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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
第2章 ブルーブラッド
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共同生活?!その1

挿絵(By みてみん)


ブルーブラッド・・・・貴族を意味するスラング。


それは一体誰を指すのか?

明日は日曜日だ。


もう直ぐ差し迫った問題を解決しなきゃならない。




傍で落ち着かない様子を見せているのは義理妹もえ

そのまた横に居るニャン子なアリシアを恨めしそうな目で観てやがるんだ。


「だからぁ~、帰るのは良いけどぉ。

 アリシアはこのままゆー兄ぃの処に居るんだよね?」


さっきから何度同じ質問をすれば気が済むんだ?


モジモジしつつも、恨めしそうに訊いて来る萌に何度目かの答えを言う羽目になる。


「そうだって言ってるじゃないか。

 アリシアを放り出すなんて出来ない相談だろ?」


そうだよ、萌も判ってる癖に。

機動少女がこれからも俺には必要になっちまったんだから。

それに、アリシアとの契約もあるんだからさ。


「そ、そうだけどさ。

 二人っきりにしてはおけないもん・・・」


ごねる萌を宥める事、約1時間。

何度も言ってるのに納得しないのは何故だ?!


「前科がある訳じゃないだろーが?

 俺は下僕に手を出す程馬鹿じゃねぇよ」


これも何回も言った。


「シクシク・・・下僕ニャか」


その度にアリシアが落ち込むのも見慣れてしまった。


「大体だな、萌が帰宅すれば良い話じゃないか。

 親爺に頼んでみたらどうなんだよ、アパートに住み込みたいって」


「認める筈がないでしょ!アメリア母さんだって認めないだろうし!」


困った事に萌は俺と住みたいと駄々を捏ねたんだ。

アリシアに対する監視の意味もあるんだろうが、俺と一晩居ただけで離れ難くなったのか?


「もしもゆー兄ぃが嫌だって言うのなら・・・ゆー兄ぃを連れ戻すから」


はぁッ?!

今更実家へなんて戻れるもんか。


「どぅ?どっちが良いの、ゆー兄ぃ?」


萌と暮らすのも実家に帰るのも、どっちもお断りだ。


「ふむ・・・アタシはどっちでも良いニャ」


駄々捏ね萌に、横からアリシアが余計なことを言いやがった。


「実家に帰ったらアリシアはアパートで独りぼっちになるんだぜ?

 そうなったら誰が食事を造る?誰が保安官を探す手伝いをするんだよ?」


「悲ニャァ?!そうだったニャ!」


阿保猫は置いといて、こっちの死活問題だよ。

あんな家庭に戻るなんてまっぴらだ。


「妥協案は無いニャか?萌たんの納得出来る方法がある筈ニャ」


「無い!」


きっぱり言い切りやがった。


「損ニャァ?!」


損です。損過ぎますよ俺にとっては。


「どうのこうの言ってたら門限になっちゃうよ?

 どうするのか今、はっきりと言ってよ」


ううむ・・・重大問題を解決しなければ。


此処は親爺に直談判するしかないようだ。

このままじゃぁ、萌がゴネて帰りやがらないだろう。

そうなったらどのみち俺はアパートを引き上げざるを得なくなる。


親爺とアメリアさんを説得できるかが鍵だな。


その際、ニャン子の話はどう言ったら良いんだろう?

人外な娘を連れて行くのか?

その前に、親爺とアメリアさんが見ず知らずの娘を泊めることに納得するだろうか?


「まぁ・・・グチグチ考えてても埒が明かんのは間違いない」


こうなったら駄目元で説得してみるより方法が無さそうだ。


「決めた?どうする気なのよ?」


萌がせっついて来る。


「おう!決めたぜ。これから・・・」


実家へ帰って説得する・・・そう言おうとした矢先だった。




 プルル



俺のスマホが着信音を奏でた。

話を折られた俺が通話相手を観てみると。


「なんだよ・・・親爺か」


表示された相手は勇人ゆうと・・・俺の親爺からだ。


「俺だけど?」


オレオレ詐欺じゃないぜ。向こうからかかって来たんだからな。


「「そこに萌は居るのか?」」


「ああ、今帰らせようと・・・」


答える俺を遮ったのは親爺の一言だった。


「「送って来い・・・今直ぐにだ。

  お前と萌に話がある・・・家までちゃんと送って来い」」


なんだと?先手を打って来たのか?

もしかしたら昼間のSMSを観やがったのか?


だとしたら・・・絶望的だよな。


「「アメリアと待っているからな、早く来い」」


そう言うだけ言って、親爺は切りやがった。


糞ッ!なんでこうなる?


