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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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473/3659

473:並んで練習しよう。

 棚からお手本と私達用に作られた道具を借りてきて、机のすみっこに広げて作業を始める。

 練習用の薄くて小さい銅板、なんか来る度にどんどん数が増えてる気がする。

 こんなの他に使い道無いだろうし、なんか申し訳ないなぁ。


 せめて無駄にしない様に、真面目に頑張らないとだ。

 いや、別にそうじゃなくても真面目にやるけどさ。



 カトリーヌさんと二人並んで、お手本を見ながらコンコン叩いていく。

 うーん、相変わらず難しい。

 「大体合ってる」程度にはなるんだけど、ぱっと見で解るくらいの違和感が残るんだよなぁ。


 ……ってカトリーヌさん上手いな。

 一つ目から既に私のより完成度が高いじゃないか。

 多分スキルは取ってないと思うし、現実側での経験者なのかな?



 まぁ隣の人が上手いからって私がどうなるわけでも無し、練習を続けるか。

 無くすほどの自信もまだ無いし。


 いや、なんかコツとか盗めるかもしれないし、意識するだけはしておこう。

 気になり過ぎて自分の手が止まっちゃ意味無いし、視界の端に収めておく程度で。


 む、そう思った瞬間に作業を中断してお礼を言いに行ってしまった。

 まぁ良いか。




 一枚目をひとまず完成させ、ふとぴーちゃんはどうしてるかなと思って作業場を見回してみる。

 あ、なんか優しそうなお姉さんの所で可愛がられてるっぽい。

 作業の邪魔にならない様にって言ったのに仕方ないなぁ。


 まぁちょっと見た感じ、作業の合間にちらっと見て撫でてるだけっぽいし、そこまで邪魔をしてるわけでも無いのかな。

 お姉さんに貸してもらったのか、綺麗な石を持って嬉しそうに見ながら座ってるだけだし。



 さて、そっちばっかり見てても仕方ないので、こっちも次のを作るとしよう。

 作業速度もカトリーヌさんに負けてるし。

 別に勝負じゃないから良いんだけど。




 更に二枚の銅板を叩き終えて、再度ぴーちゃんの方を見てみる。

 ……なんか決めポーズ取ってお姉さんの正面に立ってるんだけど。


 あぁ、モデルやってって頼まれたのかな……?

 お姉さんの手元に、立ってるぴーちゃんと大体同じ形に削られた石柱が有るし。


 おぉ、凄い勢いで削られてどんどん形が近付いて行く。

 スキル持ちはやっぱり凄いなぁ。

 いや、単純に経験も練習量も私とは全然違うんだろうけどさ。

 あのペースなら、私たちが帰るまでには大体出来上がってるだろうな。



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