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靴泥棒

「土足厳禁です。わるいけどスリッパに履き替えてくれなはれ」

出迎えの幸森が招待客に声を掛ける。

スキンヘッドで大柄の爺さんも、今日はスーツ。

怖い筋の人に見えてしまう。


ファミレスに2階がついている位の規模。

1階には、最新のリハビリ用のマシンが並んでいた。

2階が食堂。パーティ会場だ。


「ジュンちゃん、よお来てくれたな。背広着てこんでも良かったのに。

婿さんも付き添いで来てくれはってんな」

幸森は吉村達に親しげに声を掛けている。

「ケンも大変やなあ。また仕事が増えたなあ。結局村に残ってる者が使われるな」

吉村は、幸森の肩を揉むような仕草。


「あの2人、仲良しなのか?」

聖は薫に聞く。

「近所やからな。幼なじみやろ」

「成る程。幸森の爺さんは此処のオーナー?」

「ちがうやろ。親族に現場管理させられてるんや」


「13組の皆さん、近々、介護認定して貰ったら、ぜひ、お越し下さい」

幸森の短い挨拶で食事会はスタート。


招待客は他に13組の老人達が7人。

皆、普段着。家が近いから上下ジャージの部屋着も居る。


ケアハウスの施設長は40代の痩せた男で

これも名字は<幸森>


「こうもりケアハウスは年明けにオープンいたします。ヨシムラさんの力添えで本日は『岩切観光ホテル』のランチバイキングをご用意しました。どうぞ森を眺めながらお召し上がり下さい。アルコールも一通り、揃っております」

施設長の挨拶も手短。


4人掛けのテーブルが7つある。

そこに12人、ゆったり座れた。

聖と薫は窓際のテーブルに。

皆顔見知り。改まった挨拶は無用。ひたすら食べるだけのパーティとなる。


寿司、ピザ、カルパッチョ、牡蠣フライ、フグの刺身に鰻の蒲焼き、なんでも有りのメニュー。


「セイ、年寄りの集まりにしては量が多いな」

「うん。多すぎる」

「吉村の婿養子が、高いコース売りつけたんかな」

「ま、いいじゃん。遠慮無く沢山食べたよう」

「しやな。おっ、シェフ登場や。ステーキ焼き始めたで」

「贅沢だね……こっちは一面ガラスか。森を眺める構造なんだ」

「反対側は山で正面は墓地やからな」

「古い墓地だったような」

「神流家の墓は無いやろ?」

「うちの墓は吉野の寺。1回だけ来た、あの時、墓地までは行ってないよね」

「うん。なあ、森と墓地の間に、何か無かったか?……ボロい小屋があったような」

「小屋?……あったっけ?」

「無かったか? 俺の記憶違いか……いや、たしかに……クソ、思い出されへん」

 (どうでもいいじゃん、今は御馳走食べよう)

 口に出す前に、聖は思い出した。

 森の反対側に辿り付いて、目に入ったのは不気味な景色だったと。


「あったよ。ボロ小屋が。壁を蔦が覆い隠していて……その後ろには古い、黒い墓石がずらっと。並んでこっちを見下ろしてるみたいで……気味が悪かったんだ。カオルが昔の火葬場と言うから、余計怖くて走って帰ったんだよ」

「そうやった。焼き場や。俺の記憶は正しかった」

 薫は気が済んだのか視線は料理が並ぶ方へ。


 すると、隣のテーブルから

「ちゃうで」

楠酒店の婆さんの声が飛んできた。

「焼き場はな、墓地の中にあってん。建物ちゃう。穴や。簡単な雨よけがあるだけ。

此処に建ってたんはな、公民館やで。戦後に建てた公民館や」

と、正解を教えてくれた。


「そうか。あれは公民館やったんか。あ、肉焼けたみたいや。ゲットしてくる」

 薫の関心は御馳走に戻った。 


1時間が過ぎた頃

「デザートをお持ちしました。ケーキとフルーツ、アイスクリームもございます」

女性スタッフのアナウンス。

 