「なんだか・・・ヤバそう?」


萌が察知して訊いて来たんだが、どう答えて良いのか。


「話があるそうだ。親爺の奴が待ってるんだと」


「え?!・・・どうしよう?」


可愛そうなぐらい萌が塞ぎ込んじまった。

こっちから切り出す前に、親爺にパンチを喰らったようなもんだ。


「あニャ?どうかしたニョか?」


話が飲み込めないアリシアが不思議そうに訊いて来た。

その屈託のない顔を見て、俺は決断を迫られる。


アリシアを連れて行くべきか・・・残していくべきか?


これ以上話をややこしくさせない為には、無理に連れて行くのは結果が知れる。

だが、ニャン子をこのままにしておいてもついて来るかも知れない。


だとしたら・・・



「アリシアに命ずる!

 機動戦闘の準備を為せ!」


「は・・・ぃいいニャぁ?」


俺がニャン子アリシアに発動を促す。

主人たる俺が、下僕の娘に発した訳は。


機動少女のアリシアになら話せば分かるだろうし、機動少女を解除したら眠りこけるだろうから。


「せ、戦闘ニャ?どこにドアクダーが居るニャ?」


慌てるニャン子が、金の円環を装備すると。


「アルジのユージ、装備したニャ!」


きょろきょろしながら俺の前に来る。


ふむ・・・確か。このボタンだったよな?

緑色に発光している機動変身ボタンに指を伸ばして・・・


「うむ・・・お休みアリシア」


ポチっとな。


「うニョ?!」


嘘・・・って、言いたかったらしいけど。

俺はボタンを押し込んだんだよ。


 

 ブゥン!



機械音が流れた後・・・俺の前に居るのは。


あるじ・・・知恵が回ったわね」


長い髪を靡かせる機動少女(アリシアに変わっていたんだ。


「あ・・・ゆー兄ぃ?何故強制変身させたの?」


萌には何故なのかが分っちゃいないようだな。


「機動少女に一旦なったら、変身を解いても寝る筈だろ?」


「あ・・・そっか。そうなったら実家に連れて行かずに済むって?」


御明察。


「ニャン子なアタシを巧く利用出来るようになられましたね。流石アルジ」


変な処で褒めて貰っちゃ困るんだが。


「アリシアには迷惑だったろうけど、経緯を理解して欲しいんだ」


「重々承知しておりますわあるじ

 お二人だけで大丈夫ですの?」


大丈夫かは行ってみないと分からないよ。


「いいえ、御両親とのお話しではなく。

 ドアクダーが迫って来たら・・・ですよ?」


成る程・・・


「でしたら・・・これをお持ちください」


変身したアリシアが手を拡げて差し出すと。




 ポゥ・・・



手の平の上に何かの装置が現れた。


「それは?」


萌も興味を惹かれたらしく即座に訊いたんだ。


「これは・・・御主人と萌様を御守りする秘密道具です。

 ドアクダーが迫ったと分れば、直ちにアタシを呼びつけれますから」


それは・・・確かに便利だな。


「これをお渡しいたしますね」


俺の手に受け取らせたアリシアが、クスッと笑うと。


「さぁ、これよりはドアクダーよりも手強い相手との一騎打ちでしょう?

 きっと上首尾に終わられますよう・・・願っております」



俺達を心配してくれているのか、応援してくれているアリシアに。


「ああ。巧くいくと良いんだけどね。こればっかりは正直分かんねぇよ」


笑顔で送り出されるのが、こんなにも力強いとは知らなかった・・・

機動少女アリシアに借りが出来ちまったな。


「じゃぁ・・・ニャン子を寝かしつけておいてくれ。

 ベットに横になってから解除してくれよ」


「はい・・・行ってらっしゃいませ」


軽くお辞儀するアリシア。

この前から、俺に対する態度が慇懃になったのは気の所為かな?


ま・・・下僕しもべだからか?俺は何も主人面する気は無いんだけど。



「じゃぁ萌、これから決戦だぜ?」


「うん・・・ゆー兄ぃに任せるよ」


俺と萌は実家で待つ強敵に向かう。

これからの生活を賭けて、説得を試みるんだ!


難しいとは思うけどね?!



アルジのユージ。

野良 有次はニャン子星で謂う所の?


普通の高校生だと言い張っていたユージは、最早普通じゃないですよね。

だってニャン子が下僕なんですから。


これよりやっと戦闘少女が出てくるようです


次回 共同生活?!その2

問題発生!!萌たんのピンチか?違うようですね・・・

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