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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
邂逅の章 堕ちて来たのはニャン子?!
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これが機動少女の威力なのか? その1

送り狼?


いえいえ。

ドアクダー襲来ですW

まさかの事態に直面する事になった俺達。


こっちから仕掛ける予定だったのに、先手を取られちまった。


尤も、奴にもこちらの情報が掴めてはいないと思うのだが。



「間も無く土安が来るとしてだ。

 アリシアは隠れてくれていた方が良いのかもしれないな」


ちょっと考えを纏めてから呟いたんだ。


「え?何故なのよゆー兄ぃ?」


喰いついたのは萌だった。


「ドアクダーがのこのこ来るんだよ?さっさと捕まえちゃえばいいのに」


そう。

そこが問題でもあるんだ。


「待てよ萌、良く考えてくれよ。

 保安官の居場所さえ分からないアリシアには逮捕なんて出来ないんだぜ?」


「そ、そうだったね」


忘れちゃいなかったみたいだな。


「それと・・・だな。

 アイツが手の内を明かさない限りは、アリシア自身を危険に晒したくない。

 こちらにとっての切り札を明かす必要はないだろ?」


「ふむ・・・ジョーカーって訳ねアリシアは」


・・・ちょっと違うんじゃねぇか?


「ジョーカーかどうかは判らんが。

 此処にアリシアが居ると分らせるのは、アイツが先に手を出した後で良いんじゃねぇかな」


「つまり、相手が先に手を晒すのを待つ訳ね」


そう!やれば出来る子だったか萌。


「その通り。

 奴が教師の仮面をかなぐり捨てやがった時にだけ、アリシアの出番が回って来るのさ」


「そっかぁ~、やれば出来る子だったんだねぇゆー兄ぃも」


変な処で感心するな萌。


「じゃぁ、アタシは隠れてればいいニョか?」


「ああ、出番は俺が教えるからさ。それまで待機しててくれ」


そうさ、アリシアの出番があればね。


「じゃ、アタシはどうすれば良いの?」


「う~ん。取り敢えずベットで横になっておけば良いんじゃね?」


早退したんだから、寝てるカッコをしておくべきだよな?


「つまんなぁ~い」


いや、だからさ。カッコだけしとけば?


俺が有無を言わさぬ目で睨みつけてやると、萌はしぶしぶ玄関傍で寝そべりやがった。


「おい・・・こんな処で寝るなよ」


「だってぇ、こうやっとく方がリアルでしょ?」


・・・なにがどうリアルなんだ?


「帰って来てその場で倒れ込んだ・・・」


「やめんか」


この状況を楽しんでいないか萌は?


「萌たん・・・楽しそうニャ?」


ほら。アリシアも悟ったぞ?!だからさっさとベットで寝てろよ。


そう言おうとした矢先だ。




 ピンポ~ン!




玄関のインターホンが鳴ったんだ。


「うわっ?!もう来やがった」


こうなりゃ余裕も糞も無い。

慌ててインターホンの画像を確認する・・・と。


「敵もさるもの・・・か」


画面には土安かと思える人影は映ってはいたんだが、本人は死角に入って観えていない。


「こりゃぁ、アイツも待ち構えていると踏んでる様だね」


寝てろって言ったばかりの萌が俺の横に来て言うんだ。

確かにこうなりゃ、イチかバチかになったのかもしれない。


「よし、アイツがその気ならこっちだって!」


性根を決めた俺が、萌を後ろにしてインタコムのボタンを押したんだ。


「はい、野良ですけど?」


さも誰か分からないと言った風に呼んでみた。

いきなり玄関を開けるんじゃなく、マイクで呼び出したんだ。


その訳は・・・


「あ、やっぱりドアクダーの奴だ」


モニターを観ている萌に言った通り。

俺は相手が答えるには、インターフォンに備えられているカメラ視界に収まると読んでいたんだ。

俺の考えた通り、奴は仕方なくかどうかは分からないけど、視野に収まってくれたよ。


「「東雲高校教師土安ですが・・・」」


正直、奴がドアクダーだとは思うけど、こうもあっさり出られると調子が狂う。


「「こちらに野良 萌君が来て居られますよね」」


分かってるんなら何故来たんだ・・・ってツッコミたいが。


「はい、連れて帰ったんですけど・・・なにか?」


答えてから萌に目配せする。

開けるからそこを退けってね。


萌が玄関から退くと、開錠してゆっくりドアを開く。

勿論チェーンは掛けたままの状態で・・・だ。


「今、開けますよ」


敵との対面が、こんなにもドキドキするとは考えてなかったよ。

まるでトリック劇の主人公になったみたいだ。


もしかすると、相手は強硬手段に出るんじゃないかと。

下手をすれば異星人の手で、とんでもないことになりはしないのか・・・と。


「ええ・・・萌君が居られるのならあの子は?」


モニターでは無く、玄関を通して直に声が届いた。

そう・・・直に聞こえた。


「あなたと一緒に居た保安官補助手は、どちらに居られるんでしょうねぇ」


土安の声が。

いいや、秘密結社要員ドアクダーの声が!


ドアを開けた時、まだチェーンがかかっていたんだ。


その防犯チェーンが・・・アッと思う間に。



 バッチン!