「ゼザートを失念してた。しもた。俺もう喰えんかも」

 言葉と裏腹に、薫は全種5個のケーキとアイスクリームを取ってくる。


「無理でしょ。俺が少し手伝う」

 聖は薫のトレイに手を伸ばす。


「やめて。自分の分は自分で取りに行き」

「絶対無理だって。どれだけ食べたと思ってるの?」

 しょーもない会話に

 (吉村の)婿の声が混じる

 大きな声だ。


「全部伐採して芝生の公園にするべきですよ。真ん中に道を通すんです。平地、そう広くない。幸森建設でおやりになったらいいじゃないですか」

すぐ側に立ち、森を指差していた。


話している相手は吉村と幸森の爺さん。


「まあ、しやけどな。ワシは何とも言えんわ。ワシの森ちゃうし、ワシのケアハウスちゃうからな」

と、幸森。

「けど、本家なんでしょ? 決定権、あるんじゃないですか。幸森と吉村の本家で決めたらいいじゃないですか」

(吉村)婿は、何でだが、しつこい。


「ジュンちゃんは手放したり、せえへんやろ。ご先祖様がわざわざ作った森やからな」

幸森は百年森を見つめて呟いた。


「わざわざ……なんで作ったか知らんけどな。

初めから『はいれずの森』やったのかも何にも知らん。そんな私がどうこう出来ない」

 吉村の視線も森に留まっている。


「お義父さん、『触らぬ神に祟り無し』ってことですか? 『はいれずの森』を保存しとくおつもり、ですか? そのうちユーチューバーが嗅ぎ付けて心霊スポットになりますよ、そしたらケアハウスも具合悪いんちゃいますか? 現状では森はリスクでしか無い」

 

婿はヒートアップ。まるで強引な訪問販売員。

 大きな声は皆に届いている。

 13組の老人達は聞こえぬふりをしている。

 

<はいれずの森>ごときで何を喚いている、と思ってる。

 <首斬り紀一朗(その八登場)>に比べたら屁でも無いと。

 だが口には出さない。

吉村純一郎は、かつて(娘の縁談に障る故、狂人紀一朗の事は他言しないで欲しい)

と、13組の皆に頭を下げた。

この婿は、吉村家の黒歴史を知らない。

下手に話に入れば吉村を不安がらせる。


聖は、この男に嫌悪感が湧いてきた。

<首斬り紀一朗>より怖いかも。

岩切山観光ホテルのバス事故(その十)に関わっている。

復讐大量殺人プランのアドバイスを楽しんでいた男。

法で裁かれないポジションで。ゲーム感覚で。

19人の大量死は今もネットに数多く上がっている。

悲惨な事故ランキングに入っている。

事故現場には命日に遺族が花を供えているだろう。

そっちのが、心霊スポットじゃないか。

小さな集落の年寄りしか知らない<はいれずの森>を、なぜそんなに忌むのか?


「ヨシムラさん、自分が、ちょこっとだけ、森の中で遊ぶのは、許可して貰えるかしら?」

薫が突然話に入った。

低い声だがドスがきいている。

婿はビクッとして口を閉ざした。


「へっ?……カオル君が森へ入るってコト?」

吉村はカオルの隣に腰を下ろした。

幸森もその隣に座る。

「オープンは年明け、言うたはったね。大晦日に、この森でサバゲーしたいなあと、言うてたんです。なあ、セイ。したいやんな」

薫はキラキラした目で聖を見る。

「うん」

としか、言いようが無い。


「サバゲー? ああ、そうかあ……ジュンちゃん、この子ら、エアガンで戦いごっこ、したいんやて。森の中でやて」

幸森は吉村の肩を、ぽんぽん叩いた。

意外な申し出を面白がっている。


「……へえ。サバゲー、とはね。この森に、そんな使い道があるんですか。カオル君とセイ君が森の中へ入る、そしたら『入れずの森』では無くなるね。それは良い話みたいやね」

吉村は嬉しそうだ。


「安全には充分配慮いたします。森の外向けて打たない限り、ケアハウスにも13組の方々のお屋敷にも弾は届きません。それから、弾はバイオBB弾使います。生分解性プラスチック。2~3年で自然に還る弾です。ホンで日没から年明けまで夜戦しいたいなあと」

薫はことさらに声が大きい。

13組の老人達に聞かせている。

反対があれば、今言うだろうと計算しての事。


「カオル君、セイちゃんとタイマンで戦うんか? 面白そうやな」

湯本の爺さん(80代、柿畑所有。農作業現役)が話に入って来た。


「2人はショボいですやん。2対2、それぞれに犬一匹ずつですかな」

(へっ、そうなんだ)

聖は薫のプランが、見えてきた。


「霊園のイケメンと、カオルちゃんが単車の後ろに乗せてた、おっきな子。その4人やな。ほんでトラとシロか」

楠酒店の婆さんも、サバゲーのメンツが想定できたらしい。


「面白そうやな。見物に来たいけど大晦日ではワシは無理やな。

お寺に除夜の鐘付きにいかなアカン。ジュンちゃんも残念やけど、鐘突きやで」

と、幸森。

「見物は無理やね。……カオル君、チーム編成、参加者の装備、タイムテーブルが決まったら私に報告しなさい」

 吉村は急に教師口調。


「……なんで、ですやろ?」

 なんで? と聖も問いたかった。

 許可はするが、要詳細報告なの?

