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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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59:お風呂に入ろう。

 さて、皆はログアウトしたしお風呂に行こうか。

 そういえばこのゲームって、服は全部脱げるのかな?

 服を着たままの入浴って、何か落ち着かないんだよね。


 あ、その前にちょっとお弁当でMPを補充しておこう。

 料理は美味しくてもお腹は空いたままだし、この後ログアウトするとはいえ少しつらい。

 結晶にも味があれば嬉しいのになぁ。作るときに果汁とか混ぜ込めないかな?

 覚えてたらやってみるか。覚えてたら。


 あとお風呂に入ったらログアウトするんだし、ポチも送還しよう。

 正面に回って頭をなでなでして労っておく。お疲れさま。



 お風呂に着いたのでとりあえず水を張ろう……と思ったけど、【大洪水】でお湯を出せば温める手間が省けるな。

 両手からどばーっとお湯を放出してなみなみと注ぐ。

 一杯まで張ったお湯をあふれさせるの、ちょっと好きなんだよね。現実だと勿体ないからあんまりやらないけど。

 

 服は普通に脱げた。とりあえずボックスに入れておこう。

 これ他の人から普通に見えちゃうのかな? 謎の光とか補正で見えなくなったりするんだろうか。

 まぁ人前で脱いだりしないし別にいいか。

 なんかこの初期装備、いろんな目に遭ってるけど全く傷んでる気配が無いし、唐突に壊れて裸になることは恐らく無いだろう。

 でも今死んだらどうなるんだろう…… まさか全裸で広場に放り出されたりしないだろうな?

 流石にここの開発でも、それくらいは配慮すると信じたい。


 しかしこの妖精の服、裏地といいこの下に何も着てない事といいやっぱり水着……

 いや、私は断じて水着姿で町中を徘徊する変態ではない。これはちゃんとした服なのだ。

 見た目は同じだから一緒じゃないのかって理屈はスルーするのだ。



 まぁそんなことは置いといて、ちょっとぬるめなので追い焚きしようか。

 っていうかこの湯かき棒代わりのスプーン、重くて妖精にはまともに扱えないよ。

 まぁ【魔力武具】で適当な棒を作ればいいから、私は問題ないんだけどさ。


 老廃物は出ないけど埃とかはあるだろうし、ちゃんとシャワーで流しておこうね。

 試してないからどのくらいの温度なのか解らないな。真ん中の奴でいいか。

 あ、丁度いい感じにぬるい。シャンプーとかは無いけど髪も洗っておこう。



 ふぁー。やっぱお風呂はいいなー。

 別に現実でいくらでも入れるけどそれはそれ、これはこれ。

 やっぱりお湯の中で足は伸ばせないけど、一般家庭の湯船くらいの広さはあるから十分だ。

 あとこっちだと髪をまとめなくていいのが楽でいいね。仕方ないとはいえやっぱり手間だからなぁ。


 あー、そういえば紅茶風呂とかあったなー。

 こっちなら簡単に出来るんじゃないかなー。 明日入浴剤代わりに茶葉探そうかなー?

 他にも蜂蜜風呂とか。あー、全部配っちゃったから今は持ってないなー。

 量が少なくていいから、いろんなお風呂が気軽に試せそうだなー。後でお姉ちゃんに自慢してやろー。



 いかん、気が抜けすぎてる。お湯から両手を出し、顔に冷風を浴びせて頭をはっきりさせた。

 このまま長風呂していたくもあるけど、現実でお昼ごはんを食べないといけないしそろそろ上がろう。


 しまった、タオルを用意するのを忘れてたよ……

 むぅ、布って妖精の服以外だと傷んだ絹しか持ってないぞ。しかも部屋に置いてあるし。

 流石に誰も見てないとはいえ、全裸で四階まで行くのはなぁ。痴女じゃあるまいし。


 温風で無理矢理乾かすか……? でも熱いとせっかくお風呂に入ったのに汗かきそうだし、ぬるめだと体が冷えそうだ。

 考えてても仕方ないな。お弁当でMPを補充して、二ヶ所の【座標指定】から【灼熱旋風】だ。

 あちち、温度上げ過ぎた。これくらいかな。うん、いい感じの温かさだ。



 拭いてないっていう違和感はあるけど、ちゃんと全身が乾いたので服を着る。

 両手から軽く熱風を出しつつ指で髪を持ち上げて根元から乾かしていく。あー、髪が短いと楽でいいなぁ。

 仕上げに【魔力武具】で作った櫛で軽く梳かして完了だ。


 お湯を抜くのを忘れてた。穴が大きいから抜けるのも早いな。

 うん、全部抜けたし塞いでおこう。ついでに軽く乾かしておこうかな。




 よし、それじゃお部屋のベッドでログアウトしよう。

 普通の状態でログアウトするより、ベッドとか寝袋とかの寝られる環境でログアウトしたほうが早く回復するらしい。

 まぁどちらにしろ全回復出来る位の時間ログアウトしてるんだし、あまり関係ないけど。

 せっかく貰ったんだから使いたいっていう理由が一番だね。


 流石にコイル入りのマットレスなんて物は無いらしく、絹に綿を詰め込んだ敷布団だ。

 掛布団は……これは羽毛かな? まぁ何でもいいか。

 おふとんにもそもそと潜り込み、手を使わずに念じてメニューを操作しログアウトした。





 ギアを外して体の慣らしをやってからリビングに行き、お姉ちゃんが温めておいてくれたカレーを食べる。

 食べながら町の外の状況を聞いてみると、内陸部に作る町や中継地点の候補地を探している組、周辺の地図を作製して回っている組、ただひたすらに町から遠くへ行って戦っている組などが居るらしい。

 あとふらふらしつつその辺で色々倒したり集めたりしてる組。お姉ちゃん達はこれらしい。

 真面目に開拓してる人達は大変そうだなぁ。完全に他人事だけど。



「お風呂はどうだった?」


「どうって言われても。見た目はアレだけど良いお風呂だよ」


「見た目? 何か変なの?」


 しまった、口を滑らせた。変にはしゃぎそうだから言わなかったのに。


「いや、なんでもないよ」


「気になるなぁ。まぁ言いたくないなら聞かないけど」


 聞き分けが良くて助かるよ。知ったら絶対入ってみてーとか言い出すだろうし。

 さて、片付け諸々を済ませてログインしようかな。

 休日とはいえゲームしかしてないのもどうかと思うけど、まぁそんな日もいいだろう。




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