌も缶の存在を知らなかったみたいだ。

まぁ、俺も忘れていたぐらいだからしょうがないけどね。


「そう・・・マタタビだよ萌。

 猫にとっては麻薬にも等しいと聞いた事があるんだが・・・まさかね」


俺の前でへべれけになってるアリシアを観て、本当に猫娘だと確信したよ。


「マタタビとはニャンですか?これはニャン子星だと違法薬物ニャんだニョ」


真っ赤な顔になっているアリシアが、まるで猫のように丸まって缶を抱いているんですけど?


「こんなモノをアルジのユージが持っていたニャンて・・・逮捕ニャ」


逮捕とか言いながら缶を放そうとはしていませんが?


「ニャン・・・ニャニャニャ~~~ん」


ラりってるよ・・・ニャン子は。


酔っ払い・・・とは違って、錯乱しているみたいだ。


このままでは収拾が着かんな。


「アリシア・・・気分がよさそうね?」


「うむ・・・唯の猫だったようだな」


ポカンとニャン子を観てる俺と萌。

鼻歌を歌い続ける猫娘。



こうして俺達の共同生活が始まったんだが、前途多難に思えるのは俺だけだろうか?








この地球には、未だに不可解な文明の跡が残されている。

ロストワールド・・・有史以前にあったという異文化世界。


現実離れした遺跡が、各国に残されているのをご存じだろうか。

地質学者が否定しても、考古学者は究明しようとする。


埋もれた遺跡の中には、数万年も昔の文明を示唆している物があるらしい。


埋蔵された文化財には、有り得べからぬ物質を秘めた物さえも。


黄金の装飾・・・綺麗な宝石を散りばめた王冠。


王たる者が居た証だという。


でも待ってください。

数万年前に王国なんて存在しえたのでしょうか?


それに黄金を如何にして抽出したというのでしょう?


それには金属の性質を知っている者の存在を知らしめているのですよ?

金鉱脈をどうやって見つけた?高温の溶鉱炉をどうやって作り得た?

更には溶かした黄金を、細工し得たというのでしょう?


世界には未だに分からない文明があったのは間違いありません。


その文明は誰が築き得た?

どうやって知識を得られたのか?


ある者は古代史の謎に迫ろうと研究を続けます。

また、とある人物は惑星外生命体の来訪が齎したのではないかと断じます。



そう・・・地球外生命体の来訪。


高度な知識を授けたのは、宇宙人では無かったのか。

文明も持たない人類の祖先に、何者かが授けたのではなかったのか。


それは神にも似た存在だったのかもしれません。


宇宙から飛来した者に因って、祖先達が成し得たのは何だったのでしょう。



宇宙から齎されたのは文明だけでは無かった筈です。

そこにはきっと数知れない物語があった筈なのです。


人類の祖先達にも、来訪者達にも。



ですが物語は未だに終わっていないのです。

文明を齎したのが希望だとしたら、文明を終わらせた悪夢も居るからです。



嘗て栄華を誇った文明が潰えても、人類は生き残りました。


生き残った者達の中に、古来の異星人が残されていたとしたら?


いいえ、数万年も生き続けれる者は居ないでしょう。


異星人だった記憶も薄れ、地上人類と混合したかもしれません。

姿形は同じでも、流れる血は別の人類。

その血脈の子が残されていたのなら?


未だに来訪者の物語が続いているとも言えます。



もしもあなたがその内の一人だったら?


気が付かなくても、あなたの中に流れているのが異人類の血脈だとしたら?



嘗て人類に英知を齎した異星人がアナタの祖先だったら?




その血脈を知る者達が、ほっておく訳がありません。


あなたを虜にしてビジネスを行う筈だからです。

この星の上でも、惑星外の者達に対しても・・・



あなたは切り札になり得るのですから。



そう、悪意の者には・・・あなたこそが<商品>なのですから。


これで新たなる準備が整ったようです。


ユージ達はここを拠点にして保安官探しに邁進する?


いいえ、普通にしていたら相手のほうが寄ってくるみたいです。


普段通りでも非日常?

ええ、ニャン子が居るのですからね・・・


次回 思惑 その1

3人三様。思いはそれぞれ。ユージは新たな生活に順応できるでしょうか?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 若い男女三人のひとつ屋根の下生活いけにゃいにゃ! 危険な香りにゃよ!シャー ฅ(`ꈊ´ฅ)
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