 

「どっちが勝つかケンと賭けるから」

吉村から想定外の答えが返ってきた


「へ? 賭けるん、でっか」

 薫の声は裏返ってる。

 次に皆がざわついた。

湯本の爺さんが

「ワシも、その賭けにいれて」

と言いだし、続いて楠の婆さんが

「私は、霊園のイケメンのチームに賭ける」

などと。

他の13組の老人達も口々に

(やっぱカオルが居る方やろ)

(カオルの、大きな友達、見たこと無いんか? あの子が最強やで)

(プロレスちゃうで。身体の大きさは関係無いねんで)

(ワシはトラのチームに賭けるで)

 どっちに賭けるか盛り上がっている。

 皆、酒が入っている。赤い顔して大きな声……テンション高い。


吉村の婿養子は……しょうもない話題で盛り上がっている場で、

ただ1人酒も飲めず(車の運転がある)話に入れず、所在なく突っ立っている。

窓の外、オレンジ色に染まり始めた森を眺めている。


聖はこの男を盗み見た。

身長は175センチ位(聖と薫より少し低い)。

年は自分より2、3才上か。

筋肉質の身体に贅肉がつき始めて腹が出ている。

頬骨の目立つ顔。

眉も鼻筋も太い。そして目は細く。唇の薄い小さな口。


バーバリーらしきシャツに紺のジャケット。

オシャレだけど、急に太ったのか窮屈そう。

 

「あ、そうだ。キミには名刺渡してなかったな」

 視線に感づいたのか、寄ってきた。

 

 企業経営アドバイザー

 吉村克己

 

(あいにく今日は名刺を持たずに来ました)

 聖が言うより先に

「いつでも相談に乗るよ」

 それだけ言うと、スタスタと幸森の後ろに移動した。

 耳元で何か囁いている。


「もうこんな時間か。うっかりしてた。コースはとっくに終了してたんか。お開きやな」

 幸森は立ち上がり、

「陽が暮れかかってるな。じきに暗なる。気を付けて帰りなはれや」

 その場で終了の挨拶。


 薫と聖は一番に玄関に降りた。

「セイ、ユウトにラインした。酒屋まで迎えに来てくれる。待たせたら悪い。急ぐで」

「え? 今5時前だよ。まだ霊園の営業時間でしょ。マズくないの?」

「事務所番は熊さんがしてる。はよ帰ろ。4人でサバゲーの相談や」

 薫は嬉しそうに言う。


 外へ出れば

「セイ、走るで」

 徒競走なみの真剣な走り。

 聖はついて行けない。

 革靴ではとても無理。

 薫は革靴で走るのに慣れているのか。


 桜木悠斗は犬2匹と一緒に迎えに来ていた。

「事務所閉めたら鈴森さんとスーパーに買い出しに行きます。

トラたちとセイさんとこで、待っていて下さい」

 

「トラ、シロ、酒臭いオッサンが来たで」

 薫は犬と一緒の後部座席に乗り込んだ。


「あれ?」

 ルームミラーを見ながら悠斗が呟く。

 吐息のような微かな呟きだけど、助手席の聖には聞こえた。

「ユウトさん、何か?」

「あ、いえ。何でもないです」

 澄んだ目をして微笑む。

 本当に何でも無さそうだ、と思った。



 その夜のこと。

 男4人はゲームの前にサバゲー計画。


「薫さん、電動OKでいくんですか。自分持ってないんですけど」

 悠斗が薫に聞く。

「俺がよおけ持ってる。ショットガン、ライフル、なんでもあるで」

 薫はネットショップで犬達のサバゲーコスチュームを探している。

 聖は横から覗き見る。

「へえ。そんなのあるんだ。かっこいいじゃん。トラ迷彩服似合いそう。

あ、俺は持ってないよ。作業服でいいだろ」

「セイは白衣ちゃうかったらええで。白いのは目立つからな」

「自分もジャージでいいですか?」

「ユウト、ジャージは弾当たったら痛いで。俺が用意する」

 聖と薫と悠斗、3人くっついて喋っている。

 鈴森は、薪ストーブの側に行き、

 まだ寝ないでそわそわしているシロとトラを撫でている。

 聖は声を掛けるのを躊躇った。

 鈴森はサバゲーには乗り気で、暫く前は話に入っていた。

 犬の方へ移動したのには理由があるかもしれない。

 犬の思考までも視えるのだろうか?


