『目覚め…♡』
ズォゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォ~…ン…っっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!
夜のロアナールの大森林…。
周囲一帯のすべてのものを包みこむ『極光』。
『極太レーザー』の『光』の『天雷』が、暗雲立ち込める漆黒の『天空』より…暗黒覆う『地上』に振り降ろされる…。『光』の『天幕』。
その『瞬間』には、そこにいる誰しもが、『走馬燈』を見る…『刹那』すら与えられず、『光』の中を漂う…。ひとつの『魂』になっていた…。
この世に生きる悪しき『未練』や『執着』など…。手放さざるを得ないほどに、ただただ白い『忘却』の『彼方』に、一点の『光』の『光球』を見つめざるを得ないほどの…。その『宇宙』…。
『天体』の奥…。その『彼方』に光輝く『星々』…。
『術者』の『マナシス』でさえ、『宇宙』の『孤独』を感じざるを得ないほどの…。悠久の『宇宙空間』…。
その中…。
『恋に目覚めし者』。
『ピオーネ』…。
つい先ほどまで、ピオーネ自身が、両腕に抱きしめ続けていた愛しの『シュンタロ』が、『影』も『重み』も…『微塵』にも…感じられること無く、それどころか、ピオーネ自身さえも『空』になってしまっていることに、驚き…。困惑する…。
「見えているのに…」
目の前に広がる『大宇宙』…。
『何億光年』もの『光』の『導き』の中に、『ピオーネ自身』が、初めて感じ取った『無量感』…。
ただひたすらに追い求め…。探し続けて、ようやく掴んだ『光』。
今世での『生』。生まれ変わり。『転生』。
無限の彼方の最中にピオーネ自身の『魂』を形作る『核』と成すもの…。
「初めて知った…。これが、『恋』…。『シュンタロ様』…」
朧気に見えて来た…。消えてしまいそうになっていた…。儚いピオーネ自身の…これまでの『記憶』。
その中に…。
いくつもの『星々』…が、輝く…。
「 「 シュンタロ… 様…?」 」
ピオーネ自身の…頭の後ろ側で同時に響く…。もうひとつの『声』…。
ピオーネ自身が、目覚めてから聴いた…。最初の『声』。
『シュンタロ』…ではなく。『マナシス』の『声』…。
ついさっき、自分の発した『声』に似た…。『か細い』…。『頼りない』…。『小さな』…。『声』…。
『点在』する『先々』に…。
『人々』…が、横たわっている…のが、見える…。
それぞれが、それぞれに…。
『誰か』の『想い人』の『名』を口々に…告げている…。
「シュンタロ…」
羅那が、目覚める…。
「シュンタぁぁ…ロぉ…」
魔剣フーコが、目覚める…。
羅名…魔剣フーコ…ピオーネ…マナシス…。
一同が、一斉に…目を覚まし…。
驚いたように、お互いの『顔』を…。『目』を丸くして…見合わせる…。
可笑しくて…。なんだか…。笑えてくる…。
同時に、吹き出す…。羅名…フーコ…ピオーネ…マナシス…。
四人の視線の先…。
眠りから醒めた『点在』する『人々』…。
その『視線』のさらに『奥』…。
『光』輝く『青年』…が。ゆっくりと、想いの『瞼』を開けようとしている…。
初めて『太陽』の『光』を浴びた…。『向日葵』のように…。『目覚める』…。
「「「「…『シュンタロ』…だ…っっっっ!!!!」」」」
『四人』の『視線』の『先』に、横たわる『シュンタロ』…が、『目覚める』…。
『シュンタロ』…よ。『開口一番』。誰の『名』を呼ぶのか…。
『無言』の『時』の最中…。
『四人』の『最大』の『関心事』が、『一点』に『集中』する…。『視線』の『奥』。『シュンタロ』。
『さあ…。
目覚めよ…。
【全界の救世主】よ…。
その『名』を『口』にするのは…『誰か』…?』
「「「「 え …っ? 」」」」
それぞれの『四人』の『心の中』に…。
聴いたことの無い『天の声』…が、響き渡り…。『木霊』する…。
私…だ。
少しずつ…。口を開ける『シュンタロ』…。
ゆっくりと…。ゆっくりと…。
息をのむようにして…。見守る…。『四人』…。
「スゥ~…。ハァ~…」
ゆっくりと…。穏やかに…。『呼吸』を…し始める…。『シュンタロ』。
「スゥ~…。ハァ~…」
ゆっくりと…。呼吸する…。まだ、目覚め醒めやらぬ…。
『シュンタロ』…。
まだなのか…。
「スゥ~…。ハァ~…」
…。
まだか…。
まだなのか…。
ヤキモキさせられる…。
「スゥ~…。ハァ~…。ふおおおぅ…っ!?」
「ガバ…っっっ!!!!!」…と。目を覚まして、横たわり寝ていた状態から…。
『上半身』のみを『ゾンビ』のごとく…。身体を『L字状』に起こす…。
『シュンタロ』…。
一同が、一様に…手に汗を握り…。見守る最中…。
『シュンタロ』…が、『開口一番』。
ついに…。
その『名』を…。
叫んだ…。
「ラナフーコピオーネマナさんんんん…っっっっっっ!!!!!!!」
「「「「 はい~…???? 」」」」
釈然としない様子で…。
一様に…。それぞれ…。同じ角度で。首をかしげる。『四人』…。
ハッキリしない…。優柔不断な『シュンタロ』の…。
『心の中』の『混沌』が…。
『四人』…の『心』の中の…『宇宙』に…。
『混沌』…と。入り交じり合う…。カオス…。
『四人』…の『想い』…を、よそに…。
だんだんと…。あたりの『景色』…が、白んでゆき…。
『明瞭』になってゆく…。
『マナシス』の『放った』『極大転移魔法』…。【天界大降臨】…。その『全貌』…。
羅名が、『住み家』としていた…。切り立った『断崖絶壁』の『山頂』の『上』に…。
羅名…魔剣フーコ。マナシス。ピオーネ…シュンタロ。それに、一般の方々…。
みんなを乗せた『大地』が…。
『大陸』ごと『削り取られ』…。
その『円盤』のような『地盤』が、羅名の『住み家』の切り立った『断崖絶壁』の『山頂』の『上』に…。
『UFO』のように…。のっかっていた…。




