『二人』の『魔神』。
「あ~…っっっ!!!!はっはっはっはっ…っっっっ!!!!!」
【虚無世界】『全土』に…響き渡りそうな『声』…。
【虚無世界】の…とある【魔城】…。
『蟲魔神』【ベルゼバベル】が『居城』…。『虚無世界』随一、醜いと…。
噂に名高い『城』…というよりは、地面を掘り込んで作られた『地下迷宮』…『最下層部』。
『蟲魔神』【ベルゼバベル】と『吸血神』【ヘテロクロミア】の…二人の『少女』が、『玉座の間』にて、悠然と…くつろいでいる…。
「あっは!!まさか、お前んとこの『魔王』『スコルピオーネ』が、『恋』?に、堕ちるなんてな…っっ!!よもや、よもやの『事態』とは、まさに『この事』…だな…っっ!!」
笑いが、止まらず…。腹を抱えたまま『爆笑』している…『少女』。
『玉座』に座り…もう一人の『少女』『ベルゼバベル』の背中を、バシバシ!!叩いて笑っている…。金銀の『瞳』『ヘテロクロミア』そのままに…。
金色の長い髪の毛が、ゆれる白い肌…『胸の谷間』へと流れ落ちる。
『吸血神』【ヘテロクロミア】。
その『口』から、『白金』の『牙』が、光る。
「だよね~…。マジ、ウケるよね~…。…って、笑えないんだけどぉ…っっ!!!あぁ…。ピオーネちゃん…。『恋』?しちゃったのかぁ~…。良いなぁ~…」
部下の『魔王』『スコルピオーネ』が、『裏切りの恋』…に、『堕ちた』…。にも関わらず…。
なぜか…。
自身…も、うらやましそうに『ため息』をつく…。
『お年ごろ』の『蟲魔神』『ベルゼバベル』。
複数の『モニター』…。
『蜘蛛』の『複眼』の機能を利用して作られた複数の『画面』に…。
『異世界各国の情勢』が、余すこと無く映し出される。
全身。『包帯』でグルグル巻きにされた『容姿』以外には、『土色の髪の毛』と『大きな黒い片目』だけを、『ギョロッ』…と、ギョロつかせている…。『蟲魔神』【ベルゼバベル】。
ただ、『胸』だけは、『大きい』…。
「はぁぁ…。良いよねぇ~…。『恋』?ないわぁ~…。いつぶりだろぉ~…。あはん♡うふん♡?なんて…。ハグ♡?抱きしめられたぁ~い♡♪」
なにを…。呑気なことを、言っているんだか…。
『吸血神』【ヘテロクロミア】と…。『蟲魔神』【ベルゼバベル】。
二人『女子会』に、やんや…やんや…と。『話題』尽きること無く『盛り上がる』…『恋話』。
「あ~…。そうだ…。そうだ。あそこんとこの『第1王子』?めっちゃ、好みなんだよね~♡♪なんか~…。『婚約者』募集?とか?『立候補』して…今度、喰っちゃおっかなぁ~♡どんな『味』?するんだろぉ?あ~…。ダメダメ♡トキメク~ぅ♡ねぇ?ヘテロクロミア…?『ヘテミン♡』は、お城の『仮面舞踏会』参加するぅ~…?」
「いや…。『ヘテミン♡』…って言うの、止めろよ?趣味悪いだろ?ベルゼバベル…。しかも、『あの国』の『第1王子』だろ?あの辺の『領土』は、確か…他の『魔神』が…。だが、『侵攻』の『口実』には、面白い…。ノってやってもいいぜ…?『ベルゼ』…?」
…と、言いつつ…。
『ベルゼバベル』の『包帯』の『首もと』に、『白金』の『牙』を…突き立てようする…『ヘテロクロミア』。
「趣味悪いのは、アンタの方でしょうが…っっ!!!ヘテミン…っっ!!!!私は、女のアンタには、興味無いのよ…っっ!!!!ヘテミン…っっ!!!!やめてよね~…。吸血するのぉ~…」
「ふふ…。良いじゃないか…?減るもんじゃなし…。吸わせろよ…?」
「ダメだよぉ~…。んもぉ~…。しょうがないなぁ~…。ヘテミンは…。んじゃぁ…さぁ…。いつもの…『口』…だけなら…良いよ?噛まないでよ…ね?」
「噛まない…さ。ま…良いか…。それじゃぁ…。有難く頂くとするよ…。私の『ベルゼ』…」
「だからぁ~…。やめてよね?『ベルゼ』?なんて言って…『口吻』するのぉ…。ほんとぉに…。しょうがない子…なんだから…」
『ベルゼバベル』の『白い包帯』の『隙間』から…。美しい『紅い口唇』が、『露わ』になる…。
『吸血神』【ヘテロクロミア】と…。『蟲魔神』【ベルゼバベル】。
【虚無世界】の中でも、『随一』と『噂』される『二人』の『仲の良さ』…。熱い『親交』…。
この『夜』も、また…。まだ、始まったばかり…。
幾度となく…。『悠久』の『時』を重ね合った『二人』にとっては…。