 サバゲーについてのミーティングが終了しゲームを始める。

 4時間が過ぎた頃、

 薫の携帯に吉村からの着信。

 「夜中の1時やで。ただ事では無いな」

 薫は皆で聞こうと、スピーカー設定にする。

 

「夜中に申し訳ない。カオル君、実はケンがな、暴漢に襲われたんです」

 ショッキングな話なのに吉村は冷静。

「どこで?……パーティのあと、どこかに行ったんですか?」

「倒れていたのは、スーパーのタバコ吸うとこ。家でタバコ吸うたら嫁が怒るからと、隣のスーパで、帰り道に一服してたんやと思います」

「本人の意識はあるんですか?」

「頭打って意識無くしていたけれど、さっき目覚めた。左肘の骨が折れている。命に別状無いから安心して。背後から襲われたので犯人の顔は見ていない、言うてました」

 吉村は病院にいるらしい。

「物取りですか?」

「財布は取られてない。なぜか靴だけ持って行かれてる」


「……靴、でっか」

 呟いたのは鈴森だった。


「その靴の事で電話したんです」

「どういう事ですやろ?」


薫は首を傾げている。

聖も話の先が全く読めない。


「ケンと私はパーティの後、遅くまでケアハウスに残ってた。8時過ぎやったかな、出るときに、私の靴とケンの靴が無くて、誰かと誰かの革靴2足玄関にあった。間違えて履いて行ったんやな。けど、だれにせよ知らん人では無い。気付いて連絡してくると思い、そこにある靴履いて帰りました」

 誰からの連絡も無いまま、帰り道に幸森は暴漢に襲われ靴を盗まれたのだ。


「靴だけ盗っていくってなあ、妙な事件やと刑事さんが言うたはります。持ち主の心当たりを聞かれ、間違えた人を捜してるんです」

「状況は了解。自分は違います」

 薫は、おしごとモード。

「俺も間違えてないですよ」

 聖は室内履きのスリッポンに履き替えている。

 革靴は泥を落としてクローゼットに戻した。

 父から譲り受けた大切な靴。間違える筈は無い。


「違うんですか。ホントに……。どういうことやろ……。夜中に悪かった。あ、サバゲーはして下さいヨ。ケンもたのしみにしてるから」


「犯人、けったいなヤツやで。けどすぐ捕まるやろ。スーパーの防犯カメラ調べたら分かるで」

 薫はゲームを再開しようとした。

「カオルさん、間違えていると思いますけど」

 鈴森がしゃがんで薫の靴を指差す。


「へ?」

「よく似ているが違う靴です、と言いたいところですが。黒で紐靴が同じなだけ、別物ですよ。柔らかい皮ですね、老人が歩きやすいように作られた靴でしょう」


「ええーっつ」

 薫は自分の足下を見る。

「熊さんがそう言うんなら、おれの靴と違うんや」

 自分でわからないのか?


「ああ、それでトラが避けていたんですね。鈴森さんの靴はあんなに臭いを嗅いでたのに」

 悠斗が思い出したように言う。

 トラもシロと同様に鹿の糞に興味を示したのだ。


 聖は全く気付いていなかった。友達の靴など注意して見なかった。

(あ、そういえば革靴なのに走るの早かったっけ)

 と、今思ったくらい。


「えらいことや、えらいことしてしもうた」

 薫はぶつぶつ言いながら携帯電話を触っている。

 誰かとラインしてる感じ。


「幸森会記念病院や。俺、靴持って行ってくる」

 薫は靴を脱ぐ。

「俺も行くよ。俺は間違えてないって見せるよ。薫は俺の革靴を履いていけばいい」


 聖は自分の靴を持ってくる。

「ほう。クロコダイルですね。随分な高級品ですね」

 鈴森が褒める。

「年代物ですよ。父のです。父は爺ちゃんから貰ったのかも」


「めっちゃ履き心地いいねんけど。俺にぴったりやで」

 薫は何事も忘れて嬉しそう。

 

 鈴森は、薫が脱いだ靴をスーパーの袋に入れる。

 トラとシロに見せるような仕草で。


 聖は犬達が靴の臭いを嫌がっていたのだと分かった。

 知らない男の臭いを。

「さっと行ってさっと帰ってきて、続きしましょう」

 鈴森と悠斗に短い留守番を頼む。

 犯人はすぐに捕まるに違いない。


 幸森の爺さんは、好きでも無いが無事で良かったと心から思う。

 薫の他にもう1人、靴を間違えた人物が居る。

 それは明日にでも判明するだろう、と思っていた。

 

 吉村は、13組の老人達には楠の婆さんにラインで聞いて貰い、施設長にも確認し、娘婿克己には岩切観光ホテルのスタッフにも問い合わせて貰った。

 結果、間違えた人物は無かった。薫には、一番最後に電話を架けたのだ。


 幸森が自分の靴なのに違うと勘違いしたのか?

 それも有り得ない。


 残っていた2足は、どちらもサイズが27.0センチだった。

 これは吉村の足のサイズと一致。

 幸森のサイズは25.5センチ。

 幸森は(ブカブカやな)と文句を言っていたのだから。

 つまり、 <薫の他にもう1人の靴を間違えた人物>は存在しない。





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