金切りばさみの化け物みたいなのであっさりと断ち切られてしまう様を、

まるで悪夢のように観てしまったんだ・・・俺の眼が。


「あ?!」


俺は自分達が相手にしている存在を嘗めていたのかもしれない。

相手が異星人で、しかも犯罪組織だってことも理解してなかった。


不気味な鋏を持った手が、ドアをこじ開けようとしている。

いいや、よくよく見たら鋏と思えたのは・・・・


「バケモンかお前は!」


土安の手、そのものが鋏になってやがったんだ。


「化け物ですか?

 まぁ、この星の知能では分からないかと思いますがね。

 私の躰はどんな物にも変えられるのですよ・・・この姿の持ち主にだってね」


「な・・・なんだと?!」


頭の端でどこかのターミネーターとが重なった。


形状記憶合金・・・チタン化合物・・・誰かが話してたっけかな。

確か・・・アリシアも飲み物の話で言ってたような。


映画だけの空想産物だと思い込んでいた俺に、土安だったバケモンが言いやがったんだ。

これは空想でもなんでもない・・・現実だって。


「ここに萌君が居るんでしょ?

 私が必要なのは人質になって貰える女の子。

 貴方じゃありませんからね・・・必要のないモノは排除しますから」


排除だって?俺を・・・か?


「保安官なんかが出張って来られたら堪りませんからねぇ。

 万が一に備えて人質を獲っておく事にしたのですよ」


わざわざ説明してくれてありがとさん・・・なんて、余裕こいてる場合じゃないッ!

目の前には凶悪な鋏が俺を切り裂こうとして居やがるんだぜ?


「勝手なことを言うんじゃねぇ!誰がお前なんかに」


斬られてやるもんか・・・って言いたいんだけど。


「いやいや、斬るのではなく・・・死んで貰うんですけどねぇ」


凶悪な鋏で・・・バッサリ?


「この星の原住民は察しが悪くていけませんね。

 安心してください、事が済んだら妹さんもあの世へ送ってあげますから」


冗談言ってろよ、この侵略者。

誰がバッサリ斬られてやるもんか。


「それじゃぁ・・・覚悟完了?」


するかッ!


考えただけでも理不尽過ぎるだろーが!


目の前でシザーハンドがカチャカチャ音をたてている。

土安だった優男の顔が醜く変わる。


こいつの本性がどんな奴なのか、想像すら出来ないけど。

きっと悍ましい顔つきに違いないな。


「ゆ、ゆー兄ぃ?!」


萌は脚が竦んでしまったらしい。

声を張り上げるのがやっとなんだろう。


「居ましたね・・・萌君。

 あなたは事が済むまでは殺しませんから喜びなさい」


悪魔のような声が萌に贈られちまった。

今の今迄、ドアクダーをやっつけようとか言っていた萌に、恐怖を植え付けやがったんだ。


「許せない・・・お前は萌を怖がらせちまったんだぞ!」


俺を殺そうとする前に、萌を怖がらせたこいつが・・・許せないのだ。


「ほぅ?赦せないですって。この私に向かって言えるのですか」


鋏が一頻りカチャカチャ金属音かなおとを奏でる。


「だったら・・・こうしてあげましょうかね」



 ヒュン



何が起きたのか分からなかった。

でも・・・



 ツツゥ~



痛みと共に左手に流れた血を見せられて。


「くっ?!」


鋏の端が俺を打ったんだと分かった。


「どうですか?良く斬れるでしょ?」


ドアクダーの怪人が、俺を嘲やがった。

怒りより恐怖が勝る所だけど、俺には感じられなかったよ。

俺を殺そうとしてるこいつは、もっと大事なことに手を出そうとしてやがるから。


「それがどうした?

 お前は萌を怖がらせちまったんだぞ。

 お前は・・・俺の禁忌に触れちまったんだ!」


俺の中で開けてはならない扉が軋み出したのを停められなくしたんだ。


そう・・・昔のように。


「ゆー兄ぃ?!」


けど、萌の声が正気に戻してくれた。


「もう・・・やっちゃおうよ」


・・・あ。


「アリシアが何か言ってるよ?」


・・・存在すら忘れてた。


「そうだ!アリシアのライトサーベルで・・・」


俺はこの時ほど異星人の技術を求めた時はないよ。


「なんだかアリシアの様子が変だけど?

 それにいつの間にか赤い服に着替えてるんだけど?」


紅い服?

ああ、洗濯機から取り出せたのか?




挿絵(By みてみん)




怒りの感情が消えた俺に、萌の声が教えてくれたんだ。

アリシアはやる気になったんだって・・・


「アリシアが小声で訊いてるよ、出番だと言うニャ~って」


・・・そうか!


じゃぁ・・・


「出番だアリシア!

 こいつをぶっとばしてくれ!」


俺は初めてニャン子娘に命じたんだ。

いや、正確には頼んだと云う方が良いのかもな。


奥に控えて待っていた・・・真打に。



「はいニャぁッ!」



飛び出して来た赤毛のニャン子。

燃えるような赤髪の・・・機動少女に頼んだんだ!



遂に!

敵が出てまいりました・・・って?

シザーハンズかよおっさん。


昔映画で「ターミネーター」ってありましたよね。

そこに出てくる悪役ターミネーターが、いろんな形に変わったのを思い出しました。

形状変形合金、そして液状になっても知能がある・・・

恐るべき未来の機械・・・


さぁ!いよいよです!

最初の戦いの幕が・・・開くのでしょうか?


次回 これが機動少女の威力なのか? その2

行け!機動少女!!闘えッ!ニャン子娘アリシア?!